超基礎!今さら他人に聞けない「円安」と「円高」そして「通貨分散」
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金融・資産運用の用語
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。
今回は、資産運用の超基礎でもあり基礎用語でもある「円安」と「円高」と「通貨分散」について。
(出典:REUTERS)
円安・円高は「円の価値」の上下を表す
よく海外旅行へ行く人であったり、貿易関係の仕事に携わっている人、オフショア投資(海外投資)をしている個人投資家であれば馴染み深い為替変動について、時折「真逆の解釈」をしている人がいるので改めて確認してきましょう。
そもそも「円安」や「円高」という為替レートは、外国通貨(今回はUSD(=米ドル))と較べて、
・「円の価値」が下がる事を「円安」
・「円の価値」が上がる事を「円高」
と言います。
例えば、昨日は1ドル=115円だったけれども、今日は1ドル=110円になっていれば、
「円高」
になったと言います。
この場合、同じ1ドルの商品を購入するにも、今日は「5円安く買う」ことを意味しています。
つまり、円の価値が、米ドルに対して「高くなった」ので、「円(が)高(い)」ですね。
逆に、昨日は1ドル=115円だったけれども、今日は1ドル=120円になっていれば、
「円安」
になったと言います。
この場合、同じ1ドルの商品を購入するにも、今日は「5円高く買う」ことを意味しています。
つまり、円の価値が、米ドルに対して「低くなった」ので、「円(が)安(い)」ですね。
相対的な「通貨の価値」が高いか低いかで「円安」「円高」と表現します。
円高と円安どちらが良い?
一概には言えないものの、貿易関係会社(輸出入業者)の立場になった考えると分かりやすくなります。
細かい事は除いて「円高」になれば、輸出業者(例えばトヨタ自動車など)はマイナスに働きます。
逆に「円安」になれば、「輸出業者」にとってはプラスに働きます。
輸入業者はこの真逆ですね(円高であればプラス、円安であればマイナス)。
具体的に、アメリカ国内で自動車を1台あたり、1万ドル(USD10,000=約115万円)で販売していたとします。
現在1ドル=115円なので、円換算すれば1台=115万円で売れていた自動車ですが、
1ドル=100円という「円高」になってしまうと、1台あたり100万円に下がってしまい儲けが15万円少なくなってしまいます。
一方、1ドル=130円という「円安」になると、1台あたり130万円に上がるので儲けが15万円多くなります。
これが為替変動による「差損益」です。
「日本円」資産しか持っていない人にとって「円安」はマイナスでしかない
ここまで読み進めて「円安」と「円高」について何となく分かった人は、冷静に自分の資産を確認してみましょう。
・預貯金=紛れもなく円資産
・株式=日本株であれば、円資産
・投資信託(ミューチャル・ファンド)=円で投資している以上は、円資産
・不動産=国内不動産であれば、円資産
・保険=円受取であれば、円資産
・貰っている年金=円資産
ざっとこのような「円資産がほとんど」という人が圧倒的でしょう。
上で確認した通り、仮に「円安」になっていけば、輸出業者とは逆に「輸入業者」にとってはマイナス要因になるのは分かりますね?なぜなら、円安になればその分、輸入した商品のコストが高くなるからです。日本経済(身の回りのものは「輸入品」ばかりです)。
その円安になったコスト分を誰が支払うのか?と言えば、最終消費者の皆さんになります。つまり、輸入業者なり小売業者が最終商品の価格を値上げしたり、もしくは商品の中身が少なくなったりします(要は実質的な「値上げ」)。
2015年夏には「味の素」が値上げされたのが記憶に新しいのではないでしょうか?
※味の素を7年ぶり値上げ!実質賃金が上がらず物価が上がるという悪いシナリオへ進む日本経済。必ずやってくる老後資金の確保をしていますか?/為替マーケット全般
もちろん、これらの円安コスト(最終商品価格)上昇以上に、勤め人は自分の年収が殖えていけば何も問題ありませんが、実際そうではないのが現実です。
また、年金受給者は、マクロ経済スライド発動(物価上昇に従って年金額削減)によって年金受給額が減る仕組みも導入されるので何も良いことはありません。
言うなれば、日本円しか持っていない人は「円安」でマイナスを被る可能性の方が圧倒的に高いということです。
通貨(為替)は分散することでリスクを抑えられる
「円安や円高に左右されたくない」
「仮に今後さらに円安になっていって貧しくなりたくない」
と考える人は「通貨分散(米ドル資産など)」を持つより他にありません。
為替はシーソーです。2015年末〜2016年年初は1ドル=120円台を付けていた日本円米ドルの為替水準で、(細かい話しを省いたとしても)今の115円台からはまだ円安にブレる、つまり円資産価値下落(目減り)になっていく可能性が高いでしょう。
※今後の米ドル日本円の為替ってど〜なるの?通貨分散はリスク分散!/為替マーケット全般
イチに分散、二に分散。円安リスクに備えて、今からでも「米ドル資産」を持つことは何も遅くありません。
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