南アランド投資家は要注目の南アが17年ぶりのジャンク債へ
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。
今回は、新興国通貨(南アランド)への投資をしている投資家への情報です。
米格付会社「S&P(Standard&Poor’s)」が、南アフリカを投機的格付けのジャンク級に格下げしました。
南ア外貨建て国債の格付けを「BB+」に格下げ(投機的格付けとしては最上位)、今後の財政状況や景気動向では更なる格下げもあり得ると警告されています。
また格付け見通しとしては「ネガティブ(弱含み)」なものの、ランド建て国債も「BBB」から「BBB-」に格下げされましたが、一応は投資適格水準を保っている状況です。
※主要国の国債格付けと2つの格付け方法(依頼格付けと勝手格付け)/制度・規制・法律・金融政策
この格付引き下げの背景にあるのは、
南アのズマ大統領への辞任を求める声の高まり=政局不安(ポリティカル・リスク)の高まり
です。
世界を見渡しても結局ユートピア(桃源郷)はないので、結局どこの国の政治も安定感はありませんが、南アフリカのような新興国(特にBRICs呼ばれていた国々)については、表向きから政治が腐敗しつくされているという理由からも政治的なリスク(ポリティカル・リスク)が高く、国債格付け、そして為替動向にも大きく影響を与えてきます。
例えば、2016年に大和証券から販売されていたこちらの南アランド建て債券↓
※ビー・ピー・シー・イー・エス・エー(BPCE S.A)2021年10月18日満期 南アランド建社債(南アランド投資はハイリスク・ハイリターン)/外債, 新興国通貨(レアル・リラ・ルピアなど)
大和証券マンも営業力が強いのでこの債券を沢山販売しましたし、投資している個人投資家も多いでしょう。
現状では、この債券が販売された2016年から為替が「ランド高/円安」が進んでいるので為替面でのマイナスは無いと思いますが、今後これらの債券満期までに、仮に今回のような「格下げ」が続くとなると、通貨「南アランド」売りが大きくなり、2016年に付けたJPY=6.9南アランドを下回る可能性も十分に想定しておく必要があります。
<ZAR/JPY 1年間為替推移>

(出典:Bloomberg)
債券投資は、「安定的な金利を取る」という面良い投資ですが、南アランドやブラジルレアルなど「高い金利」の裏には国内の激しいインフレ=通貨安リスク、政治的なリスクが大きく、中長期で投資するには投資する個人投資家のリスクテイクが大きくなることを十分理解しておく必要があります。
むしろ、先進国株式指数を投資対象として、通貨もUSDと安定している通貨で投資する海外仕組債などで金利を取るほうがリスク(上下のブレ幅)を抑えながら「金利を取る」という目的を達成できるのは間違いありません。
新興国通貨での運用をしている個人投資家は、このような格付け動向+政治的な動向をしっかり確認しておきましょう。
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