ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)〜純資産総額1兆円超の投資信託(ミューチャル・ファンド)〜
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。
今回は純資産総額が1兆円を超えているラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)なので、投資している個人投資家も多いと思います。
前回のブログ情報から約1年半経過後のアップデート情報を確認してみましょう。
1年半前(2015年5月時点)のラサール・グローバルREITファンドの状況
まずこの<ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)>の商品性については2015年5月時点で私がブログ記事にまとめています。
約1年半前の2015年5月時点での各情報がこちら。
【基準価額】4,142円(2015年5/12時点)
【純資産総額】1兆2,700億円
【分配金累計額】8,460円
【分配金/月々】60円
当時の純資産総額は1兆2,700億円程度、基準価額は4,142円でした。
1年半後(2016年11月時点)でのラサール・グローバルREITファンドの状況
そして、1年半が経過した直近の推移がこちら。
<ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)>
【基準価額】2,676円(2016年11/2)
【純資産総額】1兆1,557億円
【分配金累計額】9,540円
【分配金/月々】60円
まず運用開始時の2004年から12年間の運用で分配金込の単純年間平均リターンで1.6%です。
投資家がリスクをとって貴重な投資する時間を使っているにも関わらず、たった年間1.6%のリターンです。
純資産総額は1,100億円減少、基準価額に至っては1,466円の下落です。
みせかけのリターンで投資家の実際のリターンになっていない「毎月分配金60円」
そして、分配金60円のうち80%は過去のリターンの取り崩しです。
つまり「運用がまともに上手く行っていないにも関わらず、毎月分配金を出している(タコ足分配金=特別分配金=元本払戻金)」ということです。当然、継続して基準価額も下落していきます。
このリターンを出している風のみせかけ運用が下手な投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資している個人投資家は、冷静に考えましょう。
2015年5月時点で基準価額4,142円で投資したとして、1年半後の2016年11月時点で基準価額は2,676円。
つまり、基準価額だけで見た場合の損益は4,142円ー2,676円=マイナス1,466円
一方この間、投資非効率な毎月分配金18ヶ月分(1年半分)×60円=1,080円を受け取っていますが(分配金累計額9,540円ー8,460円=1,080円)分配金受取金額以上に基準価額のマイナス額が拡大していることが分かります(そもそも毎月分配金以上のリターンが出ていないければ単に分配金額が基準価額から差し引きされる)。
<過去1年の基準価額の要因分解(2015年10月〜2016年9月)>
黄緑色が「分配金」はずっとマイナス要因で、分配金以上のリターンを他の要素で上げられない限り単に基準価額の下落にしかなりません。
運用状況を確認して分かりますがこのファンドの運用は「タコ足=元本払戻金=特別分配」で運用されているので、毎月分配金を出す以上のリターンを上げられていないのに、基準価額が上昇する理由も目処も立つわけがありません。
つまり、
この投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資している個人投資家の
純粋なリターンになっていない
のです。
今後はきっと、現状の毎月分配金(60円)は50円や40円などに引下げられると思いますが、継続して毎月の分配金を出し続けるので、これから半年、1年、1年半と経過していったとしても継続して基準価額は下落し続けていくでしょう。
基準価額が下がれば下がるほど「いつ解約(損切)するか、解約した方が良いかどうか」という個人投資家の心理戦が始まり、
まるで、ババ抜き状態(誰が途中で抜けるか、誰が最後まで投資し続けババを掴むか)
になっていきます。
反面教師にしたほうが良いのは毎月分配金を出す先駆け的な投資信託(ミューチャル・ファンド)だった「グローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)」ですね。
この投資信託(ミューチャル・ファンド)に投資している個人投資家の多くも、パフォーマンスが上がらないこのファンドを「いつ解約したほうが良いのか・・・」と頭を悩ませています。
まとめ:
・分配金が高い(60円)というのが、個人投資家リターンにとって良いという訳ではない。
むしろ毎月分配金は非効率。本来は、分配金などを出さずに複利運用で中長期に資産が増加していくのが良い資産運用。
・タコ足分配金(元本払戻金=特別分配)になっているファンドは、いち早く解約をした方が良い。
単に過去のリターンからの取崩になっている以上、まともな運用を期待できない。
過去他の様々な投資信託(ミューチャル・ファンド)でもタコ足になっている投資信託(ミューチャル・ファンド)は分配金額を減らしながら、単に基準価額を削り続けて「みせかけのリターン」を演じ続けている。
・この投資信託(ミューチャル・ファンド)を積極的に勧め営業トークをする証券マンや銀行員は信用ならない。
明らかに現状「ダメファンド」なのに、そのダメファンドを積極的に営業トークする証券マンや銀行員の合理性や道徳心を疑わざるを得ない。
投資判断をする際には「分配金額」や「純資産総額の多さ」ではなく、個人投資家は自分自身の「目標」や「他に投資している資産との相関性やリスク」などを元に、正しい投資先で運用するように心がけましょう。
まずは「自分自身の資産運用スタンス」を把握することが第一歩↓
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