USD/JPYで最重要だった9月FOMCで利上げは先延ばし!次の注目ビッグイベントは11/8米大統領選!
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
本日(9/22日)は眠い目をこすっている個人投資家、金融マン(特に為替トレーダー)が多かったことでしょう。
そうです、2016年9月末時点でもっとも重要だったイベントの米国FOMC(米連邦公開市場委員会)が昨晩9/21に終了しました。
今後の「為替動向」と「日本の金融政策動向や国債情勢」にも影響を与える今回の決定をサクッとまとめてみます。
FRB、2016年9月利上げは見送りへ、きっと利上げは12月
FOMC公表文(第一次情報)についてはこちらを見てもらうとして・・・、
<FRB イエレン議長>
正直な感想から言うと(市場予想通り)「あぁ、イエレン議長、11月の大統領選挙前に利上げを出来なかったか」という感想。なので、ほとんどノーサプライズです。
イエレンFRB議長からすれば、大統領選挙でトランプ氏が次期大統領になれば「解任される予定=FRB議長の座を譲らざるを得ない」かも知れないという環境の中で、9月利上げは容認できなかったという結果です。11月利上げもまず無いと見て良いと思います。
今回発表された今後の「金利予測分布図(ドット・プロット)」では、
<金利予測分布図(ドット・プロット)>
FRBメンバーの大半は「2016年内に0.25ptの利上げを1回」と予測。
2016年末FF金利予測:0.6%(6月時点:0.9%)
そして年内の金利据え置きが最も最適と考えるメンバーは3人。
また、今後2017年と長期的な利上げ見通しではそれぞれ下方修正という結果です。
しかしながら、このドット・チャート実に当たらない・・・これまでことごとく予想を裏切る結果です。
思い返して見てください!2015年12月に9年ぶりに利上げをした米国の状況を。詳しくは↓にまとめています。
2015年12月当時のドット・プロットもブログ内で掲載していますが、結局「まぁ、当たっていないこと!」。
ということで、今回発表されているドット・プロットも参考程度にという印象しか受けませんが、私は恐らく2016年12月に再度1度の利上げだろうと考えています。
ただもし今後米国経済が加速していくならば、例えば12月の利上げで「0.25pt以上のサプライズ利上げ」を行うということも示唆されたり念頭に置く必要が出て来る?かも知れません。
が、とりあえず、
「2016年にはあと1回の利上げで、恐らく0.25ptの利上げだろう」
というのが昨晩のFOMC結果です。
この公表を受けて、各資産がこのように動きました。
<FOMC声明文の公表後、各資産の値動き>
株式やコモディティなどリスク資産は上昇、一方為替は乱高下し一時ドル高円安にブレそのまま円高修正が行われ、結果、101円を割り込み1ドル=100円台後半で推移しています。
2017年以降はやはり、ドル高円安トレンドへ(気付けば1ドル=120円台?)
もっとも、個人投資家が気にしておくべきは「2016年利上げは前提、では2017年以降は?」ということに焦点を絞っていかなければいけません。
当たらないドット・プロット上では、
2017年利上げ:2度(6月時点:3度)
2017年末FF金利予測:1.1%(6月時点:1.6%)
と、順調にいけば2017年には1.1%まで利上げされていくという予測でマーケットは動いています。
正直、個人トレーダーやFXトレーダーではない中長期の個人投資家が短期的な為替予測をするのは無意味だと思っていますが、「利上げが行われる以上、経済学の基礎としては「ドル高円安」が前提」になってくるのです。
<USD/JPY 10年為替チャート>
皮肉なことに2015年12月に米国利上げが行われるまでに1ドル=120円台を付けて2016年1月時点では121円でしたが、2016年明けから「サウジアラビアとイランの国交断絶(中東地政学リスクの急騰=原油安への影響)」と「中国人民元安誘導措置(中国経済懸念の高まり)」の2大要因により、為替リスクの巻き戻しが行われ続け、9月時点の「1ドル=100円」まで円高に進んで来た状況です。
ただ、このような状況が落ち着きを見せ、更に2016年末に再度米国の利上げという前提であれば(金利が高い通貨が買われる=高くなる)、2017年からは今の1ドル=100円水準からドル高円安になっていく、120円台に戻っていてもおかしくないというのが冷静な考え方です。
つまり、経済学的に考えると(金利差拡大から)
「今のドル円水準(1ドル=100円)は、買い時」
になってくるでしょう。結局個人投資家ができる円資産目減りを防ぐ方法は(円安ドル高を防ぐには)「円が高いうちにドルを買っておく」に尽きます。
円からUSD建てのオフショアファンドへ投資しておくべきタイミングを逃さないようにしたいですね。
今のドル円は買い場?年内の米国利上げはカウントダウン!円安ドル高への備えを!(8/26 FRBイエレン議長のジャクソンホール講演まとめ)
為替の短期予測は、各国の金融政策情勢や地政学情勢など、あらゆうることが絡むのでなおさら中長期で考える必要がある訳ですが、ドルが買われ円が売られる理由が増していく(ドル高円安)というのが2016年9月〜年末、そして2017年以降というのが今回のFOMCの結果でしょう。
マーケットの関心は「11/8の米大統領選挙」へ
いや、むしろ2016年はこの大統領選という大イベントに向けて翻弄され続けているといっても過言ではないような気がします。
残り1ヵ月ちょっとを残し、現状ではこのような支持率の推移のようです。
(出典:REUTER)
もっとも、調査会社などによって若干の違いはあれど、現状では民主党ヒラリー氏が勝利する見込みが高いと言われています。
ただ6月末の「Brexitの例」もしかりだったので↓、
はやり米国大統領選挙も最後の最後まで
“Nobody Knows”
という気持ちで身構えている方が良いと思います。
さて、その大統領選へのキーポイントとなるのが、全3回行われるTV討論会です。
第1回:9/26
テーマ:「米国の方向性」「繁栄」「安全保障」の3つをそれぞれ30分、全90分間で行われます。
第2回:10/9
市民集会の形式:「決め兼ねている有権者が討論会会場で両候補へ直接質問を行う形式」です。
質問に対して、両候補が2分間で回答し、司会者も質問をします。こちらも全90分間。
第3回:10/19
テーマ:「未定」
今回も過去の大統領候補がアツい討論を行ってきたようにと過去最高の視聴率が取れるのでは?と噂になっています。
<クリントン氏対トランプ氏のTV討論会への期待(歴代TV討論比較)>
(出典:Bloomberg)
健康問題が持ち上がっているヒラリー氏への風当たりが厳しくなりつつある中、第1回目9/26の討論会は要注目です。
個人投資家もこの大統領選挙への行方次第で、FRBの今後の利上げ動向も変わってきて為替や株式動向にも影響を及ぼすのでしっかり確認していきましょう。
(カバー写真:MarketWatch)
オフショア投資入門書(マニュアル)を
無料進呈します
オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
関連記事
-
オーストラリアが利下げ(過去最低の2%へ)虚を突く為替変動!(豪ドル資産は大丈夫?)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「為替」に
-
今年の本丸、日本郵政3社が11/4に同時上場で売出総額は1兆3,800億円!誰が為の上場か!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 来るぞ来るぞと言われてい
-
色々あった2016年マーケット&政治(想定外は想定内、中長期投資の重要性)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は年末に相応しく、2016年を振り返ってみましょ
-
【為替】米ドルの優位性と日本円の価値下落(日本円しか持たない人は貧しくなる)
こんにちは、真原です。 久々に、米ドル日本円(USD/JPY)でも、ドル高円安の動き/トレンド
-
第1Q(1−3月期)フィリピンのGDPが3年ぶり高水準(+6.9%)〜アジア諸国の1つである日本は?〜
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回はアジアマーケット情
-
【マーケット(世界)】今に始まったことではない「米中世界覇権争い」〜つまりは今後も続く米中貿易戦争(関税/為替合戦)〜
こんにちは、眞原です。 世界マーケットが短期的に大荒れになってきました。 ここ1~2週間
-
アゼルバイジャンが変動為替相場制に移行(通貨暴落へ備える為の通貨分散の重要性)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は為替情報について。
-
日経平均株価一時800円超の下落!誰かが言った・・・日経平均株価20,000円台は「買い」です!と。短期の上げ下げに賭けるのはもう止めませんか?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回はマーケット(日本)
-
民主党時代の経済情勢と安倍政権下でのアベノミクス
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は、民主党時代の経済
-
サプライズ!!2日連続で中国人民元の切り下げが!米国の利上げに暗雲立ち込める?賢い個人投資家の選択肢は??
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今年は何かと人民元はホッ