資産運用基礎その①:「応募者利回り(Yield to Subscribers)」〜債券投資の4つの利回り〜
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最終更新日:2020/09/02
資産運用の基礎、Q&A、基礎用語, 金融・資産運用の用語
こんにちは、真原です。
今回は、資産運用の基礎編。
特に、個人投資家にあまり馴染みが薄い「債券投資」について。
まず、はじめに・・・。
「債券」とは?
大枠として「債券」とは、国や企業などの債券の「発行体」が、「投資家」から資金を借り入れるために発行する「有価証券」の1つのことを言います。
また「債券」は、満期が定められていて、満期となる「償還日(≒満期日)」には、額面金額(≒投資額)が、投資家に払い戻されます。一方で、投資家は、発行体に対してお金を貸す代わりに、予め決まった「利子(クーポン/金利)」を受け取れる(儲け)、というものが「債券」です。
ちなみに「債権(権利)」とは、まったく別物なので、注意しましょう。
個人投資家にとって、馴染みがある「債券投資」といえば、
具体的には国が発行する「国債」
地方公共団体が発行する「地方債」
企業が発行する「社債」
また、債券にはいくつか方式があって、
「利付債(Coupon-Bearing Bond)」
「割引債(Discount Bond)」
「転換社債(Convertible Bond/CB)」
などがあります。
他には「サムライ債」や「ユーロ円債」なとの外債や外貨建債券もありますが、若干専門的過ぎるのでここでは割愛します。
ちなみに、銀行でよく販売されている「仕組債(Structured Bond)」という、スワップ取引やオプションなどのデリバティブを駆使して、株式個別銘柄や株価連動、為替連動などに一定条件(仕組み)を付けた「オーダーメード債券」にも投資できあります。
「債券の利回り」とは?
上で見たように「債券」に投資すると、基本的には、満期まで投資し続け「金利(クーポン/利子)」を取る運用です。
この「金利・利率(クーポン/利子)」を取るという投資行為において、「利率 (年利率)」は、投資の額面金額に対して、毎年受け取る利子の割合のことを言います(=表面利率)。また、この債券の利率は、発行する際のマーケットの金利水準や発行体の信用度などに応じて決まってきます。
また一方、「利回り(年利回り)」と は、「投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合」のことを言います。
そして、この「利回り(年利回り)」には、下記④つの「利回り」があります。
- 応募者利回り(Yield to Subscribers)
- 最終利回り(Yield to Maturity/YTM)
- 所有期間利回り(Holding Period Return/HPR)
- 直接利回り(Current Yield)
今回は、①つ目の「応募者利回り(Yield to Subscribers)」について。
よくよく思い返せば・・・FP3級などの試験で、この計算問題って出されますよね?
「応募者利回り(Yield to Subscribers)」とは?
「応募者利回り(Yield to Subscribers)」とは、新規で発行された債券を、償還(満期)まで所有(投資)した場合の「利回り」のことをいいます。
具体的に見てみると・・・、
〜債券発行条件〜
表面利率(=金利):2.0%
価格 :額面金額100円につき、101円
年限(満期) :10年
という債券に投資する場合には、「額面100円を、101円で購入する」という投資になります。
(※債券投資の基本は、額面100円で投資して、償還時に100で元本が戻ってくる)。
上の条件の場合、
「1円高く債券への投資をする(購入する)ことになりますが、代わりに2%のクーポン(金利/利息)を受け取れる」
ということです。
この債券で、満期まで10年間運用(投資)する場合、1年間の利回りはいくらでしょうか?
【「応募者利回り(Yield to Subscribers)」の計算式】
{表面利率+(額面金額ー発行価格)÷ 償還年限}÷ 発行価格 × 100
なので、
{2%+(100円−101円)÷ 10年}÷101円 × 100 = 1.8811…%
となり、年利1.81%という債券だと分かります。
つまり、1,000万円投資すれば、年間で188,110円の金利(クーポン/利息)をリターンとして受け取れるということです。
利回り計算とはいえ「応募者利回り」という言葉の定義と計算式さえ分かれば、小学生でもできる単なる加減乗除なので、何ら難しいことはありませんね。
次回は②つ目の、
2. 最終利回り(Yield to Maturity/YTM)
について確認してみたいと思います。
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