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仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀破綻で日本円が無価値になるリスク」)

公開日: : 最終更新日:2016/09/04 財政問題

こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。

今回は日本の「財政問題(国債)と日銀と日本円の信任」について。

日本って財政破綻(デフォルト)するのですか?

巷でよく耳にする、そして過去何十年も前から言われ続けていることですが、

「日本の財政って赤字国債を発行し続けているから危ないって聞いています。日本って破綻(デフォルト)するのでしょうか?」

という疑問。

実際、借金が増えているというのは事実です。

<日本の借金残高対GDP比で世界一(各国比較)>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀破綻で日本円が無価値になるリスク」)(出典:Bloomberg)

そもそも「破綻(デフォルト)」の定義が曖昧なままで不安に煽られている人が多く見受けられますが・・・・まず大前提として「破綻する、破綻しない」という丁半博打をしても仕方ありません。「デフォルトしても良いように備えておく」というのが本来、個人投資家がしておくべきリスク管理です。

とはいえ(「日本の経済規模や通貨制度、対外純資産と同じ土俵で話題にするな」という反論は今回敢えて聞かないようにしますが)、例えば直近のギリシャ財政危機や、以前のブラジル、アルゼンチンなど、歴史を振り返れば様々な国が歴史上で何度もデフォルトしています。そして、デフォルト後には経済が立ち直っている国も多く見受けられます。

日本は先進国だから、技術大国だから、対外純資産が豊富だから、預貯金1,700兆円があるから、そもそも国債は返さなくても良いから日本はデフォルトしないというのは単なる「願望」でしかなく、今のように放漫財政が続いていけば、いつかはどのような形かは別として無理が来る(デフォルトに近い形になる)というのが経済でしょう。

※「なぜギリシャ国民が預金封鎖前にATMから預金を引き下ろしていたのか?ギリシャがデフォルトした後はどうなるのか?」/資産運用Q&A

私は「日本は早めにデフォルトした方が(若者や今後の世代にとって)良い」という考えですが、その場合、日本円しか保有していない日本人、特に高齢者(日本人口4人に1人)にとっては悲劇となるでしょう。

だからこそリスク管理の為には、円資産のみならず外貨資産(特にUSD、そしてCHFや金)への通貨資産分散が必要です。

※2015年は過去最高、日本人口の4人に1人が65歳以上の高齢化社会時代に本格突入(若い世代の年金を支えるのは?)/みんなの年金問題

さて、「日本国債(赤字国債)は、借り換えていくから、そもそも返さなくても良いし、いくら発行しても大丈夫」というような論も聞きますが、単純にそのとうな甘々なルールだったら、どこの国でも無制限に赤字国債を発行させ続けられるという極論になりるので、この論に関しては私は賛成ではありません。この論では借り換えができなくなる状況を無視しているからです。

日本は(国民は大反対ですが)「大増税できる」と国際的に考えられているので、今後の大増税による財源確保という理由から「日本国債はデフォルトしない」とも言われています。

ただ一方私は、今後の消費増税や他の大増税、また社会保険料を大幅に上げることで現状の日本のゾンビ財政を維持していくのは単にツケを回し続けているだけだと思います。

なので、一旦デフォルトしてしまって「日本円しか持っていない人はみんな貧しくなる方」が、今の若い世代やこれからの世代、デフォルト後の日本にとってはポジティブに作用するのではと考えます。

日本がデフォルトするシナリオを考える

「デフォルト」とは「財政破綻」の意味です。

私が想定している「日本の財政破綻シナリオ」2つと、最後の3つ目は「財政破綻しないシナリオ」ですが、

1.)日銀のデフォルト危機(政府による資本注入)による財政破綻
=預金封鎖+新円への切り替え(デノミネーション)実施

2.)金利急騰で利払費の急増+借り換え不可による財政破綻
=海外投資家による国債先物市場での投げ売りと国内銀行の連鎖倒産

3.)「大増税」+「徴収する社会保険料の大幅増」+「社会保険制度の削減」により財政破綻はしない
=税収を上げる、社会保険料を上げる、さらに社会保険制度(年金、医療、福祉を削る)

です。

つまり「日本円しかもっていない人」は「(円の価値がなくなるので)みんな貧しくなる=困る人」というのが「デフォルト」です

また一方で「甘んじて大増税+社会保険料増+社会保険カット」を受け入れるというのが今の日本システム存続だと思っています。

なので極論(デフォルトするか否かは別として)「別に貧しくなってもいいや」という人は、わざわざ日本の国家財政を心配する必要もなければ、海外へ資産フライトさせる必要もなく、その万が一に備えるなんてことも全く必要ないと思います。

