女性の力応援ボンド国際金融公社 2018年7月26日満期ブラジル・レアル建債券（円貨売買型）

公開日： 2014/07/21 : 最終更新日：2021/02/10 債券投資（仕組債、社債、国債、デュアルカレンシー債）

債券（国債、社債）で金利を取る運用をしている投資家へ情報をお伝えしています。

今回は現在（7/23~31）、大和証券から新規募集販売されている『女性の力応援ボンド国際金融公社 2018年7月26日満期ブラジル・レアル建債券（円貨売買型）』の情報です。

主な条件から確認してみましょう。

債券名（発行体）：国際金融公社（IFC）2018年7月26日満期ブラジル・レアル建債券（円貨売買型）
期間　　　 : 約4年間
利率　　　 : 8.88%/年間
通貨　　　：ブラジル・レアル（BRL）（1レアル＝約45円 :7/21時点）
最低投資額：20,000ブラジル・レアル以上（10,000レアル単位）
利払日　　：毎年1/26・7/26
償還日　　：2018/7/26
格付　　　 : Aaa(Moody’s)、AAA(S&P)※無登録格付会社

結論からお伝えすると金融という側面からは良い債券です。いわゆる社会貢献型に近い債券なので、発行目的がより明確になっていて、個人的には良いと思います。

IFCが2010年末から「女性起業家のためのプログラム」という女性起業家に対する資金アクセス改善などに取り組んでいるそうです。2013年11月に初の「女性の力応援ボンド」を発行、今回が2回目で調達された資金はIFCが実行する投融資事業に活用されるとのことです。大和証券はこの分野でこのような債券をよく新規募集販売していますね。

「金融」の本来あるべき姿は「カネのある所から、カネの無い所へ、カネを流す」ということです。このような社会貢献型の投資（このように呼ばれるのには違和感がありますが）は、その目的を明確に達成しているので良い投資ですね。

ただ一方、投資家（投資）という側面からは、ハイリスク・ハイリターンな債券での資産運用になるとお伝えします。その大きな理由は、ブラジルレアルという通貨での投資になるためです。まず、為替の過去5年推移を確認します。

＜BRL/JPY 5年チャート＞

元々、ブラジルレアルは先進国主要通貨のように通常の為替取引とは異なる取引なので、実際の為替のブレはチャートよりも大きくなる傾向があります。そして、この債券の受取通貨についてがこちら。

投資・途中売却：JPY
利金・償還金　：USD

IFCが発行体なので格付けなどの信用力は最上級なのでデフォルトリスクはほとんど考えられませんが、それ以上に為替のブレ（ボラティリティ）が大きいので為替リスクが高くなります。社会貢献の債券投資は以前からありますがオフショアファンド（海外のファンド）ではマイクロファイナンスファンドなど、投資家サイドで考えた場合には、より多様性がある投資が存在します。

このような社会貢献投資では気持ちの部分で高い満足を得られる反面、投資家である以上はシビアに「投資リターン」ということを忘れずに資産運用したいものですね。

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