賛否両論!真の狙いは自社の都合の良い株主を増やすため?トヨタ自動車が発行する「種類株(AA型種類株)」とは?
公開日:
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最終更新日:2021/02/10
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回のブログ内容はトヨタ自動車が発行する「種類株」について。
賛否両論に分かれた株主総会
本日6/16に株主総会が行われ、この種類株=AA型種類株の発行が速報値ベースで株主の約75%の賛成を得て可決されました。
今回のトヨタ自動車の目的は大きく2つあると言われています。
1,)中長期的な研究開発のための資金調達
2.)長期保有の株主拡大(特に個人投資家)
今回のトヨタの「種類株」については下で改めて述べるとして、今回の種類株発行の決定に際して反対意見も寄せられています。それは主に海外機関投資家。反対票を投じているであろう彼らの主張は「海外投資家を不利にする一方、日本国内の株主基板を強化するものである」ということです。
・米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)
→種類株の発行で安定株主が増えると、経営の規律が失われるとして反対
・米大手年金基金のカリフォルニア州教職員退職年金(カルスターズ California State Teacher’s Retirement System)
・カナダ公的年金投資委員会(the Canada Pension Plan Investment Board)
・フロリダ州運用管理理事会(the Florida State Board of Administration)
・オンタリオ州教職員年金基金(the Ontario Teacher’s pension Plan)
日本ではほとんど馴染みが薄いかもしれませんが、安定的な大口資金で運用をする年金基金ばかりですね。このような海外の年金基金の運用先はオルタナティブ(代替資産)やヘッジファンド(オフショアファンド)へ投資をし最大限リスクを減らして安定的にリターンを目指しています。
トヨタが発行する種類株(AA型種類株)とは?
ざっとまとめると、
・5年間は売却できない株式
・配当あり(毎年0.5%ずつ上昇)
・議決権あり(CB=転換社債と違う点)
・5年経過後には普通株式への転換もしくは発行価額(発行株価×120%)での換金請求が可能
近いイメージは「転換社債(Convertible Bond)」ですが、この種類株(AA型)は議決権が付与されているのでその点は違っています。
こちらが発行から5年経過後に個人投資家が選択できる3つの方法。
そもそも今の市場価額よりも20%高い価格でこの種類株へ投資することになります。つまり、投資した個人投資家が5年経過後に普通株に転換して売却益を上げようと思えば、既存の株主(既に今の株価水準で投資している投資家)よりも売却利益幅(キャピタルゲイン)が少なくなるのは当然です。(20%割高で投資するため)まして、今マーケットで買える普通株の配当は約2.0%なのでこの種類株の配当は劣ります。種類株の配当(0.5%ずつステップアップ)は平均1,5%で発行価額での買取請求権が付いているので実質的に「元本保証」となっているというちょっと気持ち悪い株式ですが、それでも5年間は売却できないという流動性がないので機関投資家などは敬遠するのは間違いないでしょう。
トヨタ自動車、真の狙いは?
豊田社長を始め経営陣の表向きの狙いは「長期保有の株主拡大」とのことですが、結局は安定株主(トヨタにとって都合が良い株主)を募る一つの方法では?として捉えられています。過去に「種類株」を発行した企業として有名なのは、伊藤園、ソニーやCYBEDYNEが挙げられますが、これらの企業と今回のトヨタが発行する種類株は少し違っているので、日本初のケースとして注目されているようです。
最大で発行済株式数の5%未満(1億5,000万株)の発行を予定しているこのAA型ですが、まず第1回目の発行は7月に予定しているとのこと。本日の株主総会では既存株主にとって「種類株は分かりにくい」との声も上がったようで株主総会は3時間2分と過去最長、出席株主数は4,655人(前年4,163人)が参加していたようです。
今後の日本の株式会社の新たな資金調達となるのか?今後の推移が気になる所です。
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