レアルに投資している個人投資家は注目!ブラジルが09年以来の最大の利下げ実施(11.25%へ)
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。
今回は、ブラジル・レアルの情報です。
ブラジル・レアル関連の投資信託(ミューチャル・ファンド)、割引債券(ディスカウント債)、もしくは国際機関の社債に投資している個人投資家は要注目です。
ポイントは、
1.)予想通りの利下げ(12.25%→11.25%へ)
2.)インフレ率の低下とブラジル経済
3.)レアル投資、つまりは?
です。
1.)予想通りの利下げ(12.25%→11.25%へ)
09年以来8年ぶりに、1ptという大幅な利下げが行われました。
この引き下げはマーケットで既に予想されていた政策決定でしたが、まずは年内において今後も継続して引き下げ、年末では8.5%程度まで政策金利が引き下げされる予想です。
<2017/2018予想インフレ率(白/オレンジ)と予想貸出基準金利(青)>
(出典:Bloomberg、以下同様)
金利が低くなれば、レアル資産を持とうという人も少なくなるので、相対的にレアル安要因になってきます。
<BRL/JPY 5年為替推移>
当然、為替が動くと例えば投資信託(ミューチャル・ファンド)では、
大和証券で販売されている「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」
や
へのネガティブな影響ができています。
2.)インフレ率の低下とブラジル経済
この継続的な利下げの背景にあるのは、インフレ率の低下です。
現状、ブラジル経済は「ディスインフレ(物価上昇率が低く、インフレが収束した状況で、インフレーションからは抜け出たものの需要が減退し、それに対して供給が大幅に上回る結果引き起こるデフレーションとは異なるもの)」となっています。
既に現状のインフレ率は十分良い水準にも関わらず、需要減退(景気減速)という事情から、更に金利を下げていこうということです。
そもそも金利を下げるというのは、「金融緩和策」と似たようなものなので、ブラジルはマーケットに出回るマネー量を増やして経済成長を促進させる狙いがあります。
また原理原則で言えば、金利が低い所からはマネーが逃げ出し、高いところにマネーが集まるので、ブラジルへの投資謳い文句だった「高金利」という妙味が段々薄れ、同時に「通貨安政策」になっていきます。
個人投資家としてはわざわざブラジルの高いカントリーリスクと信用リスクを取ってまでも高い金利を取る運用、ましてや「高金利通貨」を謳い文句に組成販売されてきた投資信託(ミューチャル・ファンド)へ投資するポジティブな理由はないでしょう。
3.)レアル投資、つまりは?
ブラジル・レアルへの投資商品は、山のように各証券会社や銀行員から販売されてきました。
既に投資していないという投資家も増えてきているとは思いますが、BRICsと言われた2000年初頭から既に17年という経済サイクルが経過し、2008−09年の金融危機(リーマンショック時)前後からも大きく経済状況は変化しています。
「長く投資して良い先」と「そうでない先」
があるので、レアル関連の投資を継続している個人投資家は見直していくタイミングでしょう↓
直接相談はこちら(無料)
オフショア投資入門書(マニュアル)を
無料進呈します
オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
関連記事
-
英ポンド注意報!Brexit(英国のEU圏離脱)が現実化すると?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は特に英ポンド(GB
-
2017年は米利上げ加速へ!利上げ実施で「ドル高円安」は継続、円資産目減りへの備え
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 本日(12/14)日本時間未明に2016年最後の大イ
-
レアルなど新興国通貨やファンドに投資中の個人投資家が望むも望まないも米国の利上げはカウントダウン!AbnormalからNormal経済環境への回帰
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「為替」について。
-
米国株(S&P500)の今後の上昇はジェネレーションZの志向に影響されてくる!〜日本にも通じる世代間の志向・経験・考えの違い〜
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「資産運用の基礎(
-
人民元(CNY)が対ドルで5年ぶりの安値圏へ(今後、アジア通貨も連安リスク)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は為替「人民元(CN
-
第1Q(1−3月期)フィリピンのGDPが3年ぶり高水準(+6.9%)〜アジア諸国の1つである日本は?〜
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回はアジアマーケット情
-
世界経済成長エンジンのシフト!新興国資産を持っている投資家がすべき米国利上げへの備えとは?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「マーケット(世界
-
香港の人口動態と香港経済と香港ドルと人民元躍進(中国化)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「現在の香港、これ
-
為替ユーロ/米ドルはパリティ(等価)になるか?4月23日の第1回フランス大統領選挙の行方は?
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。 先日オランダの選挙が終わって一息ついたEU圏事情で、
-
神の見えざる手を無視した、中国共産党の見えざる手!中国公的年金の株式投資を解禁で株価を押し上げか!?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 ギリシャ問題に揺れるグロ