トルコ・リラ債やアムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコ・リラコース)に投資している個人投資家の判断
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気になるホットニュース(妄想・制度・規制), 野村證券
国内ファンド解説
こんにちは、眞原です。
今回は、為替トルコ・リラに関して。
日本人の個人投資家も「トルコ・リラ」関連の債券や投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資している人は多いはずです・・・。
<TRY/JPY 5年為替チャート>
(出典:Bloomberg)
チャートを見ても分かるように、トルコリラがほぼ最安値付近に落ち込み「トルコリラ安/円高」に。
対米ドルでも同じです。直近9日には2016年7月以来の大幅安となり、5年で見ても「米ドル高/トルコリラ安」。
ようは「トルコ・リラ暴落中」と表現しても良いでしょう。
<USD/TRY 5年チャート>
(出典:Bloomberg)
その2016年7月には、
※トルコ・リラ注意報発令中!リラ投信、リラ債券投資家は要チェック!
※トルコのクーデター失敗とトルコリラ資産(リラファンドやリラ債券は要注意)
と情報を発信してきましたが、当時よりももっと状況が悪くなっています。
私のトルコ人の友人(4人)はみな口を揃えて、
「トルコの政治は終わっている」
と嘆いています。
(出典:Newsweek)
さて、今回直近の「トルコリラ暴落(リラ売り)」の背景にあるのは、
・トルコとアメリカの相互でビザ発給を停止(テロに関連して米領事館職員が逮捕されたことがキッカケです)
という政治的な動きです。
西アジア&欧州の間にある「トルコ」において年々「政治的、地政学的なリスク」が高まっています。
一応今晩にはアンカラにて、両国の外交代表団の間で初めて協議が行われるようですが・・・。
ということで、足元「トルコ・リラ」関連の下記のような債券や投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資している個人投資家は戦々恐々「含み損」を多く抱えている状況があるのではないでしょうか?
<トルコ・リラ建て債券>
※フィンランド地方政府保証機構保証付 フィンランド地方金融公社 2020年4月満期 トルコリラ建債券(仮条件)(8.29%/年)
※ウォーター・ボンド アジア開発銀行 2019年8月15日満期 トルコ・リラ建債券(9.10%/年)
※ウエストパック・バンキング・コーポレーション2018年8月16日満期 トルコ・リラ建社債(8.58%/年)
※グリーンボンド世界銀行(国際復興開発銀行)2018年5月満期トルコリラ建債券(8.29%/年)
カントリー・リスク、地政学リスク、政治的リスクが大きいからこそ高金利であるという「トルコ・リラ」の高い金利水準を謳い文句に、これまで証券会社が営業攻勢をかけ売りに売っていた「リラ建て債券」です。
そもそも新興国通貨なので、貰える債券の金利以上に結果的に為替(リラ)のボラティリティ(上下ブレ幅)が大きすぎハイリスク・ハイリターンになるのは言うまでもありません。
これらの債券に投資している個人投資家は、残念ながら満期まで我慢して保有し続けることになるでしょう。
というのも、これらの債券の「売買」は相対取引なので、特に売却しようと思うと「叩き売り(言い値)」での売却にならざるを得ません。
かと言って、満期までに急にリラ高(為替差損が縮小していく)になっていくとは思えませんが、敢えて売却してとりあえず大きな損切をする必要はないと個人的に思います。満期を迎える頃に改めてどうするか考えると良いでしょう。
<投資信託(ミューチャル・ファンド)リラ・コース>
※アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコ・リラコース)(出典:ファクトシート)
【基準価額】4,295円
【純資産総額】1,103億円
【分配金累計額】11,110円
【分配金/月々】60円
7年間の運用で分配金込みの場合には年間平均リターンで6.3%、分配金も2017年4月時点まではタコ足分配になっていないのは評価されて良いでしょう。
かと言って、トルコ政治&通貨の情勢的に悪いのは言うまでもないので、早めに利益確定の売却をする方が良いと思います。
同ファンドは今後も地政学リスクに引っ張られて、基準価額が下落する傾向にあるでしょう。
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