「虎の子の資金(仮に失われて生活が困る資金)」は資産運用に回すべからず
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資産運用の基礎、Q&A、基礎用語
こんにちは、眞原です。
今回は資産運用の基礎の考え方。
投資資金の「全て」が殖え続けることはなく、マイナスになることもある
資産運用をしていると、必ず含み損(マイナス)、損切、毎月分配型の特別分配、破綻企業の株を保有・・・など、投資結果によってマイナスになることは必ずあります。
つまり、投資していて、ずーーーーと100%プラスであり続けることはあり得ません。投資先の上げ下げがあり「リスク(上下のブレ幅)があるから、銀行預金金利以上のリターンが生まれる可能性がある」のです。
どんな偉大な投資家でも(例えばウォーレン・バフェット氏だって投資でのマイナス)、また例えばビリオネアの起業家や企業経営をしている経営者も、何かしらのマイナス(事業戦略の失敗による借金、借り入れ)など、必ず何かしらの「マイナス(損)」を経験しています。
もちろん「プラス(=儲かった)」ことも経験していますが、そもそも基本的に人は「儲かった」ということを人前で言うよりも「損した」とか(ヒドイ時には「騙された」)というマイナスを強調して話をする傾向にあります。
さて、証券マンから何々を「買わされた」という話を聞きますが、その投資決断をしたのは「投資家自身」であって「無理に買わされること」あり得ません。
まて、例えば含み損が大きかったりマイナスになっていると「騙された」という表現を使う投資家に多く見る傾向で言えば、投資家自ら経済や資産運用について「学ばず、調べず、尋ねず、理解しようとせずにお任せ的に」に資金を投じた結果にマイナスになっている場合です。
それは正直「決して騙されている訳ではなく、その投資先についての投資家自身の理解不足」によるマイナスでしかないことがほとんどです。今の時代、どこの金融機関もコンプライアンスが厳しいので証券マンや銀行員が「騙す」ことは考えられません(そのリスクを取る意味がないため)。
※証券マンや銀行員からセールスされるのに慣れきった個人投資家の思考停止からの脱却を
虎の子を資産運用に投じる??
また、良く聞くのが
「虎の子を資産運用に投じたのに、マイナスになってこの先どうすれば・・・」
という言葉。
そもそも大前提で「虎の子(先々、仮にマイナスになったり失われた場合、生活に困る資金)」を資産運用で運用してはいけません。
そういう資金は、資産運用ではなく、保険に回す(絶対に減らない)、もしくは現金で置いておかなければいけません。
例えば、総資産が3,000万円しかないのに、3,000万円を資産運用に回す人はまずいません。もしそういう風に資金を投じている場合には、その考え方と選択は「リスクを取り過ぎ」ですし、考えを改める必要があります。
まず総資産3,000万円のうち、500万円を資産運用に回す、500万円を保険で殖やす、2,000万円は現金に置いておくなど、個人個人によってその考え方(総資産に対してどれくらいの資金を投資に回しても大丈夫か(つまり、仮にその資金が失われた場合、もしくはマイナスになった場合でも、生活に支障をきたさないかどうか))は違ってきます。
一概に「総資産に対して何パーセントは資産運用に回しましょう」なんてことを見聞きしますが、それは決して一概ではなく、その資金配分決定時点から「その個人(投資家)の責任の元、自分で考え、投じる必要がある」のです。
まして「虎の子を投じる」というのはもっての他です。
例えば、証券マンで言えば、その投資家が他にいくらの資産を持っていて、銀行預貯金にいくら持っているなど投資家の資産トータルを知っていることはほとんどないので(投資家自身もそれを開示しない場合がほとんどなので)、結局証券マンとしては、証券口座へどれだけ新規の資金入金できるか(証券口座から投資できる資金を殖やす=セールスする)がポイントになってきます。
つまり、結果的に投資家自身がどのように資金を投じているかは別として(一般的に考えても)、
資産運用資金(投資にあてられる資金)=余剰資金(=虎の子ではない)
ということになります。
もし「虎の子を運用してしまっている」と投資家自身が考えるのであれば、その資金は銀行預金に戻したり、保険に資金を投じて絶対に減らないようにするなど選択と行動すべきでしょう。
繰り返しになりますが、投資家自身が感じる「虎の子資金」については、投資資産にまわしてはいけません。
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