三菱UFJが国内初の人民元建て債券を発行!人民元(CNY)の存在感が高まる中で個人投資家の判断は?
公開日:
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最終更新日:2021/02/10
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は為替について。
Bloombergによると、三菱UFJフィナンシャル・グループが国内で初めて人民元建て社債を発行するそうです。
個人投資家も投資出来るの?
今回、三菱が発行するのは2年債の適格機関投資家向けの私募債なので、一般的な個人投資家は投資できません。(個人でもプロ投資家は可能)
中国人民元(CNY)と言えば、ここ最近の中国の動き(AIIBやIMFの特別引出権(SDR)の話題など)が目立ってきていて、特にここ数年で着々と国際的な流通貨幣を目指し政治的な動きが拡大しています。
中国人民元(CNY)の変遷
まずは為替推移から確認してみましょう。
<USD/CNY 10年為替推移チャート>
2005年までは固定相場制だった人民元相場ですが、2005年以降対米ドルに対して約25%人民元高になっています。結果、中国の経常黒字(対GDP比)が10%(07年)から2%(14年)に下落し貿易の不均衡の縮小に繋がっています。
そうした中で、中国は着々と世界人民元包囲網を広げています。
例えば、中国系銀行支店で人民元建て決済が可能な地域は、アジア・オセアニアなどでは6都市(シンガポール・クアラルンプール・バンコク・ソウル・ドーハ・シドニー)や、欧州では4都市(フランクフルト・ロンドン・パリ・ルクセンブルグ)、北米は2都市(トロント・サンティアゴ)となっています。今後もこれらの都市は拡大していくことと想定されています。
2015年はIMFのSDRの通貨見直し年なので、中国人民元にとっては非常に重要な1年です。
IMFの専務理事やラガルド理事も人民元のSDR組入にはポジティブで「いつ入れるのか?」に焦点を当てています。その一方で、アメリカ(ルー財務長官)がやや反対気味のままなので軋轢が生まれています。また彼が指摘している点としては「市場が為替レートを決めることを中国が受け入れるのか?」という点です。というのも、人民元相場は中国人民銀行が決める基準値に対する変動幅が設定されている「管理変動相場」で、ドルや円など他の構成通貨が採用する完全な変動相場とは異なるためです。
個人投資家目線での中国人民元(CHY)
先に行われたG7(先進7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議)では「G7は人民元のSDRの構成通貨入りは原則として望ましいものだということで合意した」となっています。となれば、2015年には構成通貨入りか?との期待が高まりますが、まだ技術的な問題が山積なようです。
とはいえ、中国は確実に構成通貨入りをすべく中国政府は、海外証券資産への投資を認める制度の試験的導入、また年内に導入されるであろう香港ー深セン証券取引所の相互取引制度など「資本取引の自由度」をアピールしています。
日本人投資家も例えばHSBC香港口座やHangSeng銀行、特に他の海外銀行口座からは人民元保有や投資が容易にできるようになっているので、通貨分散の1つ(ハイリスク・ハイリターンですが)として今後ますます人民元が普及していきそうですね。
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