【オピニオン】環境活動家 16歳のグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) 「 変化をもたらすために未熟すぎるなんてことはない(No One Is Too Small to Make a Difference)」
公開日:
:
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
こんにちは、眞原です。
今回は、My Opinionについて。資産運用の話とは離れますが・・・。
〜前置きとして(読み飛ばしてもらって大丈夫ですが)〜
今月も終わりに差し掛かっていますが、10月にも関わらず大型台風(19号)が日本列島に大きな被害をもたらし被災後の不自由な生活を余儀なくされている被災者の方々も多いことでしょう。また、亡くなられた方や、家屋浸水による被害で、これまでの生活から人生が一変してしまった方々も多いはずです。
私は台風被害にはあっていませんが、振り返ると1995年阪神淡路大震災を神戸でインフラが半年近く停止した経験(寒い中、川の水を汲みに行ったり、日常品を買うために長時間スーパーで行列に並んだり、プレハブ校舎で勉強したりしたことがあります)。また、2011年東日本大震災では埼玉県にいたので直接的な被害はあいませんでしたが、計画停電という(今思えば全く意味が分からない)政策エリアだったので、昼夜は非常に常に布団に包まってロウソクを灯して過ごした日々を経験しています。
日本は歴史的に見ても、災害が多い国、地域で、だからこそ治水や防災対策、インフラ政策が進んでいます。
それでも年々、頻繁に起きる「何百年に一度」とか「何十年に一度」という大災害が、日本のみならず、地球規模で発生しているということは、私たち一人ひとりが体感していることではないでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、本題です。
私の上の話はどうでもよくて、今回取り上げたいのは「環境問題」と「16歳のスウェーデン人の女の子」。
これだけ歴史的にも災害が起きている日本国内において、ワイドショー化していて、「本来、ディスカッションを重ねるべき大事なトピック」についてTVや新聞報道ではまともに報じられず、
むしろ国際的に見て的外れで批判論を目にする、
「16歳の環境活動家 グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さん」
についてです。
(出典:Wikipedia)
実は私もまだ読み切っていませんが、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんの著書を読んでいます。
70ページしかなく、英語版のみですが、スェーデン人の彼女が書いているからか、かなり平易で読む気さえあれば日本人の中学生英語レベルで誰でも読めます。
本のタイトルを日本語でいうと
『変化をもたらすために未熟すぎるなんてことはない』
ですかね。
“NO ONE IS TOO SMALL TO MAKE A DIFFERENCE”
− Our Lives are in Your Hands
− Almost Everything is Black and White
− Unpopular
− Prove Me Wrong
− Our House is On Fire
− I’m Too Young to Do This
− You’re Acting Like Spoiled,Irresponsible Children
− A Strange Would
− Cathedral Thinking
− Together We are Making a Difference
− Can You Hear Me?
著書における彼女の世界への見方やメッセージ主張は、
『科学的な行動を!パリ協定の遵守を!そのために、二酸化炭素を大量排出する化石燃料の使用停止を!』
と実にシンプルです。
私自身、彼女にも興味をもって今もアレコレ調べていますが、同様に彼女の「両親」と「彼女への教育」にも関心を持ちました。
どうすれば、こうした「グローバルリーダー」に育つのか?、と。
Wikipediaから引用すると、
2018年後半に、トゥーンベリは学校での気候変動のストライキとスピーチを開始し、彼女は国際的に認められた気候変動活動家になった 。
彼女の父親は彼女が学校欠席が好きではないが「(私たちは)彼女が立ち向かうのを望んでいることを尊重する。彼女は家に座って非常に不幸になるか、抗議して幸せになるかどちらかである。」と言っている。
トゥーンベリは、彼女の教師が、彼女が主張をするために、彼女のクラスの欠席についての彼らの見解で分かれていると言いっている。「人々は私がやっていることは良いと思うが、教師は私がやめるべきだと言う。」と彼女は言っている。
とあります。
日本国内で、こうした日本人の16歳の女の子が、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんのような「主張」をして、応援できる、そうした「教育」ができる親(私たち)が、どれほどいるでしょうか?
日本の家庭教育、学校教育はどうでしょうか?
