ソニー(6758)、26年ぶりの公募増資とCB発行で約4,400億円を調達!株価は9.1%下落。既存投資家からはネガティブ判断?
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回の内容は「ソニー(6758)による公募増資」です。まだ目論見書(OM)などはありませんが、ソニーのHPでアップされている情報からお伝えします。精緻な情報は各証券会社で受け取れるOMに譲るとします。
今回の資金調達のポイントと発表を受けてのマーケットの反応
ポイントはこちら
・調達金額:4,400億円(公募増資3,215億円、転換社債1,200億円)
・発行予定新株:9,200万株(発行済み株式数の約7.8%にあたる)
・発行目的:1.)積層型CMOSイメージセンサー生産能力増強と研究開発費へ充当、2.)負債返済
マーケットの反応がこちら
本日(30日の)ソニー株価は、一時前日比9.1%と急落し、引けは8.3%安で終えています。明らかに既存投資家が今回の公募増資を「ネガティブ」と捉え、株価希薄化を嫌う売りが先行しています。
※株価希薄化とは
そもそも今回の資金調達の目的は「イメージセンサー増強の設備投資」と「負債返済」です。
今後のソニー成長のエクイティストーリーが見えないので、既存投資家からすれば希薄化への怒りに対する裏返しとして、株価が9%近く下落する売りが先行したのでしょう。イメージセンサーはソニーの収益の柱になっていますが、スマートフォンへの依存度が高い製品です。
<イメージセンサー>
ちなみにソニーは、イメージセンサーで公益財団法人大河内記念会から「第61回(平成26年度)大河内記念生産特賞」を受賞しています。(生産技術、高度生産方式等の研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の特に顕著な業績を上げた事業会社に贈られる賞。)
イメージセンサー頼りになると、まるで2014年4月にTBSドラマで放映されていた「ルーズヴェルト・ゲーム(原作:池井戸潤)」に出てきた青島製作所のような話の展開になっていますね・・・ドラマのように逆転満塁ホームランを打てるのかは分かりませんが。
ソニーの株主と市場原理
ソニーが「日本の会社」だと信じて疑わない人が多いですが、株主所有者別を見れば分かる通りもはや「外国人が所有している会社」です。
信託銀行(トラスティ)経由なので、ヘッジファンド(オフショアファンド)やミューチャルファンド(投資信託)のマネーが入っていることでしょう。また、個人投資家比率は年々下がっているソニーですが、それでも53万人いる個人投資家も希薄化を嫌がるのは間違いありません。
もちろんソニーやソニー関連会社、下請けや孫請け会社で働く社員さんは必死だと思いますが、ソニー株主や世界のソニーユーザーにとっては今の経営陣の経営で満足いく業績や株価や推移ではないのでしょう。
2014年6月にIBMのPC部門が中国(レノボ・グループ)に買収されたように、市場原理としては市場から淘汰されるのが公開会社のあるべき姿だと思いますが・・・既に「外国人」の会社であるソニーである以上、いっそのこと「外国人(外国企業)」に買収されてより市場原理が働く方が既存株主や株価にとってはポジティブかもしれませんね(苦笑)。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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