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トランプ期待とトランプリスクと米ドル推移

公開日: : 最終更新日:2021/02/09 マーケット全般(株式、債券、為替)

こんにちは、真原です。

今回は、為替(USD)について。

”なぜ、米ドルが勢い良く強くならないのか?(ドル高円安にならないのか?)”

そう思っている個人投資家も多いことでしょう。

短期(数秒、数分、日ばかり)で売買するようなトレーダーにとって、為替の上げ下げそのものの予測は非常に重要な役割ですが、中長期で資産形成をする個人投資家にとって、それはあまり意味がありません。

<USD/JPY 5年為替チャート>

(出典:Bloomberg)

短期ではなくとも、少なくとも私は個人投資家(クライント)に対して2012年(5年以上)前のから今後は「円安になりますよ」と情報を発信してきました。

当時、

1ドル=80円台

です。

金融経済社会情勢政治に疎く、不勉強な人、また感情で流される人に限って、

もっと円高(80円台)を割って、70円台になるかも知れない・・・

と主観で判断して、この当時に円からドルに為替を変更しなかった人も多かったです。

現在、その為替は少なくとも、38%〜40%程度「円安ドル高」になっています。

そういう人は、きっと今の水準でも同じことを考えて、

1ドル=110円台になるはずだ(もっと円高になるはずだ)

と(今の金融経済社会情勢政治を考えずして)勝手に主観で判断する傾向にあります。

為替を動かす要因は、数多く合って、多数のプレイヤーがいるので、「こうだ!」なんてことはほとんど言えませんが、

理論上で考えると、「米ドルが買われる(米ドル高)理由」というのは揃いつつあります。

ただ、それでも、

・トランプ大統領(トランプ政権)の政策運営リスク(ロシアゲート、オバマケア廃案への動き、実行力の鈍さ)
・実は上がらない米国のインフレ率

などの理由から、積極的に米ドルを買おう!(米ドル高)という動きになりにくい環境あるということです。

<インフレ率がFedのターゲット以下へ沈む>

(出典:Bloomberg)

上の画像は、FRB議長ごととその期間のインフレ率平均値の推移です。

冷静に見ても、米国のインフレ率は下落方向なのが分かります。これを今のイエレンFRB議長が2%をターゲットとして金融政策を実行している最中なのです。

インフレ率が上がらないというのは、金利も上げにくい環境にある=米ドルが積極的に買われない、ということです。

が、2017年は恐らくあと1回の利上げ、っそいて2018年には3回の利上げが見込まれています。

ということは理論的に言えば、

利上げ=金利が高い通貨が買われやすくなる(米ドル高要因)

ですが、トランプリスク(実行力不足・諸所問題が多い)がドルの上値を(敢えて??)押さえ込んでいるという状況でもあります。

一方で、トランプ期待(政策が上手く回るようになれば、米国経済にとってポジティブ=米ドル高要因)も入り混じっている、トランプ大統領就任後、約6ヶ月です。

ただ、一つ言えるのは米国含め各国政治状況というよりも、むしろ各国の金融政策(利上げやこれまでの資産買入プログラムをどうするか)が為替へ影響を与えているということです。

米国(FRB):2017年はあと1回利上げ予定+これまでの資産買入プログラムの具体的な出口戦略
欧州圏(ECB):追加利下げは排除、むしろ2018年の利上げを意識、ややインフレ基調を取り戻す
日本(日銀):未だに、マイナス金利+資産買入れ継続、にも関わらずインフレ率は上昇せず、2%目標は遠い夢

という先進国の中銀の金融政策にバラツキが見られ(カナダ中銀も利上げをしたばかり)、特に「日本(日銀)の金融政策」が各中銀と異色模様を呈してきています。

最終的に行き着くところがどこなのか、黒田日銀総裁(が決断した金融政策)は「日本経済(+日本円)の破壊者になるのか救世者になるのか・・・」今後の歴史が教えてくれることでしょう。

中長期で資産運用をしていく個人投資家は、為替の短期予測をするのではなく、あくまでも、

「資産分散(通貨分散)として、多通貨(USD)を持つ(=オフショア投資海外積立投資スイスプライベートバンク、最悪日本の銀行で外貨預金)」

ようにしておきたいものです。

http://toushin-shisan.net/2016/01/post-4257.html



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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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