少なくとも、私が受けてきた教育は、
ー 同じレールの上でなければいけない
ー 大多数のオトナが作ったルールを遵守させる
ー 大多数とズレたことを尊重して伸ばさない、叩く、へし折る
ー 自分の意見をはっきり言ってはいけない、空気を読む、年長者は正しい
という、今思えば私は「間違いまくりの教育(と私は思っている)」しか受けてきませんでしたが、同じような教育システムで金太郎飴を量産する今の日本の家庭教育や学校教育を受けていき、将来の日本社会において、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんのように強い信念をもった「主張」を強くできる今の子どもたち、そして真の大人たちはどれだけいるでしょうか?
まして、どこの世界、業界においても、
「必ず否定していくる人たち」
はいるもので、
「彼らの正義」と「私の正義」が違うから
というのは悲しいかな、現実問題で「批判/否定してくる」理由に挙げられる大半の「セイギ」は、その人のイデオロギー、政治的であったり、私利私欲(名声や金儲けのポジショントーク)、インナーサークルにいるメンバー同士の連帯が優先されるから起こっているように感じます。
この16歳の環境活動家 グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんは、先月のスピーチで猛烈に怒っていました。
怒り部分のみはバズっていたので、この動画を見たことがないという人は、よもや少ないと思いますが・・・、
(出典:YouTube/ハフポスト日本版)
”大絶滅を前にしているというのに、あなたたちはお金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。よくもそんなことを”
グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんのスピーチは、
− 直接的なメッセージ(オブラートに包む婉曲的且つ大人な言い回しは無し)
− 今を生きる「何もしてこなかった口だけの」オトナたち(政治家、企業家、科学者)への批判
− 若者たち(彼ら10代)への啓蒙
を受け取れる内容です。
これを受けて、国内外から「(特に態度について)批判」にさらされています。
特に、匿名ツイッターアカウントなどから(↑のYouTubeでも同様ですが)、
”オトナのフリをした(マインドが)こども”
たちが、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんのスピーチを聞き、「自分たちオトナを否定されいてると勘違いし」、批判をしている傾向が強いのです。
まさに以前に
【香港ライフ】日本人の僕がなぜ「平和的な」香港プロテストを支持するのか?〜自国や他国の政治に無関心な大多数の「大人ぶってる日本人」〜
で書いた『(年齢ラベルだけが)大人で、思考やイデオロギーは学んでいないから10代でとまったまま」のオトナもどきが多い』とダブります。
一方で、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、
「私の世代は気候変動の劇的な課題に適切に対応できていない。これは若い人たちに深く感じられている。彼らが怒っているのも不思議ではありません。」
などと述べグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんを支持しています。
そんなグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんが今日「大変に名誉なことと謝意」を述べた上で、
「”The climate movement does not need any more awards”
地球温暖化対策を求める運動に、これ以上賞は必要ない」
と述べ環境問題への取り組みを称える国際的な環境賞と賞金35万クローネ($52,000/約520万円)の受賞を断りました。
(出典:The Guardian)
日本のメディアが全然報じないという件でいうと、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんのこの怒りの動画が撮影された9月『国連気候アクション・サミット2019』において、サミットには、日本企業(金融機関など)も参加しているにも関わらず、国内における「サミットでのコミットメント内容」の報道トーンが全然上がっていないからです。
採択されてアクションになっているのは、
− 世界主要機関投資家515機関(運用額合計3,770兆円)がサミットに参加する各国政府に対し注文をつける共同宣言(パリ協定で各国が自主的に宣言したCO2の削減目標が不十分なので、2020年までに削減目標を引き上げること。また政府政策を全てパリ協定と整合性のあるような内容)
機関投資家12機関(保険世界大手アリアンツやスイス再保険など:運用額:260兆円)は同日に、投資先企業に対してビジネスモデルの脱炭素化を求めるエンゲージメントを開始。
– 世界131銀行が自主的に署名(銀行の融資が、環境や社会にどのような影響を与えているかを自主的に測定し公表していく「国連責任銀行原則」)
– 銀行35社による「気候アクションに関する集団的コミットメント(CO2排出量の多い融資先に削減するよう求めるか、CO2排出量の多い企業への融資をやめるかのいずれか)」
つまり、
企業経営者(グローバル企業であろうと、なかろうと)は、
環境気候対策
を重視して環境課題を解決しながらも「事業拡大」をしていく時代になっているという認識を持たないといけないという話です。
つまり例えば、銀行融資は、そういった「きちんと環境を守り配慮し実際に行動まで落とし込んでいる企業」に融資の割り振りがされるでしょうし、同じく機関投資家(ファンド)もそういった基準で投資マネーを投じる時代になっていくということ。
つまり、個人投資家も、そうした企業の株式やそうした企業に投資しているファンドを選定していかならければ、いずれ淘汰されていくというのが「世界の流れ(主流)」になっていくことです。
ようは、ESG(環境・社会・企業統治)投資ですね(日本国内でも少しづつ浸透してきたのでは?)。
今の世代が(私たちが)「今後取り返しのつかないことにならないように、今その決断やアクションすべきにも関わらず、短期的な言い訳をして何もしないというのは、きっと次世代に対する罪でしかない」個人的には思います(日本の人口問題もそう)。
”今の自分の国さえよければ、自分さえ良ければ、未来のことは関係ない(今の世代でも自分たちのこどもたちや孫がいるにも関わらず・・・)”
という人たちや、そういったリーダーたちが多いからこそ、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんが怒ったのだと私なりに解釈しています。
私自身、未だに時代錯誤の「イデオロギー重視」な方と話をすると心底疲れるのですが、
”日本だから”
”国内企業だから”
”日本人として”
など「ザ日本に拘りを持ってエクスキューズする人」は、正直私はしょうもないと思っています(日本人としてのアイデンティティを持つこととは意味が違う)。
なぜならもう既に、私たちはひとりひとりが「グローバル・シチズン(地球市民)」なのですから。
https://toushin-shisan.net/2016/09/post-5591.html
環境問題、待ったなし。
地球は1つしかないし、環境問題の根本的な原因を分かっている以上は、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg) さんがいうように、私たち一人ひとりがアクションを取っていかなければ・・・。
かくいう私は自前でポータブルの金属ストローや箸スプーンフォークを購入し、紙ストローやプラスチックストローは使いません。こんな行動は実に小さく意味があるかなんて分かりませんが、批評は誰でもできるけれども、アクションすることが何よりも大事なのですから。
個別相談予約
(東京、大阪、福岡、名古屋、香港、ハワイなど)
各都市でそれぞれ投資、保険、節税の弊社アドバイザーが個別相談承ります。
各担当者の面談空き状況を随時更新していますので、場所、日時、アドバイザーを選択してご予約ください。
関連記事
-
ギリシャ債務問題、決戦は日曜日〜♪♪ (Patr.2)Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)へのカウントダウン?一方、ギリシャの借金同等額の血税で新国立競技場を作ろうとする日本政府
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 先週まではギリシャ債務問
-
2030年代、消費税25%が必要だってよ!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は某シンクタンクから発表
-
【未来予測】NRI未来年表2018〜2100(未来に対して不変的なことと備えられること)【2019年/2020年編】
こんにちは、眞原です。 今回も前回に引き続きNRIが発表している『NRI未来年表 2018-2
-
【気になるニュース】「1万円札廃止論」が消えない理由は今後の「タンス預金炙り出し?」
こんにちは、眞原です。 今回は「気になるニュース」と「資産保全(自分の資産は自分で守ろう)」を
-
Brexit後に想定される英国10のシナリオ(プロセス)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 先週末のBrexit決定
-
ほ〜らねっ!「65歳以上が高齢者という定義」変更で今後の年金受給年齢も変更へ!?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は、私たちの年金問題
-
タンス預金が3年で30%増加の理由は財政問題(将来の増税)とマイナンバーでの資産把握
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は「タンス預金増加」のニュースについて。
-
【富裕層情報】富裕層向け贅沢品価格が上昇中!過去10年最も値上がりしているモノは??〜 The Wealth report 2019 – Knight Frank 〜
こんにちは、眞原です。 今回は、富裕層のアセットアロケーション情報です。 英国のグローバ
-
2020年第1四半期にGPIF(年金基金)が過去最大損失17.7兆円。「自分年金」で備えましょう。
こんにちは、真原です。 今回は、私たちの「年金」に関わるお話。 私たちの「年金原資」を運
-
【年金問題】少子超高齢社会日本で生きる未来(2017年出生数94万6千人で人口自然減39万4千人)
こんにちは、眞原です。 今回は日本に住む日本人の現役世代全員に関わる話。 ずっと分かって