野村證券と大和証券の中国株ファンドがサスペンド(売買停止)
公開日:
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最終更新日:2016/11/12
資産運用の基礎、Q&A、基礎用語
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
中国マーケット(上海総合指数)が大きく下落調整をしている為、他国の株式市場にもその悪い影響が波及しています。
中国政府が躍起になって株価下支え政策を相次いで打ち出していますが、短期的な見せかけの上昇を作りだそうとしているだけで、そもそも上場企業の株売買停止や大株主や経営幹部が6ヶ月間株式売却できない措置など、完全に市場経済を無視しています。中国共産党は自分たちの手でマーケットをコントロールできるとでも考えているのでしょうか・・・。
※中国A株を売却すると逮捕!?共産党のなりふり構わない株価下支え政策!中国マーケットの異変に備えよう/マーケット(世界)
<上海総合指数 3ヶ月チャート>
さて、こうした状況を反映するように、中国株式(A株)関連の投資信託が一時的にサスペンド(売買停止措置)を取ることになりました。
野村證券(野村アセットマネジメント)と大和証券(大和証券投資信託委託)の中国ファンドのサスペンド(売買停止)
サスペンド(売買停止措置)になったファンドはこの5つ。サスペンド(売買停止措置)の理由としては、流動性が低下して、基準価格の算出などが難しくなるためとのこと。
<野村證券(野村アセットマネジメント)>
・野村新中国株投資
【基準価額】16,747円(7/9時点)
【純資産総額】68億円
・野村新中国A株投信
【基準価額】15,418円(7/9時点)
【純資産総額】110億円
・野村新中国A株投資
【基準価額】14,732円(7/9時点)
【純資産総額】19億円
<大和証券(大和証券投資信託委託)>
・ダイワ・チャイナA(エース)
【基準価額】15,561円(7/9時点)
【純資産総額】34億円
ダイワ深センA株ファンド
【基準価額】16,739円(7/9時点)
【純資産総額】30億円
どのファンドも純資産総額が少なく投資家の数自体は少ないと思いますが、この純資産総額程度のファンドであれば、ファンド運用のコストの兼ね合いで、ファンド側が勝手に償還する可能性もある純資産総額でしょう。
ファンドのサスペンド(売買停止措置)とは?
日本の投資信託(ファンド)でもこのようにサスペンド(売買停止措置)をとって新規の投資や解約を一定期間できないとようにする場合がありますが、これはファンドにとってはごく当然の措置であってひいては投資家の資産を守ることに繋がる措置です。
本来「ファンド」は、投資家からの資金を集めて(個人投資家は「投資信託を買う」と同義)、その資金を下に運用をしています。ファンドは運用してリターンを上げることが彼らファンドマネージャーの仕事であり役割なので、投資家から集めた資金を金利がゼロなど付かない「現預金」に置いておく訳にはいかないので、運用先のポートフォリオ資産に割り振って運用をします。結果、ファンドが保有する現金比率は少なくなるのが通常です。イメージしやすく言うと、銀行が預金者のお金を預かっているものの、実際銀行にはオカネはなく融資に回されていたり金利が付かない日本国債買い支えの為に使われているのと同様です。
なので、仮にファンドへの大口解約(資金引き上げ)やファンドの手元のキャッシュ以上の解約が一度にあると、ファンドは無理にでも、その時投資しているポートフォリオの資産を売却して現金化して投資家へ返金する必要が出てきます。それでも対応出来ない場合や投資家に不利益になる場合にこのような、サスペンド(売買停止措置)を取ってファンドの手元キャッシュが増えるような手段を講じることがあるということですね。
今回の野村や大和の運用も中国株の下落を受けてキャッシュ積み増しや解約殺到を防ぐ上で(と察しますが)適切な措置を取ったということでしょう。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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