日銀が買う日経平均株価の上昇はアベノミクスの「官製相場」!5頭の鯨が泳いだ後に残るのは、それを信じた個人投資家の含み損。
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最終更新日:2021/02/09
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回はマーケット(日本)について。
日経平均株価が20,000円台を定着している中、夏のボーナスが入って「よっしゃ!株式投資でも始めるか!」と思われている方、これを読むと「やめておこう」という気持ちになることでしょう。
まず、結論から、
黒田日銀総裁を含め、世界の中央銀行総裁や金融マンは「金融政策(量的緩和)の限界とリスク」に気付いている
世界の中央銀行総裁(=金融システムを動かしている方々)は、今の金融緩和策などが金融安定に対するリスクになっていると気付いているとのことです。歴史を振り返れば、米国FRBが金利を上げた後に世界マーケットは混乱に陥っている場合が数多くあります。
日経平均株価が上がっているからと株式投機にはまっている個人投資家の皆さん、大丈夫ですか?
今からハイリスク・ハイリターンな株式投資への参加は全くオススメしません!むしろ利益確定で早期撤退時期です。
なぜ日経平均株価が上昇しているのか?
日経平均株価が上昇していますが(個別株も高値を追っている企業も多いですが)、そもそもこの上昇期間もしくはそれ以前に日本企業は今後の収益の柱となる米国企業のGoogleのようなイノベーションやAppleのような世界的に強いブランド力を築けているでしょうか?中にはそういう企業もあるでしょうが、日経225(日経平均株価)に入っている企業の多くはそうでは無いでしょう。
ちなみに日経平均株価は、東証第一部上場銘柄のうち取引が活発で流動性の高い225銘柄の単純平均で、いわゆる「値がさ株(株価水準が高い株)」の影響を受けるに過ぎません(=特にファーストリテイリング、ソフトバンク、ファナックなどの株価動向に影響されます)。
日経平均株価が上昇している答えは企業決算の反映以上に「官製相場」だからです。
<日経平均株価6ヶ月チャート>
官製相場とは?5頭の鯨(巨大な資金)で30兆円の買い支え
「官製相場」って何ですか?という事ですが、読んで字の如く「政府が作った相場」ということです。
具体的に見ると、
1.)日銀が株価連動型ETF(要は日経平均株価やTOPIXなどの指数)を年間3兆円買う
2.)GPIF(日本の年金基金)が運用しているポートフォリオの国内株式比率を12%→25%へ引き上げる(約7兆円規模)
他に日本株を買い支える主役が3鯨います。
3.)共済年金(30兆円の運用資産)のうち、日本株式比率を15%→25%へ(約3兆円)
4.)ゆうちょ銀行(200兆円の資産)のうち、日本国債から民営化(上場)によって日本株式比率を高める。仮に5%程度買い入れをすると10兆円規模の買い余力
5.)かんぽ生命(83兆円の資産)のうち(現在はゼロに近い株式比率を)日本国内生保の株式運用比率平均22%程度まで高めるとすると買い入れ余力が十分あり、仮に低く10%としても8兆円規模の買い入れ余力
結果、政府に近い5頭の鯨(日銀、GPIF、共済年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)で30兆円規模の買い入れがあるという事なので、完全に「官製相場」でしかないと言えますね。
ギリシャ危機(29日)の日経平均株価下落時の日銀の動きは?
<日本銀行の買い入れ規模>
日銀は日経平均株価が596円下落した6/29日も、370億円のETF買い入れをしています。
個人投資家が気にしないといけないのは、日銀が買ったETF(日経平均株価)は「いつかのタイミングで売り」に出されるという事です。(満期などないため)言い換えれば、今買われている金額分の「売り圧力」が今後入ってくることになります。
もちろん相場を崩さないように売り抜けてくるでしょうけれど、今よりも高値で売らないと利益にならないのです。「日銀の出口戦略」が検討され始める時、この官製相場の副作用(出口戦略)が、今後の日経平均株価を下落させるでしょう。
日銀の本来の役割は日銀ホームページに書いてある通り「物価の安定」と「金融システムの安定」が目的です。
裏を返せば「為替動向」や「日経平均株価の推移」に関しては、特に彼らの役割ではないのです。(結果的に安倍政権によって協力させられている感が否めませんが)ようはドーピングと同じで、今短期的に株価を無理やり押し上げている日銀の金融政策には無理があり、今後その「ツケ」が待っているというのは間違いありません。
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