【為替】リラ資産大丈夫??トルコ・リラ大混乱!(エルドアン大統領とトランプ大統領の政治的な思惑)
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こんにちは、眞原です。
今回は、為替、新興国通貨「トルコ・リラ」についてです。
ちょうど先週末(また金曜日・・・なにか問題が起こるのはいつも金曜日)から「トルコ・リラ」の動きがかなり荒くなり、本日週明け月曜日にトルコ・リラ安からの、南ア・ランド、インドネシア・ルピア、インド・ルピー、メキシコ・ペソなど他の新興国通貨へマイナスが波及、そして新興国株式市場も下落、そしてさらに、日本円に資金が戻る(円高)という、毎年恒例「8月の激しいボラティリティ(上下のブレ幅=リスク)が拡大した動き」になっています。
今日は、ひたすら、トルコ・リラ安からの各マーケットへのネガティブインパクトを表現するにあたって
”Contagion(伝染)”
という単語がマーケットは賑わっていました。
さて、未だに「トルコ・リラ」に関する投資先を持っている日本人の個人投資家が多いとは思いますが(というのも野村證券や大和証券は過去数年でせっせと「ディスカウント債券(DDBなど)」や「通貨選択型のリラ建て投資信託(ミューチャル・ファンド)」が販売されていたので!)、
個人投資家のみなさん、
そのトルコ・リラの投資先、持ってて大丈夫ですか???
と改めて、ご自身の投資先を確認するタイミングですよ。
もし「トルコ・リラ投資先持っているよ〜!」と心配な方は、
いつでもご相談は、
こちら(直接相談「トルコ・リラ大丈夫?」とご記入のうえ)
から。
さて、マーケットでは、トルコ・リラの動きは既に「Ugly(酷い)」と判断されています。
<トルコ・リラ(為替)のスポット・レートの動き>
(出典:Bloomberg)
また、「トルコのデフォルト(財政破綻)を意識」した、「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という国債保証コストの金融商品(高くなるに従ってデフォルトリスクが大きくなる)も急上昇」しています。
<トルコCDS(白色チャート)が急上昇>

(出典:Bloomberg)
現在、トルコ債券の格付けは、格付会社フィッチ・レーティングスが投資適格級として「BB-」、JCR(日本格付研究所)が、投資適格水準の最低である「BBB-」として付与しています。
元々トルコは、USD建ての債券(対外債務)が多く(対GDP比53%程度)、こういうマーケット状況になると火の車になってしまします。
まして、債務の約1/3が1年以内に償還を迎えるので、トルコが「返せない(=デフォルトする)」との懸念が広がり、上で見たようにCDSが急上昇することになっています。
さてさて、火の車経済状況に陥ったトルコですが、ようやくトルコ中央銀行が、トルコ・リラ安に歯止めを掛け、市中銀行を支えるべく流動性確保(リラ建てとドル建ての債務について支払準備率を引き下げ、最大で100億リラ(約1660億円)、60億ドル(約6620億円)、30億ドル相当の金が追加で利用可能にする緊急措置、銀行への担保規制を緩和)したことで、ようやくトルコ・リラが若干ですが上昇しました。
しかしながら、それでも、トルコ・リラ安が止まりません・・・。
<USD/TRY 1年チャート(ドル高/リラ安)>

(出典:Bloomberg)
全ては、トルコのエルドアン大統領と米国トランプ大統領の(経済的な意味も含めながらも)
「政争」
によって、このマーケットの動きとなっています。
歴史を見てもどこの国でも、最終的に損を被るのは、いつも「国民」です(為政者は損しない)。
さて、現状のトルコ・リラやトルコ経済状況において、ある36歳のトルコ人の店主がこう言っているそうです、
“I’m so regretful I didn’t buy dollars, I feel like a fool,” said Bulent Ucuran, a 36-year-old shopkeeper.
(米ドル(資産)を買っていなかったことを非常に後悔している、自分がバカに思える)
と。
この「通貨暴落」、「急激なインフレ(トルコ10年債利回りは約22%に急上昇)=国債暴落」、「株価暴落」のトリプル安ですが、同じような話はブラジル人金融マンから聞きました。
とは言え、このように、
「金融市場の動き」と「実体経済と国民生活」や「金融政策」とは別の話
になのです。
確かに、誰かが、
「日本国債は日本人の預貯金を担保にしているから日本円が暴落する訳ない」
と声高に叫びますが「金融市場(マーケット)の動きと、彼らが声高に叫ぶ話は一致しない」と私は金融マンとして考えています(特に国債先物の空売りはできる訳です)。
反面教師ではないですが、日本の個人投資家がすべきことは、上の後悔しているトルコ人店主のようにならないように、
・米ドル資産を持つという資産保全(=自国通貨以外の資産への分散)
が1つの方法だということに間違いないでしょう(トルコ・リラ建て債券や投資信託(ミューチャル・ファンド)は資産分散にはなりません)。
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