NexitやFrexitの激震に備えるべく欧州マーケット2017年政治的な日程まとめチェック
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最終更新日:2021/02/09
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こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。
今回は2017年マーケット動向に左右する、主にEU圏が絡む政治的な日程まとめです。
<フランス国民戦線(FN)の ル ペン党首>
(出典:Daily Express)
スコットランド、英国残留51%、独立支持49%
昨日(7日)にスコットランド議会が、EU離脱手続き開始の非決議案を圧倒的多数で可決しました。が、この議案には法的な拘束力はありません。
記憶に新しい2016年6月の英国がEU圏からの離脱を決定したBrexit(国民投票)について、いま英国のメイ首相が「破壊的なハードブレグジット」を推し進めようとしているということで、スコットランドとして反対の気運が高まっているようです。
※ハードブレグジットは不可避!英国のBrexitほぼ決定(EU離脱)まとめ/投資と社会事情の関係
そんな中・・・、EU圏の問題児のトップとも言える「ギリシャの財政問題」についてまたマーケットが過敏になりつつあります。
ギリシャ、またデフォルトするかも知れないってよ!(7/17予定の新ギリシャ国債返済のリスクが高まっている)
と。
ギリシャ財政問題についての根本的な問題は以前のブログ記事でまとめているのでこちらに譲るとして↓
※ギリシャ債務問題は根本的に未解決で単にギリシャ国民の生活が苦しくなるだけ。日本人個人投資家は資産防衛としてギリシャ問題を反面教師に捉え始めている。/財政問題
英国&EU圏において、マーケットは不穏な動きだらけです。
加えて、2017年はさらなる政治的なリスク(ポリティカルリスク)が大きく、3月のオランダ総選挙、5月のフランス大統領選挙、8−10月に行われるドイツ総選挙とEU圏の経済を支える主要国での大きな選挙と民意が反映される激震の1年になりそうです。
気をつけるべきは3月オランダ総選挙(Nexit)と5月フランス大統領選挙
基本的に、私はEURに関する資産は「売り」のスタンスを貫いています。
一部海外積立投資のポートフォリオに組み入れいているファンドの中でごくわずかにユーロ圏の株式が含まれてはいるものの、通貨としてのEURは、オフショア資産管理口座の中から投資するオフショアファンド(ヘッジファンド)の投資通貨には含めず、むしろCHF(スイスフラン)を勧めます。今後のユーロ圏はリスクが大き過ぎるからです。
とは言え、野村證券マンや大和証券マンの一部では「欧州ハイ・イールド債券投資信託(ミューチャル・ファンド)」を勧めているというような「超逆張り思考(ハイリスク・ハイリターン)」でのセールスをしているようですが・・・中長期での資産運用に向かない投資先というのは言うまでもありません(ギャンブル好きな方には「どーぞ」と言いたい)。
注目は、
3月のオランダ総選挙で、反イスラム・反EUを唱える極右政党が議席を伸ばして「Nexit(オランダのEU離脱)」についての発言を強めようであれば、特に欧州債券マーケット(オランダ国債売り)で激震が走ると思います(Nexitが実現すれば、イタリア、ポルトガルなど周縁国は連れ安になるとの見方も)。
この場合、ドイツ国債に資金が退避してドイツ国債利回りが低下する可能性が十分考えられます。
5月フランス大統領選挙で、極右政党の国民戦線(FN)のル ペン党首の勝利が見込まれていて、もしル ペン氏が大統領選に当選した場合には「半年後にEU離脱の是非を問う国民投票を実施する(Frexitの是非を問う国民投票)」と発言しています。また「共通単一通貨ユーロではなく、新フラン発行の案」も挙げています。
つまり、フランスのEU離脱懸念(Frexit)の可能性が高まるということです。
それでは最後に、具体的に2017年の政治日程をまとめると・・・
欧州マーケット2017年政治的な日程まとめ
3月までに?
英国リスボン条約第50条発動?(本格的なBrexit)
3月15日まで
米国債務上限問題の期限到来
3月15日
※オランダ総選挙
→極右政党の自由党に注目
3月16〜17日
G20財務相・中央銀行総裁会議(ドイツ)
3月26日
香港特別行政区行政長官選挙
4月23日
※フランス大統領選挙(第1回投票)
→極右政党の国民戦線(FN)に注目
5月7日
フランス大統領選挙(第2回投票)
5月19日
イラン大統領選挙
5月26〜27日
G7首脳会議サミット(イタリア)
6月11日
フランス国民議会選挙第(第1回投票)
6月18日
フランス国民議会選挙第(第2回投票)
7月7〜8日
G20首脳会議サミット(ドイツ)
8月27〜10月22日までの間に
※ドイツ連邦議会選挙
→極右政党のドイツのための選択肢(AfD)に注目
2018年5月
イタリア総選挙
EU圏の激震はまだ始まったばかりでしょう。
予測も何もできない政治イベントが目白押しです。マーケットは休まることはありません。
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