【マーケット(世界)】債券市場のバブル崩壊前?2019年オーストリア100年債の上昇率は約67%!〜Japanisation(日本化現象)を避けたい各国経済〜
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、眞原です。
ちょうど昨日のブログにて「米国債券の利回り状況を見て「リセッション入(景気後退)」を示唆するマーケットからの警告」について書きましたが、
やはり、改めて債券市場を見渡すと、
「異常事態」
が発生しているのが良く分かります。
日経新聞オンラインでも取り上げていましたが、特に「100年債」の状況です。
ちなみに「100年債」について言えば、例えば2010年頃から各国、もしくは2012年にはイギリスも100年債や永久債発行を計画していたりしているので、「100年債」自体が何かしら真新しいトピックということではありません。
本来の通常のマーケットでは、昨日のブログでも書いたように、
長期債の利回りは、「高く」
なります。
ただ、その
「100年債の利回りが、異常に「低くなっている(債券価格が上昇してる=バブル化?)」
という現状の経済環境について、個人投資家もファンドマネージャーも気をつけないといけなくなってきているのです。
<100年債の熱狂、アルゼンチンを除いて>(出典:Barron’s)
例えば、オーストリア100年債は、約2年前の2017に利率2.1%で発行、満期は2117年。
その利回りが、2年後の2019年現在は「約1.2%」前後まで低下(債券価格は上昇)。
<オーストリア初の100年債2.1%起債から90bps(0.9%)の下落>(出典:Bloomberg)
利回りが低くなっているということ、つまり下記のように「債券価格」が大幅上昇しているということと同義です。
(出典:日経新聞オンライン)
オーストリア100年債は、2019年単年だけで約67%の上昇リターンを示しています(一方でデフォルトしそうなアルゼンチン100年債は37%下落)。
ちなみに、オーストリアユーロ建て国債格付けはダブルAプラス(日本国債よりも3段階上)、世界中の国債金利が消え、むしろ世界のマイナス利回り債券残高は16兆ドル(約1,695兆円)を突破している背景を踏まえると、こうした安定的に金利をとれる「100年債への投資妙味がある」というのが、安定運用をしなければいけない保険会社、年金基金、大学基金、チャリティファンド、などです。
同じように、トリプルBプラス格の「メキシコ100年債(2115年満期)」にも買い需要が強く2019年には約20%上昇。
(出典:Bloomberg)
一方で新興国中でもデフォルト常習犯の「アルゼンチン100年債」は、「逆イールド(逆ザヤ現象)」になっています。
(出典:Bloomberg)
2117年満期アルゼンチン100年債の価格は一時半分以下へ・・・、CDSベースでは既にデフォルト率80%程度まで上昇中です。
(出典:QUARTZ)
この下落を受けて、アルゼンチン国債をファンド運用ポートフォリオの10%程度保有していた、投資信託(ミューチャル・ファンド)の大手運用会社のFranklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)は、1日で$1.8B(約1,900億円)程度の損失を出しています。
(出典:FT)
とここまで、100年債と利回り状況を見てきましたが・・・、
つまるところ、世界中で利回りが死んでしまっているというのは、まさに、
”Japanisation(日本化現象=20年超のデフレ化現象、景気後退期への突入)”
に繋がっていくのではないか?とい各国中央銀行、企業経営者や政治家、マーケット関係者が心配しているのです。
さぁ、個人投資家のみなさんは、今後「リセッション(景気後退)」に突入しても良いように、今の段階から少しづつ今投資している内容、ポジション、通貨、アセットクラスなどを見直して行きましょう。
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