【マーケット(世界)】今年の流行語は「ゾンビ企業(Zombie firms)」?2008年を越える経済危機に発展か?
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、眞原です。
今回は、マーケット(世界)について。
(出典:PHBS)
どうやら、国際決済銀行(BIS)のシニアエコノミストが、1980年以降の最悪な状況として、
世界14カ国(オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ)の上場企業のうち「12%超」が、ゾンビ企業(Zombie firms)
になっていると指摘しています。
<Zombie firms are on the rise and survive for longer
(ゾンビ企業比率増加そしてより長く生き残り)>(出典:BIS)
BISによる、「ゾンビ企業(Zombie firms)」の定義は「過去3年間連続して、利払いが利益で賄えない状態に陥っている企業」のことだそうです。
そして、検索ワードで「ゾンビ企業(Zombie firms)」がジワリジワリ上昇してきているとの調査も。。
「ゾンビ企業(Zombie firms)」にカテゴライズされる企業は、既に「12%超(上左チャート)」で、これは08年金融危機(リーマン・ショック当時)のゾンビ企業比率「8%台を上回る水準」に上りっている点が要注意ということです。
08年当時の社債のデフォルト率は4.24%だったとのことなので、今のゾンビ企業(Zombie firms)比率から考えると、仮に今後経済危機や金融危機が発生すれば、08年を超える社債のデフォルト率を叩き出すリスクを踏まえているというのを、BISが指摘し始めています。
<Zombie firm dynamics changed in the early 2000s>
ゾンビ企業(Zombie firms)を生み出し、生き長らえさせている主な要因は、
・超低金利経済環境、超緩和的なマネー、容易な借り入れ(= ハイ・イールド債券やレバレッジ・ローンの発行流通が増加)
です。
そうした経済環境化においても「利払いが利益で賄えないゾンビ企業」が、世界中の上場企業の中であちこちに存在している(12%超)という事実は、今後の米国金利の上昇(12月利上げ予想)、それに追随して英国や欧州の利上げなどが起これば、さらにゾンビ企業(Zombie firms)の利払い増加となりうるのです。
米国が利上げをすると、大なり小なりグローバルマーケットにマクロ/ミクロでの影響が生じるのは過去の歴史を見れば誰でも分かります。
経済危機や金融危機は起こるか起こりえないか誰も分からないので、個人投資家が、そのリスクを無駄に心配したり賭けたりしても無意味ですが、少なくともこういった「危機感」をもって、例えばハイイールド債のファンド保有比率を減らしておくなりの事前対応はできるものです。
他には、海外積立投資のポートフォリオで、ハイイールド債ファンドを持っている投資家であれば、スイッチング手続きなどはできますよね?
また、この12%超の中には「中国」は入っていないので、グローバル比率で見ればゾンビ企業(Zombie firms)比率はもっと高いと想定できますね(恐)。
ただ個人的に今後ますます懸念しているのは、「日銀=日本の超金融緩和継続」です。
まさに、最大のリスク。
といううのも、いつまでも日銀が出口なき「金融緩和」を続け、そのぬるま湯で茹で上がりつつある「日本経済、日銀、日本企業」だからです。
仮にグローバルな経済クラッシュが起こった場合、もっともダメージをくうのは、日本だと想定しています。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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