『もし私が政治家で今の年金制度をカタチ上で維持させるとしたら(もし年金!)』〜100歳以上の高齢者が6万人超で少子超高齢化社会の日本!〜
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最終更新日:2021/02/09
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こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
来週9/21日は「敬老の日(Respect for the Aged Day)」ということで、年長者を敬いましょうという日です。さて、そんな敬老の日を前にして先日、厚生労働省から「100歳以上の人口発表」がありました。
先進国でダントツの高齢化社会で生きる日本人は諸外国の反面教師
9/1時点で100歳以上の高齢者が6万1,568人(過去最高)で、
内訳が
男性:7,840人
女性:5万3,728人
ということのようです。去年より2,748人増加で初の6万人超えという人口動態のようです。まさに長寿国、日本です!先進国でここまで高齢化が進んでいるのは日本がダントツなので、今後の日本の社会の変様や社会保障維持、増税などの決断について諸外国は間違いなく反面教師にしていることでしょう。
さて少子化が進む中でも高齢者の増加は今後も引き続いていきます。(特に団塊の世代(47〜49年ベビーブーム世代(654万人)は完全に退職期を迎えているので)が2025年に75歳以上に突入していきます。)そうした中「年金制度」がどうなっていくのか?という点が、どの世代にも共通する関心事ではないでしょうか?それを財務省が分かりやすく示してくれています。
人口動態は基本的に変わらないので(大災害、大飢饉、戦争などが起こらない限り)、この表が示していることは間違っていないでしょう。2025年なので今から10年後ですが、皆さんは何歳になっていますか?2025年の日本社会では65歳(高齢者)が3,657万人いることになります。
実際、その「高齢者」の年金を支えるのが18歳〜64歳までの現役世代なので結果的に1人を1.8人で支える計算になるようです。今後、人口が減っていくので下の世代は、ますます支えてもらえる下の世代の人が少なくなります。どこかのタイミングで1人を1人で支えるという時代になるでしょうれど、今の政治家がそこまで考えて今何かしら施策を打っている訳ではないでしょう。(まともな打開策を示していない)
この人口動態は揺るぎない客観的な事実なので、世代間において「年金受給額」が変わるのは当然なのです。
※特に40代以下世代で年金制度を信じられない人が老後資金を備えた方が良い理由〜GPIF(年金基金)大損の可能性〜/みんなの年金問題
今の現役世代が年金を受給する頃に「なんでこんなに少ないの!」と嘆いても仕方ありません。現時点で十分想定内ですし、そもそもこのような人口動態なんてとうの昔から分かっているので「今の年金制度、マズイな」なんてことは政治家や年金制度を勉強している人、金融や経済をかじっている人なら誰でも分かっていることです。
もし私が政治家で今の年金制度をカタチ上で維持させるとしたら(もし年金!)
『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』のように『もし私が政治家で今の年金制度をカタチ上で維持させるとしたら(もし年金!)』のように考えてみたいと思います。本当の政治家や官僚のお偉い皆さんが行う素晴らしい行政とは大いに違うとお叱りをうけそうですが(苦笑)!!
