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10年前に私が野村證券で販売していた、『野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)』、の現在は?

公開日: : 野村證券

こんにちは、眞原です。

今回は、10年前に私が野村證券マンだった頃にセールスとして販売していた当時の投資信託(ミューチャル・ファンド)が、今、どのようになっているか?を確認するシリーズ。

前回書いたのがこちら。

https://toushin-shisan.net/2020/05/post-11038.html

さて、今回は・・・、

野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)

です。

(出典:野村AM HP, 以下同様)

名前が長いので、通称『グロハイ』と呼ばれている投資信託(ミューチャル・ファンド)です。

10年前の当時を振り返ると・・・、

マーケット環境的には、08-09年のGFC後(Global Financial Crisis 後)の各国の金融緩和により、先進国の金利が押し下げられる一方、新興国の金利が引き上げられ、徐々に過剰流動性相場になっている頃でした。

結果、

− 豪州経済動向は好調(金利は3%台半ば)、利上げ期待
− ブラジルの金利は、10%台、利上げ期待・・・インフレ傾向
− 南アの金利は、6%台

などを受けて、

– 『新興国通貨』の投資信託(ミューチャル・ファンド)の「分配金の高さ」
– USD金利との金利差拡大や為替動向の変化(NDF取引)などが『流行り』
– 新興国通貨や豪ドルがセールストークの屋台骨

という環境で、証券営業をしていました。

さて、この『グロハイ』の詳細ですが・・・、分かりやすく基準価額と純資産の推移から。

<野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型) 資源国通貨コース(毎月分配型)>

【基準価額】2,845 円(2020/5/20)
【純資産総額】357億円
【分配金累計額】8,790円
【月々の分配金額】20円

グロハイの運用開始が2010年4月なので、約10年間運用してきて、運用開始当初から考えると、

トータル:+16.35%
単純単年リターン:+1.63%

もちろん、各個人投資家によっては、投資しているタイミングが違うので一概にこのリターン水準ではないんですけど、ファンド全体として考えるとこういう具合ですよね。

足元の月々の分配金20円はタコ足にはなっていないようですが、

現状の基準価額で、年間で現水準の分配金を出すのであれば、約8%のリターンをあげていく必要があります(平均最終利回り:7.5%)。

そもそも、この「グロハイ」ですが、投資信託(ミューチャル・ファンド)の名前の通り、

・グローバル・ハイ・イールド債券(信用格付けが低く、金利が高い世界各国の社債や国債)への投資

です。

エリア別には、米国(31%)、欧州(27%)、新興国(29%)、ポートフォリオとしては、平均格付が「BB-」、 平均最終利回り7.5%、平均デュレーション4.4年、1,672銘柄への分散

という具合です。

投資対象として、

「ハイ・イールド債券」

は個人投資家もしておく方が良のは確かです。

なぜなら、中長期で伸びゆく資産の1つだからです。

これは、ICE BofA US High Yield Constrained Indexという米国ハイイールド債券インデックスの10年間の推移です。

ICE BofA US High Yield Constrained Index 10Y

2010年に約700Ptだったこのインデックスは、コロナショック前の3月上旬に最高値である1,400pt台、つまりは10年間で倍まで上昇、コロナショックで1,100pt台まで下落してのち、目先では1,200pt台まで戻しています。結果、このインデックスは、この10年間で約71%の上昇リターンになっています。

冒頭からお伝えしているハイ・イールド債券資産(同インデックスは単に米国ハイイールドのみ)への投資にも関わらず、グロハイとのリターンの差にショックを覚える投資家も多いんじゃないでしょうか?

チャートの通りこの10年間で経済動向で色んなことがありましたが(11年欧州債務危機、15年チャイナ・ショック、16年Brexit決定や米トランプ大統領選挙勝利、そして目先の2020年コロナショックなど)、結局は緩や〜な上昇を続けている訳ですよね?

だからこそ、こういった「資産クラス」は「海外積立投資」でコツコツと月々一定金額を積立投資して運用する方が良いのです。

ずっと以前から、ハイイールド債券は、積立投資で!と情報発信し続けているのですが・・・。

海外積立投資でハイ・イールド資産を勧める理由

話を、グロハイに戻すと・・・、現状と10年前の経済環境は大きく違ってきています。

− 新興国も利下げ+利上げが困難
− 資源国通貨のエンジンがストップ、資源安
− 超超超金融緩和の経済状況にも関わらず、景気悪化
−「毎月分配型」の超非効率

です。

突如として、ハイイールド企業の連鎖デフォルト危機(倒産)というのも十分にあり得る経済環境下ですが「ハイイールド企業からの資金需要」は経済活動がある以上、枯渇するというのは考えがたいと想定しています。

ですが、このグロハイ。

既に資産残高はかつて1兆円を超えるメガ投資信託(ミューチャル・ファンド)でしたらが、目先300億円台まで解約や純資産減が進んでいます。また、毎月の「分配金」を受け取り続けている個人投資家が多いからだと思いますが、もはや「毎月分配型」は時代にもそぐわないうえ、投資効率は悪く、「運用した気(リターンが上がっている錯覚)」に陥りやすくなります。

もう10年、パフォーマンスが悪い投資信託(ミューチャル・ファンド)が、改めて息を吹き返して好パフォーマンスに戻るという、淡い期待に賭けるよりも、利益確定や損切を急いで時間を無駄にしたいものですね。

「若さ(退職までの長い時間)」は積立投資で最大の武器になる

 





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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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