東京海上・ニッポン世界債券ファンド（為替ヘッジあり）

こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。

今回は、既に運用され、みずほ銀行やみずほ証券などから販売されている『東京海上・ニッポン世界債券ファンド（為替ヘッジあり）』の情報です。

それではまずは基準価額の推移から確認してみましょう。

＜東京海上・ニッポン世界債券ファンド（為替ヘッジあり）＞【基準価額】9,786円（10/2時点）
【純資産総額】893億円
【分配金累計額】1,820円
【分配金/月々】30円

年間平均リターンで2.5％程度です。また分配金のうち約40％が過去のリターンからの取崩し（特別分配金＝元本払戻）になって運用されています。相変わらず毎月分配型の投資効率は悪いなぁ〜という印象です。この時点で投資しても仕方がないファンドでだと判断できます。

このファンドは日系企業（金融機関、事業会社、政府機関など）が世界で発行する外貨建て債券への投資です。簡単にいえば、日経企業が資金調達の為に外貨建て債券を発行し、それらの債券へファンドを通じて投資するということです。

さて、ファンドのポートフォリオがこちら。

平均格付けはAA-なので、金利が低いのは仕方がありません。また、平均修正デュレーション（金利変動に対する債券単価の価格変動の指標）が4.94年なので、今後の米国の金利情勢の影響も考える必要があります。

具体的な銘柄がこちら。

ポートフォリオの組入構成の内、普通社債が67％、劣後債が31％となっています。特に銀行が発行する劣後債は新バーゼル規制（世界的な金融機関の新資本規制）を見据えて多数発行し、また保険会社が発行する劣後債は保険会社の資本規制（ソルベンシーマンジン率）を維持する為に発行しています。

結果、ポートフォリオ構成を見ても事業会社よりも金融機関の方が名を多く連ねています。ちなみに2013年に住友生命と富国生命が米ドル建て劣後債を初めて発行した年で、規制に対応する動きとして注目されました。

また、このファンドは2009年に販売されて運用されていますが、このようなファンドは度々異なる証券会社から販売され運用されています。例えば、直近であればSMBC日興証券から販売されてます。

※日系企業海外債券ファンド（為替ヘッジあり）2015−05 単位型（愛称：日本晴）/SMBC日興証券

結局、このような劣後債ファンドは「金融機関の資金調達」に過ぎないなという印象を受けます。

総じて良いファンドという訳ではなくまた投資効率を考えればもっと良い投資先や投資対象はあるので、今投資している個人投資家で利益確定売却が出来るのであれば売却をしておいて良いファンドの1つでしょう。特にこれと言った特徴も乏しいファンドです。