一方、「困らない人」や「困りたくない人」は「国家と自分の財産を切り分けて考える為にリスク管理の1つとして」資産フライト(海外投資や海外で資産保有)をしています。

※超富裕層と資産課税や富裕税(海外資産保有や資産フライトへのモチベーション)/富裕層情報

日本国債発行の担保は日本人の個人金融資産1,700兆円

そもそも超借金大国と財務省とメディアが騒いでいる日本において「なぜ日本がギリシャのようにデフォルトしないのか?」というのを考えてみると、日本国債(赤字)の発行の裏付け(担保)が、日本人の個人金融資産(預貯金)「約1,700兆円」+「今後の大幅な増税見込み」があるからです。

つまり「(特に高齢世代の)日本人がせっせと預貯金し続けている資産で、預貯金を預かる銀行が日本国債へ投資し、その銀行の国債を日銀が量的質的金融緩和という無茶苦茶な金融政策で国債の40%を買い上げている」のと「増税したところで勤勉マジメに働きで同調性のある日本国民は増税にも耐えられる」という理屈です。

他国が日本ほど赤字国債を発行できない理由は、日本のように個人金融資産(預貯金)が約1,700兆円もなく、増税路線に舵が取れていないからです。個人金融資産世界一を誇る日本人の個人は「お金持ち」なのです。そして、何かと理由を付けると増税しやすいのです(「消費増税には大いに反対してきた歴史はありますが・・・」)。

なので目下「日本政府はこの預貯金を(ある意味で)担保にして、新規赤字国債を発行して日本国内で消化し続ける」という構図で国債をバンバン発行しています。

※日本の借金は過去最大の1,053兆円!今年生まれた赤ん坊も830万円の借金を抱える計算に!/財政問題

<公債(国債)残高推移>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀が破綻して日本円の価値が吹き飛ぶリスク」も考えて)1(出典:財務省)

ちなみに多くの日本人が「預貯金」をしているものの、

実は「預貯金=(間接的に銀行が)日本国債を買っている」

ということで、

さらに言えば日本国内で加入している生命保険=保険会社の安定的な運用先は「日本国債」なので「保険に加入している」というのは、

実は「生命保険=(間接的に)日本国債を買っている」

ということで、

多かれ少なかれ日本人の資産の大半が「日本円のまま(間接的に)日本国債」になっているということです。

結果、自分の資産=日本国と同一化している(仮に日本がデフォルトしたら貧乏になる=困る人)ということになります。

ここで冷静に今の日本財政(国債)を考えた時に、2つの大きなリスクに直面していることに気が付きます。

1.)高齢社会は止まらず(4人に1 人が65歳以上、つまり年金プラスアルファで「預貯金を取り崩して生活」)

2.)日銀が高値で日本国債を買い続けているので、日銀の資本が吹き飛ぶリスクがある(=日銀のデフォルト=日本政府による資本(税金)注入?=今の日本円価値が無価値になる)

です。

1.)1,700兆円(預貯金)取り崩しの高齢社会と今後も継続する大増税路線

高齢社会(=社会保障費の増大)は止まらないので、この国債を担保している1,700兆円のうちの預貯金取り崩しが徐々に始まり「国債買い支え原資(担保)」が少なくなっていくというリスクが大いにあります。現状では国内で消化そして発行できている日本国債ですが、これから赤字国債額と預貯金額が均衡した場合には、この国債消化システムに危険信号が灯ります。

国債額を減らすのか、高齢者に対して預貯金取り崩しをさせないようにするのか・・・国債発行を極力避けるために日本政府が選択できるのは、結局「増税」or「社会保障費のカット」、「経済成長の加速」のどれか、もしくは全てということでしょう。

<社会保障給付費は増加の一途(下から、年金、医療、介護)>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀が破綻して日本円の価値が吹き飛ぶリスク」も考えて)3(出典:財務省)

現在、日本の一般財源のうち税収が半分程度で国債発行が半分ずつなので、増加する社会保障費を賄う上でも今後政府(財務省)としてはまずは継続して「大増税路線」は揺るぎません。そして、2030年代には25%程度まで消費税を上げたいというのが(財務省の)本音なのでしょう。もちろん消費税だけではなく他の様々な税を増税してくるのは間違いありません。

※2030年代、消費税25%が必要だってよ!/投資と社会事情の関係

<各国の社会保障支出と国民負担率の対GDP比>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀が破綻して日本円の価値が吹き飛ぶリスク」も考えて)4(出典:同上)