1.)「高齢者(65歳以上)」の定義を変更する、例えば75歳以上を高齢者と再定義などへ。
冒頭で確認したように「100歳以上人口増加=長生きする」なので、今後の議論として「そもそも今まで65歳以上を高齢者扱いしていたのは失礼だ!」や「足腰もピンピン、アタマもしゃっきりしている65歳以上でもまだまだ現役だ!!」という議論を湧き起こさせて、高齢者の定義を丸々変更してしまう、というのは政治判断としてあり得るのではないかと思います。(かつての後期高齢者医療制度しかり)実際そのような話を見越してか、年金受給年齢を自由選択制で75歳からにするような議論も過去の自民党内ではあったようです。
※「高齢者」の定義って何歳??(年金受給年齢の繰り下げ)/みんなの年金問題
高齢者の定義を変更してしまえば、国としては年金支給年齢を引き上げることになるので何とか今の年金制度をカタチ上維持できますね。
2.)現役世代の社会保険料(収めるもの)をさらに増額していく。(でも、受取る金額は少なくなっていく。)
現実問題として既に社会保険料(収めるもの)は増加傾向にありますが、高齢者が増加する社会において社会保障給付額も増加傾向にあるので、結果的に「出るものを抑えるか、入ってくるものを増やすか、またその2つを同時に行うかという選択」になってきます。
「給付額」のグラフは見事に右肩上がりです。高齢化が進む以上は当然でしょう・・・。これを賄うべく、ますます増税に動かざるを得ません。そして現役世代の懸念事項として収めた分がちゃんと返ってくるなら良いのですが、結果的に上のブログで確認した通り40代以下の世代は「収め損」の可能性が高いとうことでしょう。それでも10月から始まるマイナンバー制度があるので皆の資産をあらゆる側面から把握して「取れる所から取る」、その結果、現役世代から多くを回収して年金での払い戻しを少なくすれば、今の年金制度はカタチ上維持できますね。
※マイナンバー制度と銀行預金情報の紐付けが成立!国民の資産把握が着々と進む?/投資と社会事情の関係
3.)GPIF(年金基金)の運用パフォーマンスを底上げして年金支給額(給付額)を増やす
これは既に今の安倍政権が率先して行っていますね。しかしながら高値の日本株式(TOPIXや日経平均)をここぞとばかりに買い漁っているので、パフォーマンス改善よりもむしろマイナス計上しているのじゃないか?と不安になるそうですが、これはGPIFの運用担当者やマーケット次第なので大いに期待するしかありませんね。
※日銀やGPIF(年金基金)の日本株がマイナスになれば誰が責任を取る?/みんなの年金問題
GPIFの運用が上手く行けば・・・今の年金制度はカタチ上維持できますね。
むしろ「年金(とプラスアルファの老後資金準備)は自分でやってね」のメッセージを発すればよいのでは?
「年金で老後が安心です!」というようなプロパガンダを発して、それを信じて「年金しか」納めていない現役世代の日本人が圧倒的かと思いますが、それだけでは明らかに「足りない」と思います。
年金制度が破綻するしないという不毛な議論はどうでも良いのですが、国はむしろ「年金は減るかもしれない(=実質40代以下は減るのでしょうけれど)」というようなメッセージを発して「だから自分の自助努力で資産形成してね」というくらい、個人一人一人に丸投げしない限りは、特に40代以下の日本人で「下流老人(この言い方が正しいかどうかは別として、老後貧困に陥る)」への道を歩む人が圧倒的に増加するような危機感を感じます。
中途半端に「老後は年金に期待しよう」のようなメッセージを受け取り続けている以上、自発的に資産形成に動く40代以下の人は少ないでしょう。ましてサラリーマンの人は自分でリスクを取らずに「会社がなんとかしてくれる」「国がなんとかしてくれる」という「おんぶに抱っこマインド」が染み付いている人が比較的多いので、退職後(老後に)非常に困ってしまいます。
一方、経営者や自営業、士業の人は「自分でリスクを取っているので、結果自分で事業投資をしているし、資産運用をしているし、自分で調べて海外積立投資を始めているし」と老後への備えを随分前から始めています。この違いは「国や年金を信じる信じないではなく、万が一があっても良いように(おんぶに抱っこではなく)備えておく」というマインドの違いがあります。
高齢化は止まりません。少子化も止まりません。人口減少も止まりません。
自分の年金や年金プラスアルファ(退職後資金)は自分で何とかするしか無いという現実的な問題から目をそらさずに、いち早く気付き資産運用を始める行動まで起こす方が自分の老後(退職後)にとっては間違いなく良いはずです。
(カバー写真:NHK)
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