人民元(CNY)が対ドルで5年ぶりの安値圏へ(今後、アジア通貨も連安リスク)
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は為替「人民元(CNY」のついて。
個人投資家であれば「アジア諸国へ投資している投資信託や債券」への影響があるので要確認ですし、アジア諸国でビジネス展開をされている経営者の方は、ビジネス動向(現地通貨の価値動向)にも関わってくると思います。
まず、2015年からの中国人民元(CNY)の話題についてはこちらでサラッと確認してください。
※サプライズ!!2日連続で中国人民元の切り下げが!米国の利上げに暗雲立ち込める?賢い個人投資家の選択肢は?? / 為替
本日、中国人民銀行(中国の中央銀行)が公表した人民元の基準値は1ドル=6.5693元で、これは2011年3月以来5年2ヶ月ぶりの安値圏ということです。
<USD/CNY 5年為替チャート>
特に上のブログ記事でまとめた頃(2015年8月)に人民元の切り下げが2度行われ(チャート上では直角に人民元安にブレている頃)、その後も米国利上げ見込みやこれからの追加利上げ期待などを織り込む形で「ドル高人民元安」が進んでいる状況です。
また、2015年末に人民元がIMFのSDR(特別引出権)に採用されたことも記憶に新しいですが、
※2016年は中国発の為替ショックが発生か?(人民元、SDR採用のまとめ)/為替
今後、人民元は米ドルやユーロや日本円などの複数通貨(バスケット)に連動するような為替の動きを目指しているので、今のように米ドル高人民元安の基調は踏襲されていくようです。
そして継続して人民元安になっていくと、他のアジア諸国(ASEAN諸国)への影響としてはネガティブに働いてきます。
なぜなら特に中国を対輸出国として付き合っているアジア諸国にとっては、自国通貨が人民元同様に通貨安になっていく傾向が強く(連れ安)、通貨価値目減りや国内のインフレ傾向(通貨安による悪いインフレ)が発生しやすく注意が必要になるからです。まして、まだまだ財政基盤がしっかりしていないアジア通貨は売りを浴びやすくなることも念頭に置く必要があります。
つまりこれらアジア新興国資産(アジア通貨、アジア国債など)に投資している個人投資家は要注意ですね。
当面は緩やかな「ドル高人民元安」との見方が大きいですが、これまで以上に人民元の推移は無視できなくなってくることでしょう。
〜併せて読みたい〜
※香港において、香港ドルが消滅して中国人民元が取って代わる日がいずれ来る?/HSBC香港・海外口座活用
(カバー写真:REUTERS)
海外口座入門書(マニュアル)を
無料進呈します
リスクを取って資産を増やす必要はありません。
ただ置いておくだけでいいのです。
海外(オフショア)口座開設のメリット、デメリット、日本にいながらにして開設可能な海外口座をまとめました。
関連記事
-
三菱UFJが国内初の人民元建て債券を発行!人民元(CNY)の存在感が高まる中で個人投資家の判断は?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は為替について。
-
米国利上げ後、一旦はドル安円高へ?その後は長期で円安トレンド形成か!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 いよいよ来週12/15-
-
ゴールド価格の不穏な上昇の意味〜金資産保有はBrexit後のマーケットショックへの備え〜
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回はマーケット(世界
-
英ポンド注意報!Brexit(英国のEU圏離脱)が現実化すると?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は特に英ポンド(GB
-
【マーケット】コロナショックから3ヶ月後の株価回復と過去の経済危機との比較
こんにちは、真原です。 今回は「コロナショックから3ヶ月後の株価回復と過去の経済危機との比較」
-
米国の利上げ!ちょっと待った!まだドル高/円安で大事な資産を消耗してるの?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 「ようやく利上げしたか・
-
南アランド投資家は要注目の南アが17年ぶりのジャンク債へ
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。 今回は、新興国通貨(南アランド)への投資をしている投
-
Brexit(British+exit=英国のEU離脱)国民投票とGBP(英ポンド)を考える
こんにちは、K2 Investmentの眞原です。 今回は、為替GBP(英国ポンド)について。
-
香港の人口動態と香港経済と香港ドルと人民元躍進(中国化)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「現在の香港、これ
-
色々あった2016年マーケット&政治(想定外は想定内、中長期投資の重要性)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は年末に相応しく、2016年を振り返ってみましょ