さらに他国と比べてまだまだ国民負担率が「低い」ので、これからまだまだ負担率を上げられるもしくは社会保障を削る(つまり社会保障は充実しない)というのが見え見えです。

2.)日銀の破綻危機は円が無価値になるのと等しい

もう1つの「日銀が国債を買い支えている点」が危ないなぁ〜と思っています。

日銀が国債市場の40%を買い占めている日本の国債売買マーケットは正常ではなくむしろ異常なので、もはや「国債の信任(格付けや財政状況)」なんて関係なくなっています。

つまり、日本のデフォルト危機時=日銀の破綻危機時と言えます。万が一「日銀が破綻するかも知れない!」という懸念がマーケットに拡大して日銀の資本状況が悪化すれば、通貨日本円の信任に傷がつき、円資産は無価値になります。

※ヘリコプターマネー(ヘリマネ)発動は日銀破綻へのトリガーに?(2018年〜2030年の日本国債クラッシュ懸念=円資産価値の減価)/制度・規制・法律・金融政策

※「永久債」や「50年債」とは?(くすぶり続ける日銀ヘリマネ出動と高齢化社会日本の国債問題)/財政問題

9/1のBloombergの1つの記事でも「日銀の国債引受の問題点と償却時の負担」について指摘されています。

<日銀保有の長期国債償却負担が拡大中>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日本円の価値」が吹き飛ぶリスクも考えて)(出典:Bloomberg)

実は日銀は保有国債について「償却原価法という会計基準」を用いていて、元本を上回る部分を償還までの毎年均等に償却しています。

この「償却原価法」を具体的に説明すると、例えば満期まで5年間ある長期国債を市場から110円で買い取って満期まで保有したとしても、5年後の満期時には元本は100円しか戻ってきません(10円の損失)。この満期償却損に相当する10円部分を満期時に一度に表面化させるのではなく、残存期間を通じて平準化させるという考え方です。

そして、この国債の「簿価」と「額面」の差額の約8.7兆円は日銀が保有している国債の償還までに必要な償却額となっていて、この毎年の償却負担額が増加することで、日銀の収益圧迫となり、最終的には日銀の財務基盤を脅かすリスクを秘めているということです。

<マイナス金利で額面を上回る国債購入により日銀の財務状況が悪化>

仮に日本が破綻した場合に困る人、困らない人(「日銀が破綻して日本円の価値が吹き飛ぶリスク」も考えて)(出典:同上)

ちなみに、このリスクについては、2015年12月時点で木内登英日銀審議委員が、日銀保有国債の償却負担が拡大していることについて「すぐに大きな問題を生むわけではないが、マイナス金利政策が長期化した場合、大きな潜在的な問題点の1つだ」と指摘。更に「量的・質的金融緩和の出口で日銀の損失が年間7兆円に達するとの試算」も公表しています。ちなみに日銀の自己資本は約7.4兆円・・・。

仮に日銀が財政悪化、破綻懸念、破綻(=政府による税金投入による資本注入)という状況になれば、最終的に導入される方法としては「新円への切り替え=デノミネーション(今の円の価値ではなくなる)や預金封鎖」でしょう。

終わりに

そうは言っても「日本は第3位の金持ち国だから大丈夫!」と多くの人は思っているでしょうし、私もそう望んでいます。

また「国債は返済しなくても良いし、借り換えできるから問題ない」という論を信じる人も日本の財政問題なんて気にする必要は全くありません。

ただ、少しでも先々の日本の財政問題に対して不安を感じている人、デフォルトしないまでも「社会保険(年金)カット」を危惧する場合には、少しでも海外への通貨分散、また何かしらの資産運用をして自己防衛に努める方が良いでしょう。

「日本が破綻するしない」は誰も分かりませんが、今後の「増税路線+年金カット」は完全に既定路線だからです。

〜併せて読みたい〜

※預金流出が止まらないギリシャ!デフォルト間近で「預金封鎖」の前兆も!そういえば日本の銀行は大丈夫ですよね?/財政問題

※戦争(有事)、ハイパーインフレ、資産課税、デノミネーションからの「資産防衛方法」とは?(「タンス預金?米ドル?金?」)/資産運用Q&A

(カバー写真:Bloomberg)



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  • 眞原郁哉

    1986年、兵庫県神戸市生まれ。

    同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社。その後、K2 Investment株式会社入社。投資アドバイザーとしてクライアントのためになるアドバイスをできることにやりがいを持ってます。

    趣味はダンス、ネットサーフィン、珈琲。体育会系に見えて、実はインドアでもあったりします(笑)。

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