中国株(上海市場・深セン市場)はバブル??高値を追う2つの要因
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最終更新日:2021/02/10
マーケット全般(株式、債券、為替)
今回はマーケット(世界)で、中国株についてお伝えします。
感情論を抜きにして、個人的には中国経済はあと数年でとてもネガティブな大きな転換点を迎えると予測しているのですが、そんな中直近の中国株は高値を追っています。結果、そのパフォーマンスが大幅に改善しているのは個人投資家であれば周知のことかと思います。
私たちは海外積立投資のポートフォリオにおいても長らく中国株比率の引き下げ推奨をしていますが、昨年からたった1年間で141%上昇と中国株が暴騰しています。
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それでは見てみましょう。
<上海総合指数>
一番上のチャート上海総合指数がここ数ヶ月で急激な上昇を見せています。チャート上で赤線が引いてある2014年11月17日に何があったかと思い返すと、上海市場と香港市場の相互売買規制が撤廃され、香港人投資家も上海(中国本土株)へ投資出来るようになったことです。
青色の出来高を見ても分かるように、急激に出来高も増加している事がよく分かります。そして何とここ2週間余りで中国株式の株式取引量は米国を抜き去り世界一になりました。
おおよそ、上海と深センを合わせた中国本土の株式取引高は、
中国:4,000億ドル(50兆円)/1日(急激に増加)
米国:2,500億ドル(約31兆円)/1日(直近)
日本:250億ドル(約3兆円)/1日(直近の株式が盛り上がっている時のピーク)
と、米国の1.5倍、日本の16倍もの取引高となっている訳です。
上昇の要因の1つは上に挙げた相互取引市場の「規制緩和」そしてさらに今後は深センー香港市場の相互売買規制もどこかのタイミングで撤廃される予定となっていて、その観測がここ数日前にマーケットに流れていました。ただ上海ー香港の相互売買で、実際に盛り上がっているのは上海市場だけで香港市場では期待はずれという事が現地香港でもよく耳にします。
また株式時価総額で考えると、
中国:1,000兆円
米国:3,000兆円
日本:600兆円(東証1部)
と、米国の1/3の規模、日本の1.6倍の時価総額に膨れ上がっています。
では、取引の売買主体は誰でしょうか?(機関投資家、年金基金、個人投資家、金融機関(中央銀行))
中国:個人投資家が90%以上
米国;機関投資家が80%以上
日本:金融機関(日本銀行)が日本企業の大株主になる日も近いほど
要は中国株の上げを牽引しているのは「個人投資家」なのです。短期で回転売買を繰り返し加熱している姿が目に浮かびます。
具体的にどれくらい過熱感があるかと言えば、現在中国本土から香港へ証券口座開設のために訪れる中国人個人投資家がかなりの数いるそうです。というのも去る5/5には中国本土では当局による信用取引の監督強化があり、証券会社各社が信用取引の厳格化したことで上海総合指数は大きく下落しました。そこで香港にある証券会社が本土中国人向けのサービス(トータルコストの安さ)を拡充させようという動きがあるそうです。
中国本土の個人投資家が主に売買を行っているのが上海市場で売買されている人民元建てA株です。実はこのA株はクセモノで中国株押し上げ要因の1つになっています。それは、インデックス発行体世界最大手のMSCI社が「今後、株式指数に中国A株を含めるかもしれない」という憶測があるからです。今現在は香港市場しかMSCIに入っていないものの、仮にA株が組み入れられると、そのような指数連動のEFTや投資信託へ投資している機関投資家やオフショアファンド(ヘッジファンド)、または年金基金の大口のΧが入る可能性が高く、そのようなニュースも中国株高を演出している1つの要因になっています。
・市場間の相互売買規制の撤廃
・指数への組み入れ期待(大口の買い期待)
この2つによって上昇局面にある中国株ですが、いずれにせよ売買代金や時価総額から考えてもバブってるのは容易に想像できます・・・今後の中国関連指標、ニュースには要注意ですね。
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