1世帯の金融資産が過去最高の1,798万円でも、16年前から続く銀行預金ゼロ金利のままでは増えるワケがない。
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最終更新日:2021/02/09
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こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は総務省発表データから資産運用を考えてみようと思います。
2014年度の家計調査「貯蓄・負債偏」で、1世帯が持つ「貯金」「株式(有価証券)」「保険」などを含めた金融資産総額の平均値が1,798万円(対前年比+3.4%)となったそうです。これはなんと、2002年以降で、2年連続で過去最高となった模様。「そんな金融資産ウチには無いわ!」と感じる人も多くいると思います、が、これが平均値のようです。
と大きな要因は約15年ぶり株高の寄与度がありますね。(特に高齢者世帯)
また詳細には、
有価証券(株式や債券):251万円(+4.6%増)
定期預金:758万円(+4.7%)
普通預金:380万円(+6.7%)
ということで、総務省は「預金が増えた理由は分からない」とのことですが、これは間違いなく一時金(ボーナス)を回した可能性が高い結果だと思われます。年間実質賃金は23ヶ月連続で下がり続けている事実がある以上、月々の給与からの貯蓄は厳しいのでベア(で増えたようにみせかけている)ボーナスを回していると考えるのが当然でしょう。先々の不安への裏返しみたいですね。
<貯蓄残高の推移>
(出典:総務省「家計調査報告2014年平均結果速報(二人以上の世帯)」)
<長期時系列>
(出典:同上)
注目すべきは、1989年の年間収入「641万円」から一時は増加に転じているものの以降は下降トレンド、そして2014年の「614万円」は1988年とほとんど変わらない数字ということです。
<貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)>
(出典:同上)
貯蓄現在高や貯蓄年収比は低いものの、この当時(1988年〜)は銀行に定期預金で預けていれば、つまり「何もしなくても、ノーリスクで、かつ『何も考え無くても(=思考停止状態)、世界情勢や経済情勢などを知らなくとも』お金が増えていた時代」だった訳です。(数年前のブラジルレアルのような高金利)
<普通預金、定期預金金利推移(過去30年間)>
(出典:杉並区作成)
では、現在はどうでしょうか?
「銀行のほぼゼロ金利」や「実質賃金は年間で増加しない」中で、それでも多くの人は貯蓄は積み増している。まるで、日々何とか切り盛りして貯蓄している印象です。上の金利水準チャートを見ても分かるように1999年以降、16年間ゼロ金利が続いている以上、銀行に預けていようとも1988年代のように増える訳がありません。たられば論をしても仕方ないのですが、
仮に1,000万円を複利で16年間「6%」で預けた場合は、
1,000万円→約2,540万円
一方、仮に16年間「ゼロ金利=0.025%(全国平均)」で預けた場合は、
1,000万円→約1,004万円
となり、やはり「複利」の効果は絶大な訳です。
もちろん実際6%が16年続いた訳では無いですが、バブル崩壊後ゼロ金利の日本国内においては結局、銀行口座に預け続けて「え!これだけの金利!」ということなのです。時間外にコンビニなどの銀行ATM手数料で400回引き下ろせば消えてしまうような「超低金利」しか付かない状態で16年間も日本の預貯金は眠っているという生きたお金の状態では無いのです。
さて、どのように「金融資産」を増やすか?というのは、個々人のリスク許容度や考え方、収入、家庭環境など様々異なります。
ただ、間違いなく言えるのは、
・銀行に預けていても、増えない
・円安が進行すれば、日本円の価値は目減りする
・株高の恩恵は一時的
です。
日本人(個々人=特に中間層と呼ばれる層)は、間違いなく世界的に見て「貧しく」なっていっています。
実際に「年間の所得は増えていますか?」この答えが「ノー」であれば貯蓄を増やす方法は2つ。「支出を減らす」or「収入(サイドビジネスもしくは資産運用)」しかありません。将来に対して不安があるからこそ、備えるために「貯蓄」をしている一方で、全く増えない選択をし続けている不思議な状況になっています。
今一度、自身の現状と未来、資産状況を確認して「2度と戻って来ない時間」を無駄にしないようにしましょう。
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