「アジア好利回りリート・ファンド」から「グローバル・ロボティクス株式ファンド」への乗り換え販売提案をされているがどうでしょうか?
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は実際に弊社クライントから頂いたご相談をこちらで紹介したいと思います。
<Q.>(男性・82歳)
現在、500万円を「アジア好利回りリート・ファンド」に投資しているが、250万円を一部解約して、新たに「グローバル・ロボティクス株式ファンド」への乗り換え販売提案をされているがどうでしょうか?
<A.>
まず、投資ヒアリングシートへご入力頂き、ありがとうございます。
※『投資ヒアリングシート』についてはこちら(無料)
〇〇さん目標リターンや投資可能金額を伺えていないので、この投資信託(ミューチャル・ファンド)と現在の投資額が適正かは現時点では判断しかねますが、〇〇さんのご年齢と資産内容(アジア・リート)から考えるとハイリスク・ハイリターンな運用先に投資されていると判断できます。
まず商品性などについては私がまとめているこちらのブログURLをご一読ください。
※「アジア好利回りリート・ファンドの分配金」について/資産運用Q&A
その当時のファンドの状況としては、
【基準価額】11,563円(2015年7/1時点)
【純資産総額】3,167億円
【分配金/月々】200円
【分配金累計額】8,750円
また、〇〇さんもご確認されていると思いますが、直近のファンド側のレポートがこちらです。
※『アジア好利回りリート・ファンド』月次レポート
【基準価額】8,192円(2016年6月時点)
【純資産総額】2,547億円
【分配金(月々)】130円
【分配金累計額】11,150円
私が当時ブログでまとめた2015年7月から約11ヶ月間経過していますが、その間に基準価額は3,371円下落しており、その間に受け取られている月々の分配金合計は2,200円(2012年7月~2016年5月までの11ヵ月間(200円))です。
つまり分配金を出しているにも関わらず(単に本当のリターンから分配金が出されているのではなく、過去のリターンからの取り崩しになっているため)、真のリターンとして〇〇さんの運用パフォーマンスに繋がっていないことがよく分かります。つまりアジア・リートというハイリスク・ハイリターン資産で運用しているにも関わらず、それに見合うリターンが上がっていないということです。
確かに、〇〇さんのご年齢としては年金プラスアルファとしてという理由で毎月分配金を必要とされるかも知れませんが、それは本来のリターンから出ている運用益を必要とされるのであって、このように運用はしているものの、結果単に取崩しになっている状況であれば、例えば月々一定金額をご自身で預貯金から取り崩すのと何ら変わりません。
また、「グローバル・ロボティクス株式ファンド」への乗り換え販売提案についても全くオススメできません(証券マンor銀行員の手数料稼ぎでしょう)。
同じようにファンドの詳細から確認します。
グローバル・ロボティクス株式ファンドが新規組成、販売された2015年8月当時に私がブログ記事でまとめています。
※『グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型/年2回決算型)/SMBC日興証券』
その当時のファンドの状況としては、
【基準価額】10,000円(2015年8月)
そして、こちらは証券マン(or銀行員)から提示されている月次レポートだと思います。
※『グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型/年2回決算型)』月次レポート
【基準価額】9,442円(2016年6月時点)
【純資産総額】3,453億円
1年あまりで純資産総額は約3,400億円程度と大きなファンドになっているものの(※規模が大きい投資信託が必ずしもパフォーマンスが良いという訳ではない)このファンドのリターン(基準価額推移)としては2016年になってから下落し続けています(設定時の基準価額10,000円すら越えない状況)。
きっとこのファンドの状況を「今、基準価額が安く「今後ロボット産業は伸びる」からタイミングも良いので投資しましょう」というのが証券マンや銀行員の常套句かと思いますが、これまでの運用状況を見る限り、決して運用が上手いファンドではないなという状況です。
ですのでわざわざ、アジア好利回りリート・ファンドを損切りをした上で、さらにこのような運用が下手な投資信託(ミューチャル・ファンド)をオススメしている合理性に掛けている販売提案だと思いますので私は全くオススメしません。
〇〇さんの目標リターンを伺っていませんが、リスク(上下のブレ幅)を抑えて運用される方が良いのは間違いありません。
例えばもし3~5%程度のリターンを年間目標とされているのであれば、今投資されているアジア好利回りリート・ファンドや販売されそうになっているグローバル・ロボティクス株式ファンドは、その目標には沿っていませんのでご注意ください。
※『運用目標リターン金額(年間平均リターン目標)を決めること/資産運用の基礎』
投資アドバイザー
眞原 郁哉
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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