為替ユーロ/米ドルはパリティ(等価)になるか?4月23日の第1回フランス大統領選挙の行方は?
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。
先日オランダの選挙が終わって一息ついたEU圏事情で、またちょうど去る25日に、欧州連合(EU)の基礎となったローマ条約(Treaty of Rome)調印から60周年を迎え、イタリア・ローマで特別首脳会議(サミット)が開催され、イギリスを除く27カ国首脳が集まり「EUの更なる結束」を表明したばかりです。
そんな中、マーケットで徐々に不安要素と数々の思惑が入り混じっている第1回フランス大統領選挙が4月23日に迫ってきています。
マーケットで囁かれる、1ユーロ=1米ドル(パリティ=等価)
<もしLe Pen氏が勝利をすればユーロ/ドルで大半のエコノミストはパリティもしくはそれ以下を見込む>

(出典:Bloomberg)
思い返せば、年始のブラックストーンのバイロン氏が2017年のビックリ予想で挙げていた1つに、
「1ユーロ=1ドル(パリティ)を割り込む」
というのがありました↓
※毎年恒例!米ブラックストーン副会長バイロン氏の2017年の「びっくり10大予想」/マーケット全般
これが現実のものとなるのかどうかは「まずはフランス大統領選次第」というのがマーケットでの見方です。
<3/20時点での第1回フランス大統領選挙 候補者支持率(Ifop)>

(出典:Bloomberg)
<4/23第1回投票でMacron氏とLe Pen氏が勝利する?>

(出典:Bloomberg)
フランスの大統領選挙は少しユニークで、4/23第1回投票時に大統領になる勝利条件は過半数を獲ることですが、恐らく今回もその可能性は低いです。
結果、第1回での得票率上位2名が、5/7第2回目の大統領選挙に進むことになります(第1回の獲得票は無効で、第2回はお互いゼロから)。
そして、第2回目で選ばれた大統領が正式に就任することになります。
2016年11月の米国トランプ大統領就任のように「1発勝負」というのではなく、フランスでは「国民が2度考える猶予がある」ということですね。
※”Make Great America Again!” 第45代アメリカ合衆国大統領に共和党ドナルド・トランプ氏が就任予定決定!(米国大統領選挙結果と今後のマーケット)/マーケット(世界)
さて、上でみたように現状のままいけば、4/23第1回大統領選では、Macron氏とLe Pen氏が勝ち進み、5/7第2回選挙で決選投票となるとの見方があります。
がしかし、仮にLe Pen氏が第1回、第2回も得票率を得て勝利した場合には、ユーロ/ドルがパリティ(等価)以下になるとの見方が大勢を占めるようになっています。というのも、このLe Pen氏は、右翼・国民戦線(FN)党首で、EU(欧州連動)や移民、難民受け入れ反対を表明している候補者だからです。
いわば、
フランス版トランプ大統領が誕生するかも知れない?
という懸念広がっています。
※NexitやFrexitの激震に備えるべく欧州マーケット2017年政治的な日程まとめチェック/マーケット(世界)
仮に、Le Pen氏が大統領に就任すれば、フランスの脱EU圏が進む可能性が高く(Frexitが現実を帯び)、共通通貨ユーロを用いるEU圏経済にとっては大打撃になるので、ユーロが売られるだろうという見方ですね。
<EUR/USD 1997〜2017年 為替推移>

(出典:REUTERS)
現状では、Macron氏が61%、Le Pen氏が20%、Fillon氏が18%の確率で次期大統領になると見られています。
ただ、投票権を持つフランス人の44%が「誰に投票するか決めていない」という情報もあるので、果たしてどうなるやら、でしょう。
また一方で、Macron氏(親EU圏)が勝利すれは、EU圏にとっては非常にポジティブとなり、逆に「ユーロ/ドル」では、ユーロが買われる展開になると見られています。
4月〜5月はEUR/USDでボラティリティ(上下のブレ幅=リスク)が高まる展開になっていくことでしょう。
オフショアファンドへ投資する場合でもまずはユーロ資産を避けて、米ドル資産を保有したものです。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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