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今後、働かずに資産運用のリターンだけで生活費を賄いたいけれど可能ですか?

公開日: : 最終更新日:2021/02/09 資産運用の基礎、Q&A、基礎用語

こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。

今回はよくよく頂く質問(要望?)を取り上げました。

<Q.>
働かずに資産運用の金利や値上がり益だけで生活費を賄えるようになりたいけど可能ですか?

この質問(要望)は、意外と多く頂きます・・・働きたくない人が多いのでしょうか。。

さて、この質問(要望)を持たれる方の傾向を探ると、なぜかサラリーマンの方が多い傾向があります。

例えば、早期退職金や遺産を元にその資金を資産運用で運用してその後、働かなくても良いようにしたい、など・・・。

一方面白いことに、既に自身の事業をされている企業オーナーや自営業、医師の方などからはこのような質問(要望)はほとんど聞かれません

このような方々はむしろ、自分の事業をもっと成功させたい、社会に還元したい、事業で稼ぎたい、資産運用は総資産の中の分散と保守。という位置付けで、いくら資産を持っていても(働かなくて良くても)「生涯現役」という考えの方が圧倒的ですね。

この質問(要望)を頂くと、いつも面白い違いだなと感じます。

さて、こちらが私の回答。

<A.>

はい、可能です。

ただし前提として最低でも、

1.)年間いくらの生活費が必要なのか
2.)全体の投資額はいくらなのか(銀行預金を除く、純粋に資産運用だけに回せる金額)
3.)第2プランがあるかどうか

を考えてから始める必要があります。

それぞれを説明すると、

 

1.)年間いくらの生活費が必要なのか

これは、資産運用で目指す年間リターン(月々の目標リターン=運用によって得たい目標金額)を考えることになります。

例えば、年間600万円(一般サラリーマンの平均年収+α)のリターンを目指すという場合

資産運用の元手資金が、1,000万円しか無い人、5,000万円しか無い人、1億円しか無い人、10億円しかない人・・・

1,000万円:60%/年間リターン
5,000万円:12%/年間リターン
1億円   :6%/年間リターン
10億円   :0.6%/年間リターン

と、それぞれの「元手資金」に対する年間の「リターンの水準」が違ってきます(※米国株式S&P500の年間平均リターンが約7%)

ようは、元手資金が少なければ「資産運用だけで年間の生活費を捻出する」という場合には、高いリスク(=上下のブレ幅=ボラティリティがある資産)への投資をしなければ実現不可能ということです。

この年間の生活費(目標リターン金額、パーセンテージ)が定まっていれば、投資すべき投資対象や投資先比率が決まります

 

2.)全体の投資額はいくらなのか(銀行預金を除く、純粋に資産運用だけに回せる金額)

上の1.)にも関わりますが、

資産運用に回せる元手資金が1,000万円の人と、10億円の人では「リスク許容度=どれだけのリスクを取れるか(投資して良い先とダメな先)」が大きく違います。

まして、他に「預貯金(現金)」がないにも関わらず、今ある元手資金を資産運用(投資)に投じて、

「完全に、資産運用だけで生活費を賄う考え方」

は全くお勧めできません。

なぜなら、資産運用(投資)は、上振れ(リターン)もあれば、下振れ(マイナス)もあるからです。

どうも資産運用で生活費を賄おうと考える人に限って、リターン(上振れ)しか考えていない傾向が強く、また資産運用によるリターンがあたかも「確定しているモノ」として捉えている人も中にはいます。

いくら運用が上手く行っていても悪くなっていても、資産運用は「上下のブレがあり、不確定である(リターンを生み出す時もマイナスになるときもある。リターンを生んでいてもマイナスになる時もあれば、その逆も然り)」という大前提を決して忘れてはいけません。

その純粋に資産運用のみに回せる資金が多ければ多いほど、当然ローリスク系な資産で十分目標を達成できます。

スイスプライベートバンクでの一任勘定などはその部類に入ってきますね。

また、その元手資金を作る(殖やす)ためにはコツコツと一定金額を海外積立投資で準備していくというのは、特に若い世代にとって向いています。

 

3.)第2プランがあるかどうか

経済&政治状況が良ければ、資産運用だけで年間の生活費をリターンで生み出せる年もあるでしょうけれど、逆に経済&政治状況が悪くなれば、その目標は達成し難い状況になります。

つまり、完全に「資産運用だけで生活費を賄うために、働かない(働けない)」というのは、人生のリスク(※生活の危険性)になってきます。

だからこそ、「第2プラン」も重要になります。

・完全にリタイアではなく、ビジネスで一定の収入を得る
・他の資産運用からの一定の収入を得る
・今後、現金(キャッシュ)が入る予定を持っている
・今後、働く予定がある

など・・・。

 

結論:資産運用は「総資産の中での分散の1つ」

冒頭でも書きましたが、「資産運用で生活費を捻出して、そのリターンだけで生活することは可能」です。

ただ実際に結果的にそうやって生活費をリターンで捻出している人に限って、実は何かしら自分自身でやっていたり(自分の事業、ビジネス、仕組みを持っている)、潤沢な現金(キャッシュ)と切り分けたうえ総資産のトータルで考えて、一定資産を資産運用&分散してリターンを目指しているという考え方の人が多いです。

つまり、仮に自分の事業がダメになっても資産運用で資産を守っている、作っている。逆に資産運用でダメになっても自分の事業やビジネスでやっていける。事業も資産運用もダメでも十分食べていける、生活していける現金(キャッシュ)を持っている、など、資産運用も「人生を考える上での分散」の考え方ですね。



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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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