今のドル円は買い場?年内の米国利上げはカウントダウン!円安ドル高への備えを!(8/26 FRBイエレン議長のジャクソンホール講演まとめ)
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最終更新日:2021/02/09
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こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は「為替(USD/JPY)」情報。
昨日(8/26〜27日)に毎年恒例のワイオミング州ジャクソンホールでの年次経済シンポジウム(通称、ジャクソンホール講演会)が開催されました。ちなみにジャクソンホールという名前ですが、決して「ホール(講堂)」ではなくワイオミング州の谷の合間ののどかな避暑地です。
さて、マーケットはこの「ジャクソンホール会議」を非常に注目していました。
今回の全体のテーマは、”Designing Resilient Monetary Policy Frameworks for the Future (将来に向けての金融政策の枠組みの構築)” でした。目下、世界中の中央銀行の金融政策面での「限界論」を感じている中、これから未来の金融政策に向けてのキーとなる集いとしての位置づけです。
<FRB イエレン議長>
そして特に、米国FRBのイエレン議長のスピーチは非常に注目されていました。
というのも、マーケットとしては、彼女のスピーチ内容を手がかりにFRBの「利上げスタンス」を伺うというのが狙いだったからです。
Chair Janet L. YellenのSpeech”monetary policy toolkit”の全文はこちら
イエレン議長の講演でのスピーチ内容を大雑把にまとめると・・・
・講演内容そのものに意外感なし(サプライズ無し)
・マーケット想定よりも、ややタカ派寄りの内容
・具体的な利上げ時期への言及はなく、利上げが差し迫っているとの印象を与えず
・年内利上げの可能性と段階的な利上げを後押しする発言内容を確認
これを受けてマーケットは、
「性急な利上げ(=9月利上げ)は無いのか?」と「いや、9月利上げ可能性もあり得る」
との見方が交錯し、為替マーケットも一時的に方向感が出ませんでした。
しかし、その後、
「9月に利上げが実施され、2016年年内に複数回の利上げがあると予期するべきか?」
とのCNBCの質問への回答の中で、FRBイエレン議長とほぼ同じ考え方(金融政策の決定)をするフィッシャー副議長の回答として、
「イエレン議長がジャクソンホールの講演で述べたことは、この2つの質問に対し『イエス』と答えることと整合性が取れている」
と「9月利上げ」への含み「年内の複数回利上げ」への含みの2つへの理解を示したことでUSD/JPYの為替でドル買いが優勢となり、結果USD/JPYで一時1ドル=102円台まで付ける状況になりました。
<USD/JPY 8/26 為替1日推移チャート>
今回のイエレン議長のジャクソンホール講演内容+フィッシャー副議長の回答によって「年内利上げ」は確実視されています。とは、言え・・・米国利上げは2015年12月に1度でその後、実施されていないので「追加利上げはようやくか・・・」という印象を受けます。
2015年12月当時の利上げ状況のブログ記事がこちら↓
※米国の利上げ!ちょっと待った!まだドル高/円安で大事な資産を消耗してるの? / 投資と社会事情の関係
<米国(FRB)金利推移>
今回8/26のFRBイエレン議長のジャクソンホール講演という目先大きなイベントを消化し、次にマーケットが考え、注目しているのは、
果たして「9月利上げ実施」なのか?「12月利上げ実施」なのか?
という点です。
ちなみに「金融政策(金利水準)」を決めるFRBの年内FOMC(連邦公開市場委員会)は、次回の9/21、11月、12月の合計3回しかありません。
講演後、米国債先物市場で「利上げを示唆する確立」において9月のFOMC利上げ確立は約30%と示しています。
そして、12月利上げ確立は約60%(講演前日は約52%)と共に「利上げ可能性の高まり」を織り込み始めているという状況です。
さて、この9月か12月か?という点を決定してくるのは来週9/2に発表される「米国8月の雇用統計数値」次第になってきます。
<十分な米国雇用統計の改善傾向数値(2010〜2016年)>
米国では、経済状況が良いため雇用者数も増加し、6−7月時点の「失業率」は4.9%となっていて、既に「完全雇用」に近い状況になっています。
これを裏付けるためにも9/2に発表される8月の非農業者部門雇用者数と失業率の指標次第で「9月利上げ」もしくは「12月利上げ」をマーケットが折り込む動きになってきます。
ちなみに、予想されている8月の非農業部門雇用者数は18万5000人増(7月:25万5000人増)、そして失業率は4.8%への低下が見込まれています。仮に、この非農業部門雇用者数が19万人を超えるような力強さを見せると「9月利上げ」も十分視野に入ってくるでしょう。
よって、ジャクソンホール講演後に1ドル=100円台だったUSD/JPYが102円台を付けたので、仮に9月(or 12月)に利上げがあれば更にスルスルと、USD/JPYでは「ドル高円安」に進むと容易に想定できます。また、年内複数回利上げがあれば、1ドル=105~108円推移まではすぐでしょう。
ちなみに、なかなか当たらない各金融機関の想定為替レートがこちら↓
※金融機関の為替相場(USD/JPY)予想一覧(2016年2月時点)/為替
預貯金、投資信託などを完全に日本円でしかもっていない人は、ドル高円安になれば、当然円資産の価値が目減りしていきます。
その「円資産目減り」を防ぐ上では1ドル=101円台で早めに「米ドル」への投資(or 為替変更)をしておきたいものですね。
当然米ドル建てで投資できるのがオフショアファンドなので、オフショアファンドへの投資を考えている場合には「円高時(1ドル=101円台)」に投資していれば、その後円安になっていけばリターンが大きくなるのは言うまでもありません。
※『オフショア投資入門書(マニュアル)』のダウンロードはこちら(無料)
さらに、米国の金利が上がれば「各国との金利差拡大」という理由から、日本円に対してのみならず他通貨に対しても米ドルは相対的に「強くなる=ドルが買われた通貨が売られる=ドル高他通貨安」要因になります。
個人投資家でオフショア資産管理口座内から他通貨のオフショアファンドへ投資している場合には為替の見方は要注意です!
併せてこちら↓も要チェック!
※超基礎!為替通貨ペアの見方教えます!(コレさえ読めばUSDを中心に為替を考えられる!) / 為替, 資産運用の基礎
(カバー写真:Bloomberg)
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「海外口座」と「オフショア資産管理口座」の違い、メリット・デメリットについてまとめました。
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