マーケット関係者の米国9月利上げ予想は48%に下落!兎にも角にも9/16-17に世界経済が動く!〜米ドル高新興国通貨安に備える〜
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最終更新日:2021/02/10
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
とうとう9月に入りました。今年も残す所4ヶ月です・・・早いですね〜、毎年加速度的に体感の経過年数が早くなっています。
さて、そんな9月ですが、あと約2週間の9/16-17に世界経済にとって非常に重要な米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。ここ8月3週目からの中国株式市場からの影響による世界的な株安によってマクロ経済がガタガタと揺れ続けていますね。(9/1の日経平均株価は今年3番目の下げ幅の終値724円安で引けています。)
そんな中、各金融機関のエコノミスト予想(8/27-8/31)が発表されました。
8/14時点でも同じ予想をブログでまとめていますが、
※レアルなど新興国通貨やファンドに投資中の個人投資家が望むも望まないも米国の利上げはカウントダウン!AbnormalからNormal経済環境への回帰/為替
当時の予想数値から大幅に修正したエコノミストや、そのまま据え置いている金融機関もあります。(ここで「当たる」「外れる」で各金融機関のエコノミストの優秀さを競っている感が否めませんね。が、いずれにせよ「上がる」ことには変わりないので、中長期投資家は大凡の利上げ時期を把握するのに役立てて下さい)
今回(8/27-31)下旬の予想
下のグレー「Beginning of August survey」が上のブログでまとめている8月上旬時点の予想で、その上のグリーン「End of August survey」が今回の利上げ予想です。注目すべきが9月。上旬には77%だった予想が今回下旬には48%まで下がり、10月利上げが約倍の17%、12月利上げ予想も倍以上の24%となっています。その後(来年以降)の予想数値も上昇しています。
9月利上げ予想:48%
(Bank of America Merrill、Deutsche Bank、JP Morgan、Wells Fargo)
10月利上げ予想:17%
12月利上げ予想:24%(Goldman Sachs、IHS Global Insight、Morgan Stanley、Nomura)
米国利上げ後の新興国債券、通貨、株式はどうなるのか?
その1つの答えは「米国が利上げをすると新興国資産(債券、通貨、株式)が売られやすくなる」です。
そうした米国が利上げをしようとしているこのタイミングにも関わらず、いまだに「ブラジル・レアルの毎月分配型ファンドへさらに投資しようと考えているのですが・・・」というトンチンカンな投資を試みようとしている個人投資家がいますが・・・。まずこのようなレアル建てのファンドや新興国債券ファンドなどへ投資している場合は力になれると思うのでお気軽にご相談ください↓
一言に「新興国」とひとまとめにして語られがちですが、実際どこの国(通貨)が売られやすくなるのか?
新興国資産を考える上ではこれら6つの要素があります。
1.)自国通貨(ドルペグ連動)放棄
2.)潤沢な外貨準備高(自国通貨買い支えの為のドル資産)
3.)低水準対外債務残高
4.)金融政策と低インフレ率
5.)健全な銀行システムと金融規制
6.)財政規律の順守
これらの条件が整っていれば今回の米国利上げへの耐性は強いとされています。これらの条件に当てはめると、インド(ルピー)、メキシコ(ペソ)の耐久が強く、ブラジル(レアル)やトルコ(リラ)が厳しい環境にあると言われています。ただ、それでも既に各新興国通貨の対米ドル下落率は大きくなっています。併せてこちらも確認してみましょう。
※マーケットがクラッシュ中!新興国通貨(特にアジア通貨やブラジル・レアル)のファンドや資産を保有している投資家は要注意!/新興国通貨(レアル・リラ・ルピアなど)
こうした下落水準を見せているにも関わらず、97年のアジア通貨危機のようなクラッシュには繋がりにくいという見方がマーケット関係者の中では多くなっています。(一方私はペシミスト派なので、ここまで楽観的に考えていません。)
なぜなら、
・新興国の借り手は2.6兆ドル相当の国際債務証券を発行し、そのうち75%が米ドル建てで発行
・資本流出による自国通貨安(=インフレ)への対抗策である、新興国利上げ措置が取りにくい経済悪化環境
・外貨準備高の減少傾向
が挙げられるからです。
既に利上げを織り込んだ動きになっているものの(新興国から資本流出→米ドル回帰=新興国通貨安米ドル高)、今回の利上げ後に起こりえるかも知れないショックには事前に大いに備えておく方が良いでしょう。備えあれば憂いなし。
まして米国の利上げが実施されれば、米ドル高要因になるので、各国の?米ドル建て債務?返済負担が高まり、返済や借り換えに支障が出かねないということです。ちなみに新興国を含む世界で米ドル建て債務?合計額は?金融危機(リーマン・ショック前)の20?07年?水準にまで戻ってきてる上、この5年間で米ドル建て債務が50%増加しています。
為替予測は実質的に出来ない(よって、方向感を掴むことが大事)
為替マーケットでは非常に多額の資金が動いているので、一概に「こうだ!」という予測は実質的に出来ないと考える方が良いでしょう。ただ、客観的なデータや傾向、今後の変わらぬ事実からその方向感を掴むことは可能です。
<USD/JPY 20年為替チャート>敢てチャート内で確認できる最も円安水準の1998年(17年前)1ドル=145円台に黒線を引いています。20年という中長期の中であり得ないと思われていた1ドル=80円を割った2011年代、そこから50%近く円安に戻し120円台と・・・「あり得ない」はあり得ないという歴史をよく示しています。
かつては誰もが1ドル=80円割れは「あり得なかった」ですが、結果的に事実あり得えました。つまり、逆に120円が145円を突破することも「あり得ない」という訳ではないと言えます。偉い学者や著名な金融機関に勤めているエコノミストですら、「あり得ない」と思っていたことがあり得るのが為替水準です。
目先で「上げ下げ」に賭けることは(中長期で資産形成を目指す個人投資家にとっては)実に無意味なので、そういう考え方ではなく『仮にこのまま円安になれば円資産が目減りする(=インフレで支出が増える)ので、それを防ぐにはどうしたら良いか?』を考え実行するだけです。(逆にこのまま円高になると考えるのであれば、円資産保有率を上げる必要がありますが・・・。)
まずは2週間後に利上げ決定されようがされまいが、いずれにせよ世界経済は大きく動きます。
(カバー写真:CNN)
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