短期NZドル債オープン(毎月分配型/資産成長型)
公開日:
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最終更新日:2021/02/09
日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF
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こんにちは、K2 Investment のマハラです。
投資信託(ファンド)で資産運用をしている投資家へ情報をお伝えしています。
今回はSBI証券で新規取扱いが開始された『短期NZドル債オープン(毎月分配型/資産成長型)』の情報です。運用会社の大和住銀投信投資顧問は、同様の『短期豪ドル債券オープン(毎月分配型)』を運用しています。
このファンドの大きな特徴は2つです。
1.)NZドル建ての公社債への投資
2.)毎月分配型もしくは資産成長型(年2回分配)
それぞれの特徴を具体的に確認します。
1.)NZドル建ての公社債への投資
このファンドが投資をする債券は、為替ヘッジなしのNZドル建て公社債への投資です。具体的なポートフォリオの記載がありませんが、デュレーション(金利変動に対する債券単価の変動性)は3年未満とのこと。3年未満なのでファンドの名前の「短期」と冠がついているのですね。
NZD(ニュージーランド$)や隣国のAUD(オーストラリア$)へポジティブな見方をしている投資信託(ファンド)で資産運用をしている投資家が多く、その理由としては高金利(だった)という点が挙げられます。NZ$は2008年時(リーマン・ショック前)には、8.25%の金利がありました。
NZ政策金利推移<年度末とカッコ内はその年の最高値>
2014年:2.75%(3末時点)
2013年:2.50%(2.50%)
2012年:2.50%(2.50%)
2011年:2.50%(3.00%)
2010年:3.00%(3.00%)
2009年:2.50%(3.50%)
2008年:5.00%(8.25%)
また、NZ国債の格付は主要先進国の中でも数少ない最上級格付です。
2008年以降のNZ経済としては景気鈍化や2011年2月に甚大な被害をもたらしたカンタベリー地震(クライストチャーチ地震)、隣国オーストラリア経済の失速懸念(中国経済景気後退)の影響などから、NZ経済にとってはネガティブな要因が多かった昨今でしたが、直近また明るい兆しが見えてきたという点があります。それが、2014年3月に政策金利を引き上げたことです。(2.75%へ)
主要先進国においては引き続き政策金利引き上げ期待が持たれています。
政策金利が上昇すれば債券単価が下落するものの、このファンドの場合はそれをヘッジするためにデュレーションを3年未満と短く設定しています。
そして、気になるNZドルの為替推移がこちら。
<NZD/JPY 為替20年チャート>
過去の推移から見ると金利水準からは想定し難いほど高値に近づいています。単純に金利水準だけで買われていないというのが分かる水準です。為替予測は中長期の資産運用においては、あまり気にする点ではないものの、NZ経済が今後も好景気循環サイクルに入ると更なる利上げ期待が高まります。同時にNZ$が相対的に選好される可能性が高いとの見方です。
特徴の2つ目です。
2.)毎月分配型もしくは資産成長型(年2回分配)
NISA元年の2014年では、この「資産成長型」というファンドが多く設定されています。
この投資信託のような年2回分配型は毎月分配型に慣れてしまっている投資家にとっては、違和感がある投資かもしれません。(毎月分配型の分配金は必ずしもそのファンドのリターンが源泉ではない点には改めて注意が必要です。)
ニュースや金融機関のマーケティングにおいては「時間をかけて基準価額を成長させるために毎月分配型ではなく資産成長型(年2回分配型)が人気です」というような形態をとっていますが、それらは日本風にアレンジされているだけです。本来、オフショアファンド(海外のファンド)においては毎月分配型などほとんどありません。
新興国(資源国)への投資をしている投資信託(ファンド)で資産運用をしている投資家は多いとは思いますが、ブラジルレアルやトルコリラなど、見た目が良い金利水準に惑わされずに過去の金利水準や為替推移などを確認した上で通貨分散などの観点から、資産全体のポートフォリオを考え直してみてはいかがでしょうか。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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