繰上償還条項付 JPX日経400アクティブファンド 米ドル投資型 2016-09(愛称:JPXターゲットⅡ)
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF
国内ファンド解説
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は8/22から三菱UFJモルガン・スタンレー証券から新規設定販売されている『繰上償還条項付 JPX日経400アクティブファンド 米ドル投資型 2016-09(愛称:JPXターゲットⅡ)』の情報です
このファンドのみならず、日本株関連の投資信託(ミューチャル・ファンド)が新規募集販売されると「日本株は相対的に出遅れている」という文言を必ずといって良いほど目にします。
しかし何年経ってもその「出遅れている」という文言が消されない以上、つまり「過去からずっと出遅れ続けている」ということです。もはや「出遅れているのではなく、単に日本株だ買われ続けない理由がある」と考えるほうが正しいと思わざるを得ません。
そして、どのような日本株式投資信託(ミューチャル・ファンド)への投資であっても大前提として
・日本株(全体)は今後も上昇していく
・ファンドマネージャーやアナリストの日本株選定や売買を信じている
という考えの個人投資家であれば投資したら良いと思いますが、そう思わないのであればわざわざ投資する必要はないと思います。
何せ「信頼のある大手有名金融機関のアナリストや著名人」が予想している株価予想はほとんど当たらないのですから・・・。
2015年4月に日本株が2万円台を回復して「さらに上がる」と言っていた方々を確認できます↓。
※日経平均株価が終値で15年ぶりに2万円台回復!(日本株に強気な方々)/マーケット(日本)
さて、今回のこの『繰上償還条項付 JPX日経400アクティブファンド 米ドル投資型 2016-09(愛称:JPXターゲットⅡ)』を確認します。
このファンドの特徴から確認すると、
(1.)JPX日経インデックス400構成銘柄および同指数に採用が見込まれる銘柄の中から、株価上昇が期待される銘柄を選定して投資(ポートフォリオは約30〜50銘柄)
(2.)円売り/ドル買い(円安ドル高になればより良い)
(3.)基準価額12,000円以上で繰り上げ償還
(4.)限定追加型(申込期限は9/26まで)
の大きく4つがあります。
ファンドのベンチマークは「JPX日経インデックス400(米ドル換算ベース=円ベースインデックスを米ドル換算したもの)」です。
この「JPX日経インデックス400」がどういう指数かといえば、
日本経済新聞社と日本取引所グループと東京証券取引所が共同開発した指数で2013年8月30日(約3年前)を10,000ptとして起算して、その後毎日算出されている指数です。
このインデックスに組み入れられている銘柄の選出方法がこちら。
日銀も量的質的金融緩和の一貫でこのJPX日経インデックス400を買い入れしています。
※日銀保有の日本株式EFT累計額は8.9兆円で保有率59%!〜作られた日本株式市場〜 / マーケット(日本)
また過去には証券会社がこの指数の投資信託(ミューチャル・ファンド)を新規募集販売していたのは記憶に新しいのではないでしょうか?
※三井住友・JPX日経400オープン/SMBC日興証券
さて、今回のこの投資信託(ミューチャル・ファンド)は、
JPX日経インデックス400(と今後組み入れられるだろう銘柄)のうち30〜50銘柄をこのファンドが選んで投資。
加えて、円安ドル高(米日短期金利差が拡大)になればそのぶん為替プレミアムが得られ、運用開始から基準価額が20%上昇(12,000円)すれば早期償還するという仕組み
です。
では、実際のJPX日経インデックス400のパフォーマンス推移を確認すると、
<JPX日経インデックス400(円建て)全体推移>
個人投資家が過去の数字として確認しないといけないのは、2013年8月30日以降の推移なので、より詳細なのがこちら。
<JPX日経インデックス400 2013~2016年推移>
指数設定から3年間で約17%の上昇で推移しています(年間単純平均5%程度のリターン)。
そもそもこの投資信託(ミューチャル・ファンド)の大前提が下記のように「他の先進国株との比較では日本株は相対的に出遅れている」ということのようです。
冒頭でものべましたが、果たしてそうなのでしょうか?
実際、米国株式指数(S&P500指数、Dow、NASDAQ)は高値更新をし続けている一方で、日本の株式市場が「日銀の金融緩和」+「年金基金(GPIF)の買い」という買い支えがあってようやく今の株価水準で推移しています。
※日銀が買う日経平均株価の上昇はアベノミクスの「官製相場」!5頭の鯨が泳いだ後に残るのは、それを信じた個人投資家の含み損。 /マーケット(日本)
国債市場のみならず、株式市場でも実質「大株主化している日銀」の現状を見ると「日本の株式市場が健全な状況」とは言い難いでしょう。
※「永久債」や「50年債」とは?(くすぶり続ける日銀ヘリマネ出動と高齢化社会日本の国債問題) / 財政問題
単純に「出遅れている=買われるべき理由がある」ということではないと思います。
2015年5月時点で、日本株式に対する「強気」がパンパンに膨れ上がっていました。その頃から日本株式投資を開始した個人投資家も多かったです。が、現状2016年8月時点で「日本株(日経平均株価)は今から20,000円台に駆け上がっていく」なんて言葉は聞かれなくなりました。
※「皆が強気!さぁ、日本株はバブルへ一直線!「いつ売るの?、今でしょ!」/マーケット(日本)
上のブログでも記載していますが、そもそも「日本株式市場」を主に動かしているのは「外国人投資家」であって、彼ら外国人投資家が「「米ドル建て」で日本株をどう見ているのか?」が日本株式へ投資する際には遥かに重要になってきます。
さて、このJPX日経インデックス400も「米ドル建てヘッジ」という指数があり、海外投資家が為替リスクをヘッジし、米ドル建てでJPX日経インデックス400に投資する際のベンチマークで、その推移がこちらの通り。
<JPX日経インデックス400(米ドル建て) 推移>
2016年に入ってからUSD/JPYの為替推移では約20%の「ドル安円高」です。
<USD/JPY 1年為替推移>
<JPX日経インデックス400(米ドル建て)1年推移>
海外投資家にとっては日本株の株価そのものというよりも為替推移も重要な投資判断材料になっています。
仮にドル高円安になっていくならば、外国人投資家が敢えてわざわざ日本株へ積極的に投資する理由は少なくなるでしょう。
日銀の追加金融緩和があれば短期での日本株全体の上昇はあり得るかも知れませんが、個人投資家は基準価額の20%上昇(償還)の為に、わざわざ冒険心を持ってハイリスク・ハイリターンな日本株式へ投資する必要はないだろうなと思います。
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