2016年ビックリ予想(ー短期株価予測と為替予測は単なるギャンブルー)
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最終更新日:2021/02/09
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
明けましておめでとうございます、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
2016年の申年マーケットが始まりました。本年も宜しくお願い致します。
2015年振り返り
まず、2015年のプロのアナリストや著名な方々の日本株価予想を思い返しましょう(4月時点で言っています)。彼らは当たっていなくとも責任を問われないのですが、それを信じた個人投資家にとっては当たっている当たっていないを見返すのは非常に重要です。
※日経平均株価が終値で15年ぶりに2万円台回復!(日本株に強気な方々)/マーケット(日本)
2015年の年初〜春先には「年末には20,000円台を超えてきます!」と証券マンはカンカン強気でしたが・・・・で、結局は???
2015年12月30日 大納会の終値:1万9,033円71銭
でしたね。
2016年マーケットと10のビックリ予想
さて、2016年大発会早々に、日経平均株価は−582.7円安の18,450.98円(前日比−3.0%安)で引けて年内最初の取引を終えています。
また、中国市場ではCSI300指数が7%下落し、サーキットブレーカーが初めて発動され大引け1時間前から取引が停止される事態になっています(5%上昇or下落した場合はサーキットブレーカー発動、中国株全てが15分間取引停止、7%上昇or下落すると取引は停止される措置によりもの)。
為替マーケット(USD/JPY)では1ドル=119.24円台と1%程度ドル安円高にブレています。
騒がしく2016年のマーケットが始まりましたが、2016年マーケットを考える上ではエコノミスト誌が予測している内容にも目を通しておきましょう。
※個人投資家が無視できないThe Economis誌の”The World in 2016(2016年 世界はこうなる)”/マーケット(世界)
さて、波乱のもと幕を開けた2016年のマーケットですが、ビックリ予想(あり得たら恐ろしいなぁ〜、という予想を掲載しておきます。むしろ当たらない方が良い予想です。)
1.)2016年後半、中東諸国発、有事勃発(日本や米国、欧州が巻き込まれる)
2.)FRBの金融緩和姿勢への逆戻り(利下げへ)
3.)WTI原油安1バレル=10〜15ドルまで下落
4.)新興国のデフォルト連鎖
5.)USD/JPYで1ドル=100円割れ
6.)英国のEU離脱
7.)大量移民によりドイツとEU圏の不況和音が引き金となりEU圏の瓦解が始まる
8.)2015年の8月同様のチャイナ・ショック
9.)2015年以上のハイ・イールド債券の大暴落(買い入れの好機)
10.)ドナルド・トランプ氏が大統領に
正直、当たらないで欲しいと切に願うものを挙げています。
1.)2016年後半、中東諸国発(裏にはロシアと米国の対立)による有事勃発(日本が巻き込まれる)
下の(3.)でも触れていますが、今グローバル経済と政治的な対立で顕著なのは「原油」を巡る動きです。
そこで2016年に私が最も懸念しているのは有事勃発です。敢て2016年後半としているのは、米国大統領選挙が2016年11月8日に予定されているので、それ以降からグッと有事の方へ傾き2017年には本格的に有事突入というシナリオを想定しているからです・・・。
オバマ大統領は「戦争をしなかった大統領、ノーベル平和賞を受賞した大統領、キューバとの国交を回復した大統領」という名を残して任期を終え、「中東問題、南シナ海問題」を残して次期大統領へバトンを繋ぐのではないかと推察しています。
昨年2015年、未年のアノマリーは「戦争」として取り上げていましたが、それに近い「軍事的なコンフリクト」が散見された年だったと思います。
※未年のアノマリーは「戦争」。だからこそ個人投資家は積立投資でドルコスト平均法の活用を!/資産運用の基礎
2.)FRBの金融緩和姿勢への逆戻り(利下げへ)
FRBの利上げが12月に行われたものの、米国の経済回復が想定通りに行かずFRBがまさかの利下げや金融緩和(QE)を再度行うのではという予測です。これが行われれば米国株下落、ドル円もドル安円高にブレることでしょう。
が、現状では2016年の利上げペースは4回以上というのがマーケットの見方で動いています。
※米国の利上げ!ちょっと待った!まだドル高/円安で大事な資産を消耗してるの?/投資と社会事情の関係
