日本の株高は政府と日銀の虚像。その真の狙いは?
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最終更新日:2021/02/10
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
今回の記事は「日本の株高と政府、日銀が行っていること、そしてその狙い」について。
ようやく?日経平均株価が2万円台で終値を付けて推移しています(15年ぶり)。バブル期の4万円近くまで高値をつけていた頃を知っている世代からすると、ようやく半分か・・・というような印象でしょうか?かたや一方で、米国のハイテク株指数のナスダック総合は最高値を更新、NYダウやS&P500も直近最高値を付けたことも記憶に新しいことでしょう。
さて、安倍政権(アベノミクス)+黒田日銀総裁(金融緩和)によって日経平均株価は上昇していますが、サラリーマンの皆さん、経営者の皆さん、士業で働く皆さん「給与」は増えていますか?データ上、給与が増えているのは「公務員」の皆さんです。一方特にサラリーマン世帯は「実質賃金が22ヶ月間減少」しています」。
では「貯蓄」は増えていますか?円安のよる物価上昇(もしくは、例えば1袋あたりの個数の減少など)によって出費が増加している以上、貯蓄が増加するというのは考え難いので、これもノーでしょう。そもそも賃金が減少しているのに・・・。
さて、日経平均株価が上昇し「誰が得をしているのか?」を考えると、まずは多くの株式を保有している高齢者世代や上場企業の経営者層(=ストック・オプションや持ち株が値上がり)が挙げられます。そして誰よりも「得」をしているのは、政権(与党=自民党、安倍首相)です。
明日4/26日は統一地方選挙がありますが、自民党が圧倒的な議席数を獲得することはもはや明らかでしょう。そもそも数の勝負で高齢者世帯(株高の恩恵を受ける方々)の得票数が後押しするというのも一理あるからです。
安倍首相の真の狙い、それは悲願の「改憲」でしょう。単純な構造です。
株価高→内閣支持率が高くなる(過去の歴史的に相関あり)→内閣支持率が高い=地方統一選挙や参院選で勝てる→マイナンバー制度を始め、あらゆる法案を通し易くなる→改憲もできる。
これが政治と言えばそれまでですが、直近、山本自民党参院議員がこのような発言をしていました。
「30日の金融政策決定会合、日銀が何もしないことはあり得ない。」(30日は金融政策を決める日)
オイオイ!ですよ。確か2014年10月のサプライズ金融緩和の間際にも政治的に「金融緩和しよろ!」的な圧力とも呼べるものが日銀に押し付けられていたにも関わらず、今回もですか??
本来は政府から独立しているはずの「日銀」に対して、直近自民党議員から追加金融緩和を求める声が上がっているというのは、単に緩和マネーで株高にして内閣支持率を高く保ちたいと言う思惑があるとしか考えられないのです。
世界の中央銀行(FRBやECB)は金融緩和の一環で満期がある債券などは購入しているものの、株式(ETFやREITなど)は買っていません。が、日銀は2013年4月にマネタリーベース(資金供給量)を2年で2倍にするというバカげた政策を始めたのに物価そのものは上昇していないという結果です。仮に、さらに金融緩和をしてマーケットにマネーをジャブジャブにするようになると歯止めが効かなくなると想定できます。
最も恐ろしいのは、国債金利が跳ね上がり、金融機関のシステムそのものにダメージが波及し、
預金を多くしている日本人は銀行へ大挙し預金を引出そうとする(取り付け騒ぎ)→銀行株は暴落→銀行は資金回収の為に融資先から資金回収→それでも対応できなければ預金封鎖措置・・・
ますます混乱。。
政治的な動きと経済は密接です。
最後に全てを被るのは政治家ではなく、国民一人ひとりだということを考えた上で自己責任の下、政治的な選択や自分の資産運用(資産の全てが日本円だけというリスク=日本国に全ての資産を預けていることと同義)を考える方が良いでしょう。
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