「為替1ドル=110円台後半」へ!なぜ世界的に「米ドル高」傾向!?
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、投資アドバイサーの眞原です。
今回は「為替動向(USD動向)と通貨分散の重要性」について。
1ドル=110円台後半へ
まずは短期間の3ヶ月の米ドル日本円の為替推移を確認します。
<USD/JPY 3ヶ月為替チャート>
(出典:REUTERS)
11/8にトランプ大統領誕生が決まってからというもの、あれよあれよと「ドル高・円安」が進行して、1ドル=110円台後半までドルが買われている状況です。
短期的には「円安困る!」と感じますが、まずは短期で考えずに、中期&長期で考えましょう。
1年間の米ドル日本円の為替推移としてはこちら↓
<USD/JPY 1年間為替チャート>
(出典:同上)
よくよく冷静に考えると、2016年年初は「1ドル=120円台」で推移していました。
それが1ドル=100円程度まで「ドル安・円高」となって推移してきましたが、11月のトランプ次期大統領就任を反映して「ドル買い(ドル高)」に転じている状況です。
なので、まだ年初の1ドル=120円から半分戻してきた程度です。
ちなみに、2016年2月時点の日本の金融機関が出している年末の為替状況(予想)がこちら↓
※金融機関の為替相場(USD/JPY)予想一覧(2016年2月時点)/為替マーケット全般
全く「トランプ大統領就任」を予想していなかったアナリストが多かった中でも、たまたま幸運にも彼らの「想定為替推移圏内」に収まっている状況です。
(バークレイズ証券が1ドル=95円予想ですが、現状の為替推移のトレンドを考えるとあり得ないでしょうね。むしろ、野村證券が出している最も強気の1ドル=130円台も十分視野に入るのではとすら感じます)。
やはり中長期で考えても、1ドル=110円の水準から更に「円安になっていく余地」は大きいでしょう。
他の通貨に対しても「ドル高」は進行中、みんながドルを欲している
米ドルが買われている「米ドル高(他通貨安)」の状況は、なにも「対日本円(JPY)」だけにとどまりません。
米ドルの他通貨に対する1ヶ月の動きがこちら↓
<複数通貨 為替推移1ヶ月チャート>
(出典:同上+筆者加工)
「米ドル」が関連する箇所だけ、加工して分かりやすくしていますが、ようは他通貨に対しても「米ドル高」ですという動きの確認ですね。
「米ドルから考える為替の強弱」を考える場合には、以前に私が書いたこちらの記事が好評です↓
※超基礎!為替通貨ペアの見方教えます!(コレさえ読めばUSDを中心に為替を考えられる!)/為替マーケット全般, 資産運用の基礎、Q&A、基礎用語
そして、米ドルの強さ(米ドルが買われている)を示す実例が、対ユーロ(EUR)でもよく分かります。
<1999年以来米ドルがユーロに対し過去最長10営業日連続で上昇中>
(出典:Bloomberg)
つまりは・・・
米ドルを持っている人は全員「資産が増加中」!
ということで、
逆に、ドル資産を持っていない人は
ドル高他通貨安になっている分、貧しくなっている。
ということ。
なぜ「米ドル高・円安(他通貨安)」になっているのか?
単純に言えば、来年から米国でトランプ新大統領が就任するからです。
彼の政策運営を見聞きして、マーケットでは米新政権は「財政支出」をすることで「インフレが進行するだろう」と考え始め、結果「米国債券利回りが上昇」しています(思惑で動いている)。
「米国利回りが上昇する」というのは「米ドル高」に繋がるので、上で確認してきたように「米ドル高円安」や「米ドル高他通貨安」になっているということです。
さらに、「インフレが進行する」ということは、FRB(米連邦準備制度理事会)は「利上げをする」だろうという思惑にも繋がり、実際に12月に行われる金融政策決定会合での利上げはほぼ100%織り込まれている状況です。
なので、
「①トランプ新大統領の政策への期待」+「②FRBの利上げ」
のダブルパンチによって「米ドル高」が進んでいるということです。
まして、「われ先に米ドルが安い時に買っておかないと!!」という思惑からもドル買いが進んでいます。
まとめ:日本円しかもっていない個人投資家
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まず、米ドル資産を持ちましょう(米ドル高円安による円資産目減りのリスクを回避)
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円が下落(円高ドル安)になるということは「輸入物価が上昇することに繋がる=家計圧迫に繋がる」と認識しましょう
-
1ドル=110円はまだ序の口、これから更に「円安になっていく」と認識しておきましょう
「通貨分散」はリスク分散です。
1つの通貨(「日本円しか」)持っていないというのは、リスク100%と意味します。
米ドルを持つと「リスクは50%に分散」出来ます。
まずは、外貨預金でも外貨MMFでも、海外積立投資でも、オフショアファンド一括投資でも、まずは日本円しか持っていない人は「他通貨資産」を持つこと、それこそが最も「為替リスク分散」に繋がります。
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毎月の余剰資金から少額ずつ(100ドルから)の積立をしていくことで、ドルコスト平均法と複利運用を使った資産形成をすることができます。
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