3.)WTI原油安1バレル=10〜15ドルまで下落
2015年からは特に原油安がマーケット全体の重しになっていましたが、これは2016年も継続という見方です。
2015年に原油安がもたらした象徴的な出来事として、アゼルバイジャンが変動為替相場制への移行がありました。
※アゼルバイジャンが変動為替相場制に移行(通貨暴落へ備える為の通貨分散の重要性)/為替
最大の人口を抱える消費大国である中国の景気減速、米国利上げによる新興国経済失速が鮮明な中での「原油需要」の減退、それでもサプライヤー側のOPEC(石油輸出機構)が減産をしない結果供給がダブつき、加えて40年ぶりに米国が石油輸出を再開させることでさらにダブついた供給過剰が継続、年末にサウジアラビアが減産をしないと明言したというトータルの懸念。
更に、年を明けた本日サウジアラビアがイランとの外交を断絶するという発表から中東の地政学リスクが高まり一時的な先物買いで原油相場が上昇したものの、主要産油国のサウジアラビアとイランが輸出競争を過熱化させれば原油相場の一段の下落が見込まれるというサプライズ。
4.)新興国のデフォルト連鎖
ブラジルの景気悪化(スタグフレーション)は言うまでもなく、ロシアや産油国新興国にとっても厳しい経済環境が続いています。年末には、プエルトリコが再度デフォルト、またウクライナもロシアに対してデフォルト状態にあるというニュースが飛び込んできました。
中東原油関連諸国(新興国)にとってネガティブな材料が多いのでデフォルト率が高まるとの懸念が大きくなっています。
特に危険なのがサウジアラビアを挙げておきます。正に国際政治と原油マーケットが複雑に絡み合っている状況の中、仮に(3.)で見たように原油相場が1バレル=10ドル台まで下落すればサウジアラビアは自国通貨リヤルのドルペグを放棄せざるを得ない状況にまで追いやられるはずなので、地政学リスクが一気に高まります。
それ以前に、イランが原油増産、1バレル=30ドル割れのOPEC集会、ロシアの横槍など様々な動きがあると思いますが、産油国関連国のデフォルト懸念は高いです。
また他方で2016年も継続的に、中国が突如2015年8月に行ったような人民元切り下げによって周辺のアジア諸国の経済への打撃も大きくなります。
※サプライズ!!2日連続で中国人民元の切り下げが!米国の利上げに暗雲立ち込める?賢い個人投資家の選択肢は??/為替
ただでさえ、米国利上げによってアジア新興国(アジア)マネーが流出している中で、中国が人民元切り下げを継続して行うことで周辺のアジア諸国(例えばヴェトナム)も追随して通貨安にせざるを得ない状況に追いやられます。通貨の脆弱性が強い新興国では外貨準備高も減少するのでデフォルト懸念が高まります。
5.)USD/JPYで1ドル=100円割れ
2015年はUSD/JPYの為替変動が約10円程度の小幅でしたが、2016年も継続して10円前後との見方が体勢を占めています。
120円を中心に10円前後と考えれば、110円〜130円なので、100円を割るのは究極にサプライズな領域になってきます。
それでも結局は米国がサプライズの利上げ停止などの措置をしない限りは日米金利差拡大で米ドル高円安継続の流れには変わりなく、2016年は1ドル=130円を試すドル高円安推移にブレてくるという予想。
6.)英国のEU離脱
2015年5月にキャメロン首相が選挙戦の過程で「保守党が勝ったらEU離脱の是非を問う国民投票を繰り上げ実施する」と公約を掲げ、単独過半数で勝利を収めた結果、現状では夏頃と言われていますが2017年までに「EU離脱を問う国民投票」が実施されます。
現状(2015年12月時点)の世論調査では、EUへの「残留53%」、「離脱34%」、「決めていない11%」と残留支持が過半数を越えているものの、サプライズ的な離脱もあり得ない話ではないというのが2016年です。
それまでに2月に行われる予定のEU首脳会議の中でキャメロン首相が各国首脳に対して独自にまとめたEU改革案の4つの柱((1.)EU加盟国から英国に入国した移民に対して雇用給付や住宅支援など社会保障費の一部を4年間給付しないなど)の理解をどれだけ得られるのかの手腕が問われそうです。
7.)大量移民によりドイツとEU圏の不協和音が引き金となりEU圏の瓦解が始まる
移民受け入れを継続しているドイツと反対するEU諸国の不協和音が響き渡りましたが、今後もこの移民問題(間接的にはISIL問題)がEU圏政治的また経済的な重しになります。
また、特に2015年はギリシャ問題で各国の思惑や政治的な調整が困難だったことも垣間見られたので、今後さらに「財政悪化国」が顕在化し始めると、一層ドイツのメルケル首相の立場(国の運営)が問われることになります。
