「なぜギリシャ国民が預金封鎖前にATMから預金を引き下ろしていたのか?ギリシャがデフォルトした後はどうなるのか?」
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は非常に素朴な疑問に対してQ&Aで回答してみようと思います。
つい2日前に銀行ATMに並んでいたギリシャ国民の様子です。日本のメディアでもTV放映などされていたことでしょう。ちょうど今現在、ギリシャ政府側とトロイカ債権団が協議(新たな救済プログラムについて話)をしている最中です。デフォルト目前になっているので、果たしてどちらかが妥協をして折り合うのでしょうか・・・。
※まずは預金封鎖から?ギリシャ債務危機は最終局面へ!7/5の国民投票で激震か!?個人投資家の皆さんはマーケットの乱高下に備えていますか?/財政問題
<Q.>
「なぜ、ギリシャ国民が預金封鎖前にATMから預金を引き下ろしていたのでしょうか?また、ギリシャがデフォルトした後はどうなるのでしょうか?」
<A.>
◯◯さん
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
結論としては「我先に「ユーロ」を引き出して現金を確保し自由に資金移動させるため」です。
ご存知の通り、現在ギリシャ国内では事実上「預金封鎖」が行われているので、1日あたり60ユーロ(約8,000円)しかATMから引き下ろせない措置が取られています。29日(月)の預金封鎖前には、その金額以上が引き出せて資本移動も自由だったので、下記のような想定をして行動していたギリシャ国民がATMに並んで我先にと預金を引き下ろしてました。これももはた「自由に」出来ない状況になってしまったのですが・・・。
仮にギリシャがデフォルトすると想定されうることが沢山あるのですが、まずは通貨が「ユーロではなくなる」ことです。
ギリシャがデフォルトして大きな出来事としては・・・
1.)欧州中央銀行(ECB)から資金を借りられず、ユーロ圏からの緊急融資を受けられない
→ギリシャ国内の銀行の破綻に繋がる、金融システムの不安定化
2.)もともとの独自通貨、恐らくギリシャ・ドラクマの復活へ(正直、誰ひとりこの新通貨の価値が分からない)
→新ドラクマ(と仮定で名付けると)は現在のギリシャで流通しているユーロよりも遥かに信用度の低い通貨(間違いなく半分以下の価値しか持たない弱い通貨)になる。結果、ユーロ建てで借金をしていたギリシャの企業や個人は倒産や破産(ユーロ建て借金が雪だるま方式に膨らむため)、またギリシャ国内の資産価格は大暴騰(ハイパーインフレ)になるので、今以上の失業者が溢れ、ギリシャ経済は破壊的状況になる。結果、治安の悪化へ繋がる可能性も。
2.)を考えると、ギリシャ国民にとっては相当辛い状況だと思います。(借金を踏み倒した結果なので致し方ありませんが・・・。)
ただ一方で「デフォルト」「預金封鎖」「デノミネーション(通貨価値切り下げ≒新貨幣導入)」が整えば単純に「国民み〜んな、貧しくなるだけ」なので、みんなが貧しくなって、ギリシャの通貨が安くなり(輸入物価は上昇するものの)、輸出によってはプラスであり、また新たなギリシャ経済が始まるというポジティブな面があります。それは、かつてデフォルトしたアルゼンチン経済のようなものです。
「銀行に預けていること」「自国通貨しか持たない事」のリスクをよく感じられる出来事なので、日本人のほとんどが反面教師にした方が良い事例なのは間違いないでしょう。
さぁ、6月30日は、ギリシャと世界の歴史にとって非常に重要な日となります。
スイスプライベートバンク入門書(マニュアル)を無料進呈します
日本のプライベートバンクではありません。
本場スイスの本物のプライベートバンクを開設するノウハウをまとめました。
関連記事
-
日銀が買う日経平均株価の上昇はアベノミクスの「官製相場」!5頭の鯨が泳いだ後に残るのは、それを信じた個人投資家の含み損。
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回はマーケット(日本)
-
「マイナンバー」+「共謀罪法(嘗ての治安維持法)」=「個人資産没収を強行可能にする最終奥義」
こんにちは、眞原です。 今日という日(2017年6月15日)は、今後日本の歴史を振り返る時にタ
-
トランプ大統領演説を終え今後の米国やグローバルマーケットや為替動向や日本の事情をどう考えるか?
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。 今回は世界(米国)マーケットに関して。 日本で
-
高齢の親や家族が持つ金融資産を凍結させいない方法は?(認知症からの資産防衛)
こんにちは、眞原です。 今回は、資産運用+資産防衛の方法論について。 特に高齢のご両親(
-
各国予算別比較!止まらない日本の少子高齢化!社会保障費増大には増税と国債発行で対応しゆくゆくはマイナンバー制度で資産把握から・・・?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回のテーマは財政問題に
-
60秒で売り切れる米ドル建て投資商品、その訳は?(国家リスクと個人資産の分離)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は新興国通貨と通貨分散の情報です。 60秒で米
-
トルコ・リラ債やアムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコ・リラコース)に投資している個人投資家の判断
こんにちは、眞原です。 今回は、為替トルコ・リラに関して。 日本人の個人投資家も「トルコ
-
金融庁による「資産運用業高度化プログレスレポート2020」を読んで現場と現実を知らないアホくささを感じる訳
こんにちは、真原です。 今回は、先月、日本の金融庁から「資産運用業高度化プログレスレポート20
-
米国株S&P500上昇率は・・・??2019年大納会の29年ぶり高値で日経平均終値2万3,656円 (年18%上昇 )
こんにちは、眞原です。 2019年マーケットがいよいよ締めとなりました。 本日2019年
-
【財政問題】米メディアCNNにまで報道される日銀「超金融緩和策のリスク」
こんにちは、眞原です。 今回は、気になるニュースから「財政問題・金融危機」について。 そ