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ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)

公開日: : 最終更新日:2021/02/10 日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF

こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。

今回は大和証券から販売され純資産総額が大きな老舗ファンドの一角である『ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)』の情報です。リートファンドに投資している個人投資家は多いので今後の状況を捉える参考になればと思います。

まず基準価額や現在の状況から確認してみましょう。

現状確認

ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)
Screen Shot 2015-06-12 at 15.18.21【基準価額】:6,394円(6/11時点)
【純資産総額】:7,608億円
【分配金/月々】:100円
【分配金累計額】:9,280円

2004年からの運用なので11年間で年間平均リターンは4.1%程度で推移しています。

ポートフォリオ内容

Screen Shot 2015-06-12 at 15.21.12ファンドの名前の通り、典型的な米国リートへ投資するファンドです。
足元の米国の経済回復と住宅市況の回復、また個人消費動向の回復などリート市況にとってポジティブな要因が多く、本来であれば良い運用ができているファンドです。

何が問題か

純資産総額が7,600億円と大きな規模を持つファンドですが純資産総額総額が大きいからと言って必ずしも「投資家に取って良いファンド」とは言えない典型例でしょう。今後の推移も含め、理由は大きく3つ。

1.)月々の分配金がタコ足(元本払戻金)

まず分配金の多さや少なさは資産運用において全く関係ありません。
毎月分配金を楽しみにしている個人投資家が多い日本ですが、実際にその分配金がリターンから出されているのかどうかというのを確認した上で投資をし続けるかどうかを確認しましょう。

まずこのファンドは現在月々100円の分配金を出していますが(理論的に言えば)年間18%のリターンを上げてようやく出せる分配金水準です。リートポートフォリオ特性(配当利回り)で3.3%なので、このファンドは少なくとも15%程度は為替差益や他の要因からリターンを上げることになります。実際そんな運用ができている訳もなく過去のリターンからの取崩をし続けているだけです。

2.)運用期間に対してリターンが低く投資効率が悪い

目先の毎月の分配金のみに目が行く個人投資家はトータルリターンという考え方ができない人が多いです。「分配金=毎月のファンドからのリターン」ということは必ずしも言えないので注意が必要です。このファンドの場合、11年という長い期間運用され老舗リートファンドとしての地位を確立していますが、運用開始から見ると年間平均リターンは約4.1%に過ぎません。リートというハイリスク・ハイリターンな資産に投資をしているにも関わらず、このリターン水準なので投資効率が悪いでしょう。(リターン結果は、外債などで金利を取る運用と変わりません。)

個人投資家が改めて考えた方が良いのは「2度と戻ってこない時間に対して、どれだけリターンを上げられているか?」や「資産全体から同じようなリスク資産に偏っていないか」です。

3.)今後の米国利上げに対するリスク(ボラティリティ=ブレ幅)の高さ懸念

現在マーケットで最も注目されているテーマが「米国はいつ利上げするの?」です。

※米国の利上げはいつ?について(3月時点)

上のブログ記事は3月時点なのでまたアップデートした内容をこのブログで情報発信しますが、現在マーケットが考えているのは9月ないし10月の利上げ、遅くとも12月の利上げ予測です。つまり「2015年内には1回もしくは2回の利上げがある」とマーケット関係者は考えています。

となれば「リート市場やこのファンドに投資している個人投資家への影響は?」と心配になりますよね??

結論としては「ネガティブ」です。理由は大きく2つ。

A.)リートの銀行借り入れコスト(支払い利子の増加)に伴い、収益が低下、結果REITの分配金が減少し、リートそのものの投資魅力が減少するため。

B.)債券金利が上昇する結果相対的にリートの魅力が減少して、投資家はより有利な資産に資金を振り向けるため。

リートファンドへ投資している個人投資家の判断は?

もし仮に私がこのファンドへ投資していれば8月までにはポジションを解消します。(解約する)というのも。ファンドのリターン水準がイマイチなのも含め、米国利上げに伴うリスク(ボラティリティ=上下のブレ幅)が大きいと考えられるからです。

またリート資産や新興国資産(ブラジルレアル、トルコリラ、南アランド、インドネシアルピア)などのファンドや債券へ投資している個人投資家はリスクを過度に取り過ぎているので、これらのポジション解消は資産全体のリスクを引き下げる効果になることは言うまでもありません。

ファンドそのものの良し悪しも大切ですが資産全体から考えて、またマクロ経済的に「重要イベント」が発生する時にどうなるのかをシミュレーションしつつ、中長期でリスクを抑えてながら運用できる資産をもちましょう。



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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。

過去10年間に渡り年間平均10%以上のリターンをあげている海外の投資情報を、実名を用いて載せています(日本には存在しないファンドです)

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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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