※ギリシャ債務問題は根本的に未解決で単にギリシャ国民の生活が苦しくなるだけ。日本人個人投資家は資産防衛としてギリシャ問題を反面教師に捉え始めている。/財政問題
EU圏の団結が問われる2016年になるとの予想。
8.)2015年の8月同様のチャイナ・ショック
2015年の8月からのマーケットは中国経済がトリガーとなってグローバル経済に悪影響を与える動きになっていました。
※8/24のチャイナ・ブラック・マンデーのリスクから考える『投機家(短期)思考と投資家(中長期)思考』の違い/資産運用の基礎
2015年のチャイナ・ショックを改めて考えた場合、明らかに中国経済の一時的な「景気循環」に起因するものなく、習近平政権の反腐敗運動からくる「構造的な転換」による反動が尾を引いているものだと言われています。
習近平政権では「汚職撲滅(共産党員に対して高級品を買うことなどを抑制)」など、明らかに消費を減退させる施策を打ち出し、共産党員が消費しないことには中国経済の消費も促進されない、つまり経済拡大はないという悪循環に陥っているのが現在です。
この経済の構造的転換では需要サイドと供給サイドに分けて考えられるものの、需要サイド(輸出低迷、個人消費低迷)では拡大できず、同時に供給サイド(国有企業の民営化や解体で市場開放、雇用促進)も追い付いていないというダブルで景気鈍化を招いている状態です。
なので、中国政府は「AIIB」や「IMFのSDR採用」「インドネシアの新幹線受注」「英国の原発やリレーションづくり」という体外的な面に軸足を移し対外政策で国民を納得させているという話です。
※2016年は中国発の為替ショックが発生か?(人民元、SDR採用のまとめ)/為替
2016年の中国経済を考える上では、
・汚職撲滅が行き過ぎた場合(消費減退、キャピタルフライト防止など)
・そもそも李克強首相がマクロ統計(GDP数値など)を信用していないと言っている以上、マクロ統計は参考
・実際のGDP6.5%もないというのが大前提(つまり、2016年に発表される数値は悪化する前提)
という、ハリボテ感がある経済事情で以上は、2016年も同様にチャイナ・ショックが発生するとの予想。
9.)2015年以上のハイ・イールド債券の大暴落(買い入れの好機)
2015年はハイ・イールド債券が調整局面に入ったものの、2016年も下値を探る動きになると思われます。
2015年12月時点においてハイ・イールド債券は1.6兆ドル(=約190兆円)規模で、その保有者の20%を占めるのが上場投資信託(ETF)比率と言われています。特にETFは逃げ足の早い資金(売買が容易なため)が流入している傾向が強く、大きな経済ショックなどが発生した場合には、一気に売りが売りを呼びハイ・イールド市場(ジャンク債市場)は大幅な下落調整に入る懸念があります。
特に(3.)の原油関連に付随するシェール関連のハイ・イールド債券のデフォルトが相次ぐとマーケット全体の重しになります。
それでも短期下落の後には上昇しているのがハイ・イールド債券の歴史なので大幅下落時には海外積立投資で投資しているようなドルコスト平均を活用できれば買い入れの好機になってくる2016年の予測。
※ハイ・イールド債券の歴史と米国の利上げ/積立投資
10.)ドナルド・トランプ氏が大統領に
こればかりは読めないのでもしかしたら当たってしまうかも知れません。12月中旬時点で共和党支持率41%、2位に25ポイント以上の大差をつけているドナルド・トランプ氏です。かの有名な「不動産王」と言われる「トランプ・タワー」のホテル経営で有名ですね。
このトランプ氏、非常に過激な発言「イスラム教徒は入国禁止にすべき」などを繰り返しているにも関わらず、米国で大人気な訳です。彼は集会演説の中で「日本(安保法案)」を巻き込む発言もしていたので、これは(1.)に繋がってくる点です。
「日本が攻撃されたら米国は直ちに駆けつけなければならないのに、米国が攻撃を受けても日本が何もしなくていいのはおかしい」
仮にトランプ大統領が11月8日に誕生となれば、日本は確実に戦いに歩を進めることになる2016年の予測。
さぁ、2016年の幕開けです。
毎度お伝えしているのですがマーケットでは必ず「リスク要因」があるので株価予測や為替予測ほど無意味なものはありません。なので、上がった下がったで一喜一憂せず、中長期で資産を形成するというスタンスは変えずに「リスクがあるからリターンがある」というのを忘れず過ごしましょう。
※一人ひとりの私生活に直結する2015年世界情勢リスクと国内情勢をナナメヨミ〜自分の頭で考え行動する時代〜/投資と社会事情の関係
(カバー写真:WSJ)
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