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2016年は中国発の為替ショックが発生か?(人民元、SDR採用のまとめ)

公開日: : 最終更新日:2021/02/10 マーケット全般(株式、債券、為替)

こんにちは、K2 Investment の眞原です。

今回は「為替」について。中でも、先日マーケットニュースを賑わせた「中国人民元のSDR採用」についてです。

先に動画でまとめたものがあるので、まずはこちらから確認してみてください。

そもそも、SDR(特別引出権)は、個人投資家にとって最重要か?と聞かれると現時点ではそこまで重要ではありません。というのも、SDRは正直IMF(国際通貨基金)の中だけで通用する「通貨」のようなものだからです。各国の中央銀行の外貨準備高を補完する役割に過ぎません。ただ、今後の経済情勢や為替情勢、アジアにおける日本円の地位のあり方に影響が出てきます。

2016年は中国発の為替ショックが発生か?(人民元、SDR採用のまとめ)1(カバー写真:ChinaDailyAsia)

SDR構成比の変化

動画内でも示していますが、SDRの構成比から確認しましょう。

■2010年時点でのSDR構成比率(%、IMF)■
1.)米ドル:41.9%
2.)ユーロ:37.4%
3.)英ポンド:11.3%
4.)日本円:9.4%
構成外)人民元:0%

これまでは上記の通りでしたが、今回IMFは特別引出権(SDR)の構成通貨として2016年10月以降に人民元を採用することを決定しました。

■2016年10月からのSDR構成比率(%、IMF)■
1.)米ドル:41.7%(-0.2%)
2.)ユーロ:30.9%(-6.4%)
3.)人民元:10.9%(新規組入=各国のマイナスを足し合わせた比率)
4.)日本円:8.3%(-1.1%)
5.)英ポンド:8.0%(-3.2%)

なぜこのニュースが世界を騒がせているのか?

私は「人民元」について「今年はホットな話題になるから注目しておいてくださいねー!」と3月時点でこのブログ内で情報発信をしていましたが、

※ホットな話題、CNY(人民元)/為替

その締め括りとして、このSDR採用についてのニュースです。

今回のIMFの決定が意味しているのは「中国人民元の国際化の象徴」です。つまり、今回の決定によって人民元はIMF(=国際社会)から主要通貨としてのお墨付きをもらったことになるので、今後中国人民元の還流(通貨兌換)が一層高まっていくことに繋がります。

実際にSDRに採用されるのは2016年10月からと予備期間がまだ10ヶ月程度ありますが、今後5年間で機関投資家も含め、1兆ドル(約125兆円)程度が中国人民元の買いインパクトになると試算されています。

つまり、中央銀行も機関投資家も「人民元を保有することへの抵抗が弱くなる」ということで、ひいては「個人投資家にとっても、通貨分散の1つとして中国人民元を保有することが当然になる時代が到来する」とも読み取れます。

※中国人民元(CNY)がIMFのSDR(特別引き出し権)に採用見通し!〜通貨分散の多様性拡大〜 / 制度・規制・法律

そして今後、中国側が金融改革で推進すべき点としては「為替取引の自由化」です。現時点では人民元は管理相場制なので、これを自由に流通するように変動相場制に移行する必要が出てくるという重大な変遷期が待ち構えています(昔のニクソン・ショックを彷彿とさせるような為替変動についての大きな変更となり得るでしょう)。

今回の採用決定は、もしかしたら「2016年10月頃から中国発の為替ショックも起こりえるのでは?」とすら感じさせる象徴的な決定事項です。

さて短期、長期で考えると・・・?

■短期要因
・人民元の為替取引の自由化を推進(=人民元の下落圧力要因)
→中国経済低迷のため+金融緩和策を行っているため

・米ドル利上げの影響
教科書通りであれば、ドル高・人民元安圧力
先物市場で1ドル=6.65元台 現物6.40元前後よりもドル高元安水準

・周辺アジア新興国の為替がつれ安(暴落?)に
もし人民元安になると周辺のアジア諸国への足かせになります(中国は世界最大の輸出国だから)。

※サプライズ!!2日連続で中国人民元の切り下げが!米国の利上げに暗雲立ち込める?賢い個人投資家の選択肢は??/為替

一方で、中国政府は極端な元安を容認しない姿勢(首脳陣も元安牽制の口先介入並びに実際に為替介入も行っている)。

それでも中国が抱えるジレンマとしては自国通貨安は輸出産業にとってポジティブに働き、中国経済の後押しになるという点。
→自国通貨安は海外への資本逃避リスク増大+国内金融市場不安定化+中国企業のドル建て債務返済負担増加

■長期要因
・今後5年間を通して各国中央銀行による外貨準備組み入れ、機関投資家からの資金流入
仮に5%以上が人民元として外貨準備高に入ると5,000億ドルの元買い要因となる=人民元高要因

・日本円の相対的な価値下落

日本人個人投資家が考えるべき「通貨分散」

中国はアジアの一角です。同様に日本もアジアの1角です。

同じアジア諸国の中で為替の相対的地位が上がった国(中国)と下がった国(日本)があり、日本人投資家の多くはその下がった国の通貨(日本円)で資産形成をしている人がほとんどということです。

経済成長率が鈍化している(統計数字が無茶苦茶)とは言え、実際に成長している中国、かたや一方で長きに渡りほとんどゼロ成長(経済低迷)の日本と、中長期的な観点(5〜10年)で「日本円の相対的地位(存在価値)が薄まる」というリスクは必ず頭の片隅に入れておく方が良いでしょう。

今回、人民元がSDRに採用されたというのは象徴的な決定事項であって、今直ぐ急に為替動向が大きく変化したり日本円の相対的価値が落ちるということを意味していませんが、日本人個人投資家は絶対に目を離せないニュースだというのは言うまでもありません。

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(カバー写真:ChinaDailyAsia)



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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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