短期的には円キャリートレード巻き戻しの円高、中長期的にはドル高円安トレンド
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
年初からマーケット全体として落ち着きが無い状況ですが、為替マーケットでも同様です。
USD/JPYでは約1年ぶりの1ドル=116円台までドル安円高に戻され推移しています。
<USS/JPY 1年チャート>
目先で乱高下する為替推移でバタバタするのは「投機家」やデイトレーダー、業として為替で儲けを狙う短期筋の人が多いので、弊社のクライアントでは慌てる必要は全くないのですが、1年ぶりの水準まで為替が押し戻されている状況です。
ただきっと、日本国内で投資している投資信託で新興国ナントカやドル建てナントカに関してはマイナス幅が拡大していることでしょう。
さて、2015年12月に米国では利上げが行われましたが、そのままスルスルとドル高円安になっていくという見立てではなかったというのは、12月にこのブログで情報発信をしたとおりです。
※米国利上げ後、一旦はドル安円高へ?その後は長期で円安トレンド形成か!/為替
また、仮に1ドル=110円台を割れてくるような推移となれば、それは当たって欲しくないビックリ予想の範疇になってきます。
※2016年ビックリ予想(ー短期株価予測と為替予測は単なるギャンブルー)/マーケット(世界)
現時点での円高水準であれば、むしろオフショア投資をする際の為替を変更しておくには良いタイミングに差し掛かっていますね(現にこのタイミングだからということでオフショア資産管理口座へ送金されている個人投資家もチラホラいます)。
ドル安円高の要因は?円キャリー・トレードと円キャリー・トレードの巻き戻し
短期的には「リスク・オフ」の売りが今のトレンドを牽引しているようです。特に「円キャリー・トレードの巻き戻し」。
「円キャリー・トレード」とは、大雑把にいうと「低金利で円を借りて、その円資金でドルや他の商品に投資するといった、円を中心としたお金の流れ(トレード)」のことです。つまり、円を売ってドルを買うトレード(円売りドル買い=円安ドル高)。
円キャリー・トレード例:
低金利の日本で円を調達→オフショアファンド(ヘッジファンド)や海外投資家がその調達した日本円をUSDなどの外貨へ交換→そのUSDなどの外貨を用いて海外の株式やコモディティへ投資→リターンを上げる
このトレードが、一気に逆転して「円を買ってドルを売るというトレード(円買いドル売り=円高ドル安)」に変わることを「円キャリー・トレードの巻き戻し」と呼ばれています。リスク・オフとも。
円キャリー・トレードの巻き戻し例:
中国経済成長率見通し悪化、世界経済見通し悪化で株価が下落→オフショアファンド(ヘッジファンド)が損失防止の為に保有株式の売却に動く→現金化されたUSDなどの外貨を売って、日本の円を改めて買い戻し、借りていた日本円の資金返済に充てる
これは短期的な動きでしかありません。
目先の損失防止の動きであって、中長期的に「低成長の日本経済(日本企業)」に投資したいという資金が流入してくる訳はなく(円買い要因)、結局は中長期トレンドで「円安ドル高」見通しには大きな変化はありません。
また、未だにマスコミが大好きなフレーズの1つである「安全資産とされる円買い(日本円)」というのは大間違いなので注意したいものです。
※マスコミや政治家が好んで使う「安全資産として買われる日本円」は嘘っぱち!/為替
年始からマーケットの動揺が続いているものの、1日や1週間、1ヶ月などの動きに左右されることは、中長期での資産運用において過度な心配に過ぎないというのは改めて確認したいものです。
マーケットでは常に上げ下げがあり(むしろ、上げ下げが無ければパフォーマンスは上がらない)、それに一喜一憂するのは、投資家ではなく「投機家」思考でしかないということです。
※8/24のチャイナ・ブラック・マンデーのリスクから考える『投機家(短期)思考と投資家(中長期)思考』の違い/資産運用の基礎
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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