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【ドラマ評論】『メガバンク 最終決戦』(2016、波多野聖)が描く「金融庁(当局)」と「金融サービサー」の正義と納得した「付和雷同な日本人」の姿

こんにちは、真原です。

今回は、つい先日、経済ドラマを観たのでその感想を。

さて、Amazon Videoで視聴したのは『メガバンク 最終決戦』という2016年にWOWOWで連続ドラマ化されてたらしい経済ドラマです(6話完結)。

このドラマは、

日本国債の暴落(8%程度)を発端とした、長期国債の危機によるメガバンク破綻危機

という大枠のストーリーがあります。

(出典:Amazon)

元々は、波多野聖の経済小説『メガバンク 最終決戦(新潮文庫)』が原作だったようです。

ちなみに波多野さんは、元々ファンドマネージャー(バイサイド)の経験もあるようなので、内容により臨場感があります。

(出典:Amazon)

これから観る/読むって人もいると思うので、ネタバレにならない程度に感想を書くと、

非常に、よく出来た、経済ドラマ

だと思いました。

恐らくモデルとなっているのは、

三菱東京UFJ銀行 と 新生銀行(旧 日本長期信用銀行)

でしょう。

ドラマを見る前に、「新生銀行(旧 日本長期信用銀行)」の歴史をウィキペディアで調べてから観るほうがよりドラマの内容が分かります。

さて、このドラマ内で私が納得したのは2点。

1つ目は、

「金融庁(当局)」と「銀行」のやりとり

(=金融庁による銀行イビリ、銀行いじめ、政治絡みの陰湿な圧力)

です。

まぁ、既得権益を守りたい体制側(当局)が、本来あるべき正義を貫こうとする側(銀行、金融サービサー)を潰そうとする姿が見事に描いているなと、笑っちゃいました。

金融機関や金融サービスだけじゃないですが、基本的にこういった「当局からの嫌がらせ」って、普段の生活ではなかなか見えないものです。

そして、しょうもない「メディアが垂れ流す情報(むしろ当局の御用聞き)そのものが”正しい”」と錯覚し続けている国民の多くが、その「真実」や「正義」を見誤るという現実がきちんと描かれていて、このドラマを通じてそのリアリティがよく分かります。

何事にも常にフラットに疑問を感じること、そして自分の頭で考え、行動ないといけませんが、

その前提としてはやはり、

「いったい、何が真実で、何が正義なのか?」

という自分なりの答えでしょう。

常に、

総合的に情報を取捨選択して、一般大衆用に垂れ流され続けるプロパガンダ情報を鵜呑みにするのではなく、自分たちのアタマで考えるしかない

のです。

そして1点目付随して、2つ目に納得したのは、まさに「思考停止付和雷同の日本人」でした。

銀行が破綻するかも知れないという「突然のニュース」を聞きつけた預金者たちが、

銀行取り付け騒ぎを起こすシーン

(=預金者が銀行窓口へ殺到して預金を引き出そうとする大混乱)

が描かれています。

思考できず、付和雷同的多くの日本人であれば、仮に現実にこういったことが起こると、このドラマのように同じような行動をする人が、実に多いんだろうなぁーとマジマジと感じました。

つまり現在、日本全国で何も考えずに「日本円だけで、預貯金だけ」をし続けるている多くの日本人が疑問も持たずに、

・なぜ、日本の銀行預金を信じ続けられるのか?

・なぜ、日本国(日本円)だけを信じ切っているのか?

・なぜ「預貯金税や財産税」という名の「デノミネーション+預金封鎖」なんてもう2度と起こらないと思っているのか?

と改めて危機感を覚えました。

ドラマで殺到する人たちと現実の日本人をふと冷静に考えると、正直、日本(政府/当局)や銀行を「信じている」というか、単に「思考停止な人(考えない、考えられない、みんなそうしているから大丈夫)」があまりにも多いのかとも思ってしまいます。

【国家財政】学校では習わない個人金融資産1,845兆円と日本の財政赤字1,000兆円のカンケイ

さて、このドラマでは、椎名桔平さんが主人公(ディーラー兼専務)として大活躍する訳ですが、彼の役柄が非常にハマっていて、格好良すぎました!

少なくとも私が知る限り現実世界の日本の銀行員ではこんなスタイリッシュな人は殆ど見たことないですね(苦笑)。

証券マンか外資金融マンくらいでしょうか。

(出典:WOWOW)

ドラマないでは、ちゃんと金融っぽさ(専門用語やディールメイク)もしっかり描かれているので、実際ディラー/トレーダーがどういった仕事をしているのか?も垣間見れるのではないでしょうか。私も学生時代からバイサイドでの仕事したいな!と考え続けている身です(ずっとセルサイドですが)。

椎名桔平演じる「桂ディラー専務」が言う名言があります。

それは、

相場を、相場の神様をなめてはいけない。どんな事情があろうとインサイダートレードはやってはならない。その場は上手くいったとしても必ず相場の神様は強烈な報いを与える。それは生まれて来たことを後悔するような報いだ。相場とはそういうものだ。

です。

至極全うなことを言っています。

まさに「相場=マーケット」では、「誠実さ」が何より大事だと見事に体言している名言でしょう。

ちなみに残念ながら、世の中の金融マンの中には「犯してはならない禁忌(=要はモラルの問題、倫理観、コンプライアンス)」を平気で犯す輩が毎年必ず多数います。

実際に私の古巣野村證券にも(元同期の中にも)、他の金融機関(証券、銀行、保険問わず)でもそういった連中がいるという類の話は、単に新聞沙汰や表沙汰にならないだけで、実は山ほど見聞きしています。

が、これは決して金融サービサーに限ったことではなく、どんなサービサーであっても、むしろ人間関係でも同じでしょう。

「踏んではいけない、越えてはいけない一線」

を「理性」で且つ「モラル」で制御できるかどうか?(一時の欲望や感情に流されないかどうか)

コレばかりは、それまで生きてきた「人としてどうあるべきか」という面が強烈に現れると個人的には思っています。

 

同ドラマ、6話完結でなかなか面白いと思います!

(covered by Amazon)



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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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