富裕層2万人への課税強化10の選定基準−The Stream of Tax The Rich−
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
富裕層の資産運用
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は、年末ということもあるので2015年に国税当局が動いた「課税強化」方針の再確認をしてみたいと思います。
富裕層資産をこれ以上海外へ逃がさない為の施策
既にマイナンバー制度については、私のブログ記事で度々記載している通りですが、
※さぁ10月!いよいよ「マイナンバー」通知開始!〜資産把握≒増税+デノミ+預金封鎖への道〜/制度・規制・法律
思い返すと、今年1月には所得税や相続税の最高税率を引き上げ、7月からは有価証券1億円以上の保有者が海外移住をする際には「出国税」なるものが導入されています。国の借金が1,000兆円を超えると言われる中で消費増税のみならず「(富裕層など)取れるところから取る」という姿勢が鮮明に見えています。
※富裕層を狙い撃ちの「出国税」スタート!網を張り、富裕層日本人を国外へ出さない仕組みで、ガラパゴス化を促進中!/制度・規制・法律
また国税庁は「個人課税事務提要(事務手続編)」という職員向けの税務調査マニュアルを作成しています。この中で、「大口資産家」の選定基準部分は「正確な事実の把握を困難にする恐れがあるから」という理由で「黒塗り」非開示だそうです。
「大口資産家」の主な10の選定基準
主な選定基準がこちら
1.)有価証券の年間配当4,000万円以上
2.)所有株式800万株(口)以上
3.)貸金の貸付元本1億円以上
4.)貸家などの不動産所得1億円以上
5.)経常所得合計が1億円以上
6.)譲渡所得及び山林所得の収入金額10億円以上
7.)取得資産4億円以上
8.)相続などの取得財産5億円以上
9.)非上場株式の譲渡収入10億円以上、または上場株式の譲渡所得1億円以上かつ45歳以上の者
10.)継続的または大口の海外取引がある者、または上記1〜9の該当者で海外取引がある者
(日経新聞調べ)
当てはまる方は「大口資産家」として、当局にデータベース(個人調査ファイル)が作られ、資産状況や資金の流れが厳密に管理されていると認識しておくべきでしょう。
逃げる富裕層、追う当局という二項対立
まず、日本という国は「富裕層(財を成した人たちや富を引き継いだ人たち)」に対して全く寛容ではなく、むしろ「富裕層からATMを使うがごとく税金を取る」という姿勢がアリアリと見えています。
また、各税金(相続税や贈与税など)は日本では存在して当然と思っている人がほとんどですが、いざ世界やオフショアエリアに目を向けると相続税や贈与税が存在しないという国や地域が多数存在します。
せっかく一般的な務め人(サラリーマン)とは違って、「自らリスクを負って、努力をして、その結果として富(資産)を作り上げた企業経営者(オーナー)、幼い頃から必死に勉学に励み続け医学の道を拓いた開業医、幸か不幸か多額の資産を引き継ぐ運命で生を授かった御曹司や地主の跡取り」など、自らの資産を守り、後世に引き継いでもらいたいと考えるのは当たり前にも関わらず、日本の場合「相続した財産は3代経てば国に税金で全部持っていかれる(召し上げられる)」という話は良く耳にしますね。
既に「資産フライト」という言葉は形骸化している側面もあり(実際、多くの資産フライトが行われたのは2006年頃以前)、その第二陣、第三陣が遅れて慌てて海外へ資産を逃避させている動きもありますが、これも「国外財産調書制度」にて包囲網を狭めようとしてきています。
※2014年国外財産調書結果−ジャパンリスク回避に向けて富裕層の富は国境を越える/制度・規制・法律
これからもこの課税強化の流れが国際的に強まるものの、歴史を辿れば当局と富裕層による「イタチごっこ」はありますが、法律や制度、規制を作る側は合法的に「(彼らが用いる)穴」を用意しているのは間違いないので、必ず「穴」は存在するということでしょう。
(カバー写真:REUTERS)
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