ドイチェ世界コーポレート・ハイブリッド証券ファンド(年4回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)/Bコース(為替ヘッジなし)愛称:金のがちょう
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最終更新日:2021/02/09
日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF
国内ファンド解説
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は2016年7/20- 8/5にみずほ証券から新規募集販売される『ドイチェ世界コーポレート・ハイブリッド証券ファンド(年4回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)・Bコース(為替ヘッジなし)』の情報です。
ちなみに、この販売用資料の1ページ目に記載されているこちら↓の文言はミスリードな文言だと思います。
「マイナス金利」の影響は直接的にはまだ個人まで及んでおらず、運用上直接的には「マイナス金利で困っている個人」はほとんどいないからです(銀行にとってマイナス金利は運用上悩ましいですが、個人においては債券投資への影響がありますが、個人向けに販売されている債券はほとんどが仕組債などなのでマイナス金利どうこうは特に関係ないはず)。
「マイナス金利」で煽ってる感が否めません。
※投信運用をしている個人投資家への悲報!マイナス金利のせいで投資信託の基準価額が下がるそう!/制度・規制・法律・金融政策
さて、このファンドの詳細を確認する前に・・・過去他の証券会社から販売されてきた同じような資産内容(ハイブリッド証券ファンド)を確認してみましょう。
例えば、
※日興フィッシャー・グローバル金融機関ハイブリッド証券ファンド(為替ヘッジあり)/SMBC日興証券
【基準価額】9,376円(7/12時点)
【純資産総額】19億円
【分配金累計額】630円
2014年に設定、SMBC日興証券から新規募集販売されてきたこちらのファンドですが、分配金込で運用当時と同額額の基準価額、そして、純資産が19億円と投資信託(ミューチャル・ファンド)のおおよその採算水準(純資産総額30億円未満の採算割れ)状態で運用されています。10億口未満になるとファンドの意向で勝手に償還してもありませんね。
他には、
※ダイワ・グローバル・ハイブリッド証券Ⅱ(為替ヘッジあり)/大和証券
【基準価額】9,423円(7/12時点)
【純資産総額】248億円
【分配金累計額】400円
【分配金/月々】100円
2014年に大和証券から販売され約2年間運用されていますが、1度も設定当初の基準価額(10,000円)を上回ること無く下落し続け、純資産総額も減少し続けています。
また、
※DIAM欧州ハイブリッド証券ファンド(愛称:ユーロ・プライム) / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
【基準価額】7,999円(7/12時点)
【純資産総額】9,100万円
【分配金累計額】500円
【分配金/月々】20円
こちらも2014年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券から販売され、DIAMによって運用されていますがチャートを見ても分かるように、基準価額も下落、純資産総額も減少し続けています。
と特に2014年にはハイブリッド証券ファンドやCoco債など様々な金融機関債ファンドが新規設定募集販売されてきました。
その背景についてはこちらで確認してみてください。
※金融安定に重要な銀行番付でJPモルガンが首位で次点にHSBC、邦銀は10位圏外。正直、日本国債暴落リスクよりも怖いのは金融システムの破壊リスク。/制度・規制・法律・金融政策
さて、今回の「ドイチェ世界コーポレート・ハイブリッド証券ファンド(年4回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)/Bコース(為替ヘッジなし)愛称:金のがちょう」は、また運用会社も異なり今から運用されるファンドなので、上で確認したように「違うファンド」です。
特徴としては、
・世界各国のハイブリッド証券(BBB格相当)への投資
ですが、具体的に参考ポートフォリオ例を確認します。
最終利回り:4.9%
直接利回り:5.2%
修正デュレーション(金利感応度):5.1
平均格付:BBB
組入銘柄数:98
通貨:
ユーロ:約72%
英ポンド:19%
米ドル:約8%
国別構成比率:
フランス:約18%
ドイツ:約14%
スペイン:約9%
イタリア:約9%
英国:約8%
業種別構成比率:
公益:約35%
金融:約18%
通信:約16%
エネルギー:約12%
素材:9%
とここまで確認すると「世界コーポレート」とファンドは銘打っているいますが、実質的には「欧州圏コーポレート・ハイブリッド証券への投資」(欧州資産)ということに気が付きます。
<コーポレート・ハイブリッド証券のリスク・リターンがこちら>
2011年から5年間のシミュレーションで、年間平均リターンが6.9%程度とのことです。
しかしながら上の確認したように、2014年からの他のハイブリッド証券ファンド(=多くは金融機関のハイブリッド証券ファンドでしたが)のパフォーマンス推移を見ると・・・このシミュレーションを信じてよいものか悩ましいのが私の正直な感想です。
さて「そもそもハイブリッド証券とは?」の説明を飛ばしてしましましたが、発行体企業がデフォルトなどの際に投資資金返済順位が異なる証券とざっくり考えましょう。
利回りの大きさ(信用度の大きさが利回りに反映される)としては下記の通りですね。
国債 < 普通社債 < ハイブリッド証券
もちろん先進国の国債のほとんどがゼロ金利、マイナス金利に沈んでいる現状なので、ハイブリッド証券利回りが相対的に高くなるのは当然で(ただ、国債金利が下がれば社債やハイブリッド証券の金利も下がるのですが)、そのマイナス金利下の国債利回りと相対比較しても仕方ないのでは?と思います。
正直、他のハイブリッド証券のパフォーマンスが奮っていないのを見ると、わざわざ投資するようなモチベーションが湧く投資信託(ミューチャル・ファンド)ではないと思います。
ただ、もし投資をするという場合には、これは単位型投信でもないので、運用開始からパフォーマンス(トラックレコード)を確認してから投資判断をされると良いと思います。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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