Brexit決定まとめ&2016年のブラック・スワン(まさかのリスク)を再確認〜個人投資家の今後の投資先〜
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
本日6/24は「Brexit(英国のEU圏からの脱退是非を問う国民投票)でEU圏離脱が決定した歴史的な日」になりました。
先週からマーケットを賑わせてきた世論調査やオッズも、やはり当日の投票結果を受けるまで大してアテに出来なかったというのが正直な所でしょうか。
※オフショアファンドのGBP投資家は必見「Brexit状況まとめ」(マーケット大荒れのBrexit国民投票まで残り9日)/為替
本日(6/23-24)Brexit国民投票を振り返ると
日本時間の昼前に英国では開票作業が続く中でBBCが「離脱予想」を出しました。
そこから一気に、為替や株式、債券(金利)、コモディティ(特に金価格)、あらゆる資産のボラティリティ(リスク)が高まりました。
そしてマーケットが英国のEU圏からの離脱(Brexit)がほぼ確定的なことを折り込み始めると同時に、GBPは約10%(前日比)急落、株式市場などのリスク資産も全面安(日経現物は約7%超下落、先物はサーキットブレーカー発動、FTSEも9%超下落、ユーロ株も12%超(ドイツは10%超、英国は11%超)下落、米国先物も3〜5%程度安)になっています。
蓋を開けると、下記のように地域ごとに「残留(青色)」と「離脱(赤色)」の選択が良く分かります。
GBP/JPYで言えば、1ポンド=157円あたりから136円台程度へ下落です。
<GBP/JPY 為替チャート>
USD/JPYでは、一時週間風速的に100円を割り込み、102円台まで戻しています。
<USD/JPY 為替チャート>
<GBP/USD 為替チャート>
英ポンド、米ドルでは8%超の下落です。
この為替の動揺を受けて日本では麻生大臣が会見、また韓国中銀ではウォン買い介入を実施、他の中銀も為替介入の用意があるようです。
個人投資家が持つべき資産は?
まず、ヒト、モノ、カネの流れがまた変わります。特に貿易に関しては2年間の猶予の元で関税率などで新しく貿易交渉を開始することになってきます。
今回のBrexitの結果、今後グローバルマーケットでどのようなことが想定されるのか?
そもそもEU圏を支える経済の支柱の1つであった英国経済を失ったことで、ドイツ経済依存が強まり、EU圏経済のさらなる停滞が見込まれます。
これから想定され得ること(ブラック・スワンも含む)。
〜英国〜
・キャメロン首相は辞任表明か?
・政治(内閣)の不安定化
・英国債の格付け見直し、経済長期低迷期へ
・GBP(為替)の不安定化→英中銀の金融政策の舵取りが困難に(利上げは後退か)
・不動産価格の下落
・金融機関の本社機能の他国への移転→金融マンのリストラ増加や経済停滞の一因
・HSBCやStandardCharadなどの経営圧迫
・ヘッジファンドの登記先の変更など
・英国内での各種増税
など・・・・
〜EU圏〜
・これからのスペインの選挙、他国の選挙への影響、「EU圏そのもの」への疑問
・EU圏瓦解の始まりか?他国も離脱か否かの国民投票実施へ?
・ECB(欧州中央銀行)の金融政策の舵取りがさらに困難に(追加緩和策?)
・為替EURの不安定化
・難民問題を含め、ドイツ経済や社会への依存度の高まり(ドイツ国内の混乱要因)
・ドイツの財政出動?メルケル首相への逆風
・英国富裕層のスイスへの資金移動の顕在化
など・・・
〜アジア圏〜
・英国と蜜月になりつつある中国の動きは?
・日本株の売り(アベノミクスの失敗、GPIFの損失拡大)、リスクオフ巻き返しの円高
・ヘリコプターマネーの導入
※へリコプターマネー(ヘリマネ)発動は日銀破綻へのトリガーに?(2018年〜2030年の日本国債クラッシュ懸念=円資産価値の減価) / 制度・規制・法律・金融政策
など・・・
〜米国〜
・年内利上げの不透明感(7月利上げは厳しいか?年1回の利上げ?)
・大統領選挙にも大なり小なりの影響
・最大のオフショアとなりつつある米国
など・・・
Brexitという2016年の1つのブラック・スワン(=予測が困難なリスク)が現実化したことで、もはやブラック・スワンはどこにでも存在していてそれをブラック・スワンとして捉えては行けない状態になっています。しかも今回、大多数が予想できていなかった2008年の金融危機(リーマン・ショック)と違う点はBrexitはある意味で想定できていたという点です。
それにも関わらず、マーケットではどこかしら「残留するだろう」という風に捉えていたためにその逆の結果マーケットが右往左往してクラッシュしている状態になっています。なにせ前例がないことなので、これからどのようにマーケットが反応するのか不透明感が高まっています。
幸か不幸か・・・私が2016年1月に予測したあたって欲しくないビックリ予想の「Brexit」が的中してしまった訳ですが、
※2016年ビックリ予想(ー短期株価予測と為替予測は単なるギャンブルー)/マーケット(世界)
これらを踏まえると、2016年は引き続きマーケット・クラッシュ(ブラック・スワン=予測が困難なリスク)が顕在化、継続化していくと想定しています。
特に11月に「トランプ大統領誕生」も、ビックリ予想としてあり得ます。
大多数の人は年初、トランプ氏が共和党候補者まで残るなんて「予想」していなかったのですから・・・。
ここから個人投資家が考えておくべき投資戦略として(投資先として)、はやり「ゴールド(金)資産」をポートフォリオの一部に入れておくという選択です。例えばゴールド(金)に連動するオフショアファンド(ヘッジファンド)、ゴールド連動のETFやインデックスなどの海外積立投資、現物で保有するなど様々な投資手法が挙げられます。
なぜゴールド(金)なのか?
・マーケット・クラッシュ(ブラック・スワン=予測が困難なリスク)が顕在化した時のリスクヘッジ
・世界的なマイナス金利下にある以上、金利が付かないゴールド(金)は不利な投資先ではない
・米国利上げが遠のくとすれば、積極的な米ドル買いにはならず、ゴールド(金)は不利な投資先ではない
など。
実際、リスク回避からゴールド資産への資金流入が続いています。
(出典:Bloomberg)
(出典:同上)
今日2016年6月24日は、英国にとってEU圏からの ”The Independent Day” です。
英国民による「このBrexitの選択」が良かったのか悪かったのか、その結果が分かるのはきっと5年、10年先になるでしょう。
今回の結果は拮抗していたので、またもしかしたら数年後には何事も無かったようにEU圏に再度加盟しているかもしれませんし・・・。
(カバー写真:The Telegraph)
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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