ロボ・ジャパン（円投資型）/（米ドル投資型）

こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。

今回は野村證券から新規募集販売されている「ロボ・ジャパン（円投資型）/（米ドル投資型）」について。

野村證券マンの投信販売姿勢が変化しているので、かつてのように販売攻勢を掛けているとは耳にしませんが、すでに同様のファンドがSMBC日興証券や大和証券から販売されているのを踏まえると当然、野村も販売してくるなという印象です。

野村の営業攻勢についてはこちら

※野村テンプルトン・トータル・リターンファンドと投信販売/野村證券

さて、今回は満を持しての証券会社ガリバーの野村證券が「ロボット関連ファンド」を販売する訳ですが、2015年には他の大手2社が先駆けて同テーマの投資信託（ミューチュアル・ファンド）を販売しています。SMBC日興証券のファンドはなんと3,100億円程度の純資産まで膨れ上がっているので野村證券としても追随せざるを得ないのでしょう。

「投資テーマが良い」との「投資家にとってファンドパフォーマンスが良い」は全くの別物

野村證券の新ファンド情報の確認の前に、大手2社が販売しているロボ関連ファンドの情報を確認しましょう。

2015年8月にSMBC日興証券から基準価額10,000万円で新規設定、販売、運用開始の『グローバル・ロボティクス株式ファンド（1年決算型/年2回決算型）』がこちら

※グローバル・ロボティクス株式ファンド（1年決算型/年2回決算型）/SMBC日興証券

【基準価額】9,622円（3/22時点）
【純資産総額】約3,100億円

約7ヵ月運用されていますが、パフォーマンスは振るっていませんが、純資産だけは順調に増加しています。きっとSMBC日興証券マンが積極的に販売しているのでしょう。それとも個人投資家が「このテーマとファンドは凄い！」と今後のファンドの上昇に期待ということでしょうか？（そんなことは無いと思いますが・・・）。

そして、SMBC日興証券に送れること4ヶ月後の2015年12月には大和証券からこちらの同様の「ロボ関連ファンド（日本＋世界のロボ関連株）」の『ロボット・テクノロジー関連株ファンドーロボテックー』が販売されています。

※ロボット・テクノロジー関連株ファンドーロボテックー / 大和証券

【基準価額】9,151円（3/23時点）
【純資産総額】約700億円

12月から運用開始で僅かな期間しかパフォーマンスを確認できないので良し悪しは判断しかねるところですが、投資を開始してから一向にパフォーマンスが向上していません。

また、Factsheet(運用報告書）を確認するとロボ関連は当然ですが、ITや資本財銘柄の比率も高いので正直、わざわざこのファンドでなくとも、同様セクターのインデックスに投資しておくえば良いのでは？とすら感じます。

これまでも「テーマ型」の投資信託（ミューチュアル・ファンド）は山ほど証券会社から販売されてきました。それは業界の横並びによるものもあるので、同テーマで単に販売会社の証券会社や運用会社は違うというだけで、テーマは良くともファンドパフォーマンスは奮わないというは多数存在します。

もし個人投資家がそのテーマが良いと感じるならば（もちろんリスクは高くなるものの）ダイレクトにその銘柄に投資すれば良いのでは？とすら感じます。

野村證券の『ロボ・ジャパン（円投資型）/（米ドル投資型）』は他2社とは違う？？

正直、新規設定なのでパフォーマンスは分かりません。ただ結局、他2社の状況を見れば「テーマが良くともパフォーマンスには結びついていない」というのが現実です。

結局、売り買い両建て運用や株式や債券など伝統的資産と相関性が低い運用をするオフショアファンド（ヘッジファンド）と違うので、投資信託（ミューチュアル・ファンド）はマーケット次第だということです。

今回の『ロボ・ジャパン（円投資型）/（米ドル投資型）』のファンドの特徴はシンプルに2つ。

・ロボット関連産業の日本株への投資（100〜150銘柄）
・円投資型と米ドル投資型の間でスイッチング可能

銘柄選定に際しては具体的に、ロボット、自動運転、AI（人工知能）、IoT（Internet of Things）、ロボット関連技術から波及するインフラ、サービスなども含むようです。そして銘柄選択の4テーマがこちら。

1.）産業ロボット（ファナックなど）
2.）AIやIoT（NECやトレンドマイクロなど）
3.）自動運転（日産自動車やクラリオンなど）
4.）インフラ・サービス（セコムやサイバーダインなど）

モデルポートフォリオがこちら

きっと安倍政権（国）が、ロボット関連事業を推進しているから、このようなテーマ型の投資信託（ミューチュアル・ファンド）がしきりに新規組成、販売されているのでしょうね。

個人投資家はいい加減（日本だけのマーケティング手法である）「テーマ型」に踊らされる投資（資産運用）は止めた方が良いと思います。