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ファンド(投信)は「早期(繰上)償還」するものである〜パインブリッジ・ニューグローバルファンド <毎月分配タイプ>(愛称:メインアベニュー) 繰上償還(信託終了)へ〜

こんにちは、真原です。

今回は、「ファンドの(繰上)償還」について。

(出所:同ファンド 目論見書)

そもそも、「ファンドの(繰上)償還」とは?

読んで時のごとく「償還」です。

ファンドの「償還」とは、運用資金を投資家へ返金し、ファンドそのものを解散(運用停止/終了)するということです。

まず大前提として、ファンド(投資信託)とは、ファンド会社/ファンドマネージャーに対して、投資家自身が、投資資金を「運用委託」しています。

またファンドには「目論見書(Offering Memorandum/Prospectus)」や「約款」に、そのファンドスキーム、運用方針や条件、約束事が記載されていて、その目論見書の中には、ある一定条件になれば、ファンド側の判断で、投資家からの委託されている運用資金を返金する「=早期償還(繰上償還)する旨」ということも予め決まっています

 

パインブリッジ・ニューグローバルファンド <毎月分配タイプ>(愛称:メインアベニュー) 繰上償還(信託終了)へ

今回取り上げているのは、パインブリッジ・ニューグローバルファンド <毎月分配タイプ>(愛称:メインアベニュー)

(出所:同ファンド月次レポート)

もう償還するので、ファンドの概要説明は省略しますが、2007年から約13年の運用で純資産総額は一時、約30億円近くまで集まっていますが、これはファンド運用当初なので、新規設定ファンドとして当時の証券マンや銀行員が必死に募集販売した様子が伺えます。

ただ、2008−09年の世界金融危機(≒リーマン・ショック)を経て純資産総額は右肩下がりに減り続けています。

結果、今回の「早期(繰上)償還」という風に、ファンド側がファンド運用を停止/同ファンドの解散を決めたことになっています。

(出所:パインブリッジ・インベストメンツ HP)

一部抜粋ですが・・・、

1.投資信託契約の解約(繰上償還)の理由

当ファンドは、2007年6月7日に設定後、投資信託財産の長期的な成長を目指して運用を行ってまいりました。しかしながら、純資産総額をなかなか増加させることができず、近年は減少の一 途を辿っており、2020年8月末現在で約2.7億円となっております。受益権総口数につきましても、投資信託約款に定めている5億口を割り込む状況が続いております。このため、十分な分散投資効果を発揮することができず、効率的な運用を行うことが困難な状況が続いております。弊社では、当ファンドの運用を継続するための対応策の検討を重ねてまいりましたが、今後、当ファンドの純資産総額の大幅な増加を期待するのは難しい状況となっております。このため、投資信託契約を解約することが受益者の皆様にとって有利であると判断し、投資信託約款の規定に基づき、信託を終了する

ようは、「純資産総額」殖えず、減り続ける一方で運用がままならないので、繰上償還しますー、ということです。

一般的に、ファンド運用においてまともに運用をしようとすると、最低でも約20〜30億円程度の純資産総額の規模がないと、運用コストを十分賄えないと言われているので、この償還決定は当然といえば当然でしょう。

しかしながら、こうした「ゾンビ・ファンド(まともな運用がままならない投資信託(ミューチャル・ファンド))」は、日本の投資信託の中には山ほど見受けられます。

 

「ファンドの(繰上)償還」は、なんら珍しいものではない。

日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)でも、こういった「繰上(早期)償還」は、当然のように行われいているにも関わらず、こういった投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資していない個人投資家は、そもそもファンドが償還したりするとは思っていない場合があります。

そういったことは、分厚い「目論見書(Offering Memorandum/Prospectus)」や「約款」などに書かれています。

投資家が言う「知らない/聞いていない」というのは、単にそれらを「読んでいない」だけなんですよね。

ファンド運用は、あくまでもファンド側に、投資家が「委託」しているので、諸々の決定はファンド側がしていきます。

今回は、同ファンドを取り上げていますが、もちろん海外のファンド(オフショアファンド)でも「償還」はありますし、ファンド運用全般において、こういった「繰上(早期)償還」は、何ら珍しいものではないので、改めて確認しておいてください。



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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。

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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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