ギリシャ財政問題まとめ。ギリシャのデフォルト先送り?6/30はギリシャと世界にとって歴史的な日になり得るか?
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最終更新日:2021/02/10
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
今回は「財政問題」について取り上げます。
マーケットを賑わせているギリシャ財政問題についてです。
『きたる6月30日はギリシャにとってまた世界にとっても歴史的な日になる、かも?』知れません。
6/5、ギリシャとEU圏における月初の一大イベントが「とりあえず」終了しました。
どういうことかと言えば、6/5はギリシャがIMF(国際通貨基金)への債務返済期日だったものの、それを6月中に期限を迎える4回分の返済合計16億ユーロを今月末(6/30)までに一本化して払う旨を伝えたということです。
簡単にいうと、ギリシャは「IMFへ6/5までに返済しなくてはいかなかった借金を返す目処が立たなかったので、とりあえず6月中に返済期限が来る他の債務と共に、月末までに返済するから待っておくれ!」
ということです。
この措置は「デフォルト(債務不履行)認定」には当たらないとされています。というのも、IMF側で「複数債務元本を一般化する制度」という策定ルールがあり、ギリシャがこれを用いたということらしいです。ちなみに先進国であるギリシャがこのルールを用いたことにサプライズ感があるとマーケットでは捉えられています。(実際、これを用いたのは1980年のザンビア以来とのこと)
今回のギリシャ政府の決定は結局、本来EU圏(諸外国)からの対外的な借金を返さなくてはいけない期限の6/5から単に月末に先送り(6/30まで)しただけで根本的な解決策には全くなっていないということです。また月末にかけて同じような財政問題で騒がせる可能性が大いにあります。
さて、ではギリシャ政府はどうやって返済資金を工面するのか?と疑問になりますね。
実は現在、ギリシャ政府とEU側で協議が行われています。EU側がギリシャ政府に出している条件は「増税+年金改革などによる財政再建策」で、これをギリシャが履行すればEU圏から更に72億ユーロの融資の再開が見えています。ということは、これをゲットできれば6月末は乗りきれるということになります。
が、しかし!
左派政権であるギリシャ政府が国民の支持を得ている理由として「IMF返済よりも公務員の給与支払いや国民の年金を減らす考えはない」という点です。借金を踏み倒してまでも国民の社会保障を守ろうとしています。つまり、EUの債権者の条件に対してギリシャ国民からの反発が多くあり結局交渉が難航しているということです。そんなギリシャ政府とギリシャ国民ですが、ギリシャ国内の失業率は3月末時点で25.6%と高い数値で推移しています。つまり、ギリシャが増税や年金など社会保障費をカット出来ない理由は、仕事をしていない国民が多い中で「増税」などをすればなおさら生活に困窮する国民がさらに溢れてしまうということが容易に想像できるからです。
6月末のIMFへの支払いが終われば、次は7月と8月に欧州中銀(ECB)と欧州投資銀行(EIB)への返済が控えています。仮に期限内にIMFへの返済が出来なかった場合には、支払期限を越えても30日間の支払猶予があるとのIMF規定があり、それでも払えない場合はデフォルト認定そして、結果的に他の債権つまりECBやEIBからの借入もデフォルトとなるようです。(最悪なシナリオの1つですね。)
年内のギリシャの返済額は270億ユーロ(3.7兆円)あるそうです。この額が多いのか少ないのか?と言われると、相対的に少ないのではないかと考えられます。まず3兆円の規模感として、現在の1日の東証売買代金と同じ程度です。また、日本の新規発行額は約36兆円程度なので(2015年一般会計予算案)、それと比較すると規模感は掴めると思います。つまり拡大解釈すればドイツやフランスなどが主導してEU圏全体でさらに資金を出し合いギリシャを救済することはそれほど難しいことではないということが言えそうです。ただ「オイそれ」とその結論を出せないのは、ギリシャの怠慢(増税+公務員への税金支払カットや年金削減)を改めさせる必要があるからでしょう。
そう考えると「デフォルト」や「ギリシャユーロ脱退」という最悪なシナリオを阻止できる可能性は十分残されているのだなと思います。とは言え、最終的には「政治的な判断や折り合い」になってくるので余談は許しませんが・・・。
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