【マーケット(世界)】マーケット大幅調整の足音か?〜世界債券の悪夢1週間で9,160ドル(約104兆円)吹き飛ぶ!〜
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、眞原です。
今回は「マーケット(世界)」全般です。
一言にマーケットと言っても、株式、債券(金利)、為替、コモディティ、スワップ、先物など様々ある訳ですが・・・、今回特に注目したのは「債券市場」です。
個人投資家には馴染みの薄いマーケットですが、最も「プロ」が集うといっても過言ではない債券マーケット。
直近稀に見る「債券の大相場(クラッシュ)」が起こったようです。
<債券市場の大量破壊>

(出典:Bloomberg)
上記、黄色チャートは「Bloomberg Barclays Multiverse Market Value Index」という、世界の投資適格級と高利回り証券の指標になっているインデックスです。
チャートの見かけ上では大した下落ではなさそうですが、先週に9,160億ドル(約104兆円)の債券価値が低下したことを示しています(金利上昇)。この大幅な下落は、2016年11月のトランプ大統領の米国選挙勝利時以来の大幅な落ち込みになっています。
債券単価と利回り(金利)については、まずここ↓から理解してください(でないと、話が全く分からないと思う・・・)
↑を読んでもらった前提で話を進めると・・・、
まず注目スべきは「米国債(10年債利回り)」です(↓の下から2段目)
(出典:Bloomberg)
米10年債利回りが「3.23%」まで上昇してきました。
いよいよ、安定の「3%台」となってきたのです。
”なぜ、米10年債利回に注目しないといけないのか?”
はこちら↓にまとめているので読んでもらいたいのですが、
米10年債利回り上昇が意味しているのは、
「世界的なマネーの流れの変化を表すから」
です。
特に、株式相場(S&P500指数やNY Dow)また、新興国株式や債券市場、ひいては新興国通貨市場、先進国国債(ドイツ国債や日本国債)、そして先進国の株式市場への影響もジワリジワリと出てきます。
過去数年、米国の金利市場は良くも悪くも「安定的」でした。
つまりは、「適温相場(ゴルディロックス)」=「緩やかな景気回復と低インフレの共存」の世界だったのです。
その「安定」が崩れそうになってきています。
例えば、
A.)米国内の減税により、米経済が刺激されて物価上昇(インフレーション)に繋がる
B.)原油価格上昇によってインフレ懸念が台頭し始める
C.)(※この可能性は非常に低いが)日銀やECBでも金融政策の「出口戦略」が進むとの観測が広がる
などのシナリオの場合に、帰結するのは、
米国の長期金利の(急)上昇
です。
米国の長期金利の急上昇の結果、
1.)米国株式市場への下落圧力(今の高値圏からのフリーフォール)
2.)新興国マーケットから資金流出=米国債券へ流れこむ(米国金利更に上昇、債券単価下落)
さらにその結果、世界マーケット(株式、債券、通貨、コモディティマーケット)への混乱
「世界経済への成長下方リスクに繋がる」
ということになりかねないのです。
問題となるのは、米金利の「急激な上昇」です。
そもそも、米国企業(NYSE上昇企業)で考えてみても、
<Collateral Damege(米企業債務コスト増大中)>

(出典:Bloomberg)
と金利上昇=企業からすればコスト増大=業績悪化=株価調整?となるので、FRBでも「金利急上昇は米企業にとって問題である」と気をつけて金融政策を決めていると思いますが・・・それでも一方、足元で見ると、原油相場でもジワリジワリと、
<WTI Crude 5年チャート>

(出典:Bloomberg)
と上昇圧力がかかってきています(=インフレ期待=金利上昇)。
まとめると、
今米国10年債券利回りが「3.23%」を足固めしつつある中で、マーケット全体を渦巻いているモメンタム(マーケットの方向感や空気感)は’、
これまで投資してきた「米国株式」や「(当時は高い金利だった)新興国債券や新興国通貨資産」に投資し続けるのと、「最低でも3.23%(ほぼ元本保証の)米国10年債券」、「30年債:3.4%の利回り」、もっと言えば「更に金利上昇で利回りアップ期待」
という、マーケットでは至極当然で合理的な判断に迫られている投資家が増えてきているということです。
その兼ね合いもあってか、「冒頭の債券市場の大暴落(売り)」も発生しているのでしょう。
当面、様子見でしょうけれども・・・、ちなみに去る7月末時点の米商品先物取引委員会(CFTC) 発表では、「米国債券(2年〜30年債問わず全年限で)利回り上昇に賭け、特に5年債と30年債で先物売りを過去最大にしているヘッジファンド(オフショアファンド)が多かったのです・・・。
確かに09年以降約10年間、新たな生ぬるい適温相場が続いてきましたが・・・このまま米国債の金利がジワリジワリ上昇し続けていくのであれば、いよいよ、個人投資家も「その時から今まで投資している投資先」の見直しや変更に迫られる”その時”がやってくることしょう。
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