インバウンド関連日本株ファンド(愛称:ビジット・ジャパン)
公開日:
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最終更新日:2021/02/10
日本の投資信託(ミューチャル・ファンド)やETF
国内ファンド解説
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は現在(8/31-9/4)に三井住友信託銀行から新規募集販売されている『インバウンド関連日本株ファンド(愛称:ビジット・ジャパン)』の投資信託(ミューチャルファンド)情報です。
新規設定なので、実際どういう運用になるのかサッパリ分かりません。あくまで「こういう見通しだから、こういうテーマ(今回はインバウンド関連)から恩恵を受けられる銘柄を投資信託にして販売します」というものです。このファンドの「テーマ」は、インバウンド関連。新規設定のテーマ型ファンドは「テーマで訴求して金融機関が売りやすい」以外なにものでもないので(ファッションの流行り廃りと一緒)、一時の流行やキャッチーさだけで売り手優位を作る金融機関のマーケティングです。
とにかく「円安」によって、外国人が日本に来やすい環境になっているので訪日外国人数が圧倒的に増加傾向にあるということです。
2015年見通しでは1,800万人の訪日外国人数を見込んでいるようです。素晴らしいです!私の身近でも今年だけで日本を2回訪れているアジア人の友人もいますし、11月にはスペイン人とドイツ人の友人が日本へ旅行に来ます。為替が円安なので「とにかく安い!(費用対効果が良い)」と感じるそうです。ちなみに中国人の「爆買」と言われていますが、中国国内事情として人口が多い為にビザの発給がキャパシティオーバーをしていてビザ発給が追いついておらず、待ちの状態が続いているので年内やここ数ヶ月先で旅行できる中国人の数というのは「見えた数字」のようです。
<USD/JPY 為替5年チャート>
USD/JPYだけではなく他通貨においても「円安」が進んでいます。結果、外貨を持つ外国人は「(日本円に対して)お金持ち」になっているので旅行がしやすくなりますね。逆を言えばその分、日本円しか持たない日本人は「貧しくなっている(円資産価値目減り)」ということです。
※5年間で対ドル30%超の円安に!それはつまり1,000万円が700万円になったこと。円資産目減りを防ぐ方法は?/為替
この「円安」を追い風に訪日外国人が増加している結果、東京ではホテル需給バランスが崩れ、ビジネスホテルであっても1泊30,000万円したりするという「ホテル不足」がニュースを話題となっていますね。また、4−6月期の訪日外国人の旅行中支出が観光庁から出されていますが、それによると訪日外国人旅行消費額は8,887億円(四半期速報値)ということのようです。
さて、これだけの情報を抽出するとこのファンドが良いように思えますが、このファンドのポートフォリオは約40銘柄で下記のように組むそうです。
要は、インバウンド需要から恩恵を受けるであろう企業とそこから波及するであろうアウトバウンド需要企業の銘柄に投資するそうです。(こうなるとテーマ関係役もはや、組み入れる銘柄はなんでもアリじゃないかと思ってしまいますが・・・。)
新規設定なので具体的な銘柄は不明ですが、現時点で候補に挙がっているのがこの3銘柄。
<伊勢丹三越HD>
金融緩和で上昇している日本株式なので「インバウンド需要」とその波及効果からどれほど株価に折り込まれて利益寄与度があって、株価上昇に寄与しているのか?が曖昧ですね。きっと賢い投機家(✕投資家)であればわざわざこのような投資信託へ投資せずとも組み入れられている「インバウンド銘柄」に個別投資して短期売買するのでしょう。
いつも通り金融機関主導で販売しやすいよう耳障りがよくマーケティングしやすいような「テーマ型」のよくあるファンドだなぁ〜という印象です。確かにインバウンド需要とその効果が日本経済や株価を押し上げるのは間違いないと思いますが(今後の日本経済を支えるのはインバウンドしか無さそうなので)新規設定のタイミングからわざわざ中長期で資産形成を目指す個人投資家が投資するような投資信託でもないかなと